オピニオン
ニホンウナギ、資源管理の取り組み強化を
9月下旬から南アフリカで開かれるワシントン条約の締約国会議で、ニホンウナギの商業取引が規制されることはなくなった。条約事務局がウナギについての議案提出がなかったと公表したためだ。 だがニホンウナギは絶滅が危惧されてお…
「一つの中国」の呪縛を解け、蔡英文台湾総統が就任
平成国際大学教授 浅野 和生 日米台安保協力強化の好機 中国が主張する「一つの中国」原則とは、台湾も中国の一部であると認めることである。中国は、「一つの中国」原則の承認が、中台間の交渉、交流の基礎であると繰り返し表明し…
アイドルが刺される、警察は不手際を繰り返すな
東京都小金井市で、アイドルとして活動している20代の女性がファンの男に刃物で刺され、意識不明の重体となった事件では、女性が事前に警察に相談していたにもかかわらず、凶行を防ぐことができなかった。 アイドルが男に刺される…
魂を発する詩吟は精神文化
漢詩に生きる 金沢市議会議員 黒沢和規氏に聞く 加賀百万石前田家の城下町として栄えた金沢は、文化都市として名高い。しかも、その歴史は武家屋敷群や茶屋街などに残っているだけでなく、人そのものにも脈々と受け継がれている。「…
日・ブータンの国交30年展、日本重視の王室品展示
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 意義深い西岡氏ら民間外交 国と国の関係も結局人間同士の関係である。それを特徴付けるような出来事をこのたび体験することが出来た。「世界一の幸せの国」として知られているヒマラヤの小国…
オバマ氏広島訪問、道徳的覚醒訴えた演説を評価
オバマ米大統領が広島を訪れた。米国は原子爆弾を1945年8月6日に広島、9日に長崎に投下した。人類史上初となる実戦での核兵器使用だ。激しい熱線と衝撃波、有害な放射線で同年だけで21万人以上が死亡し、その後犠牲者は46万…
台湾新政権を巡る軍事情勢
元統幕議長 杉山 蕃 中国優位を米と埋めよ 「二国論」が南シナ海の鍵に 5月20日、台湾総統に民進党党首蔡英文氏が就任し、新しい情勢へと移行した。中台関係は、1949年蒋介石国民党政府の遷台以来、極めて複雑な経緯を経て…
伊勢志摩サミット、「法の支配」強調の意義大きい
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は成果をまとめた首脳宣言を採択し、2日間にわたる協議が終了した。 先進7カ国(G7)が、強引な海洋進出を続ける中国を念頭に「法の支配」を強調した意義は大きい。 中国の海洋進出念頭に …
刑事司法改革関連法が成立、冤罪防止と治安維持に生かせ
容疑者の取り調べの録音・録画(可視化)や「司法取引」の導入などを盛り込んだ、一連の刑事司法改革関連法が成立した。冤罪(えんざい)防止と治安維持のために生かす必要がある。 可視化や司法取引を導入 一連の改革は、2010…
G7はパリ協定の早期発効へ結束示せ
8年ぶりの日本開催となる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開幕した。世界経済やテロ対策、海洋安全保障などについて先進7カ国(G7)首脳が討議する。 このほか地球温暖化対策も主要議題の一つであり、きょう議論の場が持た…
続く生徒の自殺事件 人間愛による教育が必要
誤解や体罰で折れる心 子供たちの自殺事件が続いている。 昨年12月、広島県府中町立府中緑ヶ丘中学3年の男子生徒(15)が自殺。学校の誤った万引き記録による「指導」で私立高校受験の推薦を受けることができず、それが自殺の…
沖縄人は「先住民族」なのか
詩人・美術評論家・沖縄県文化協会顧問 星 雅彦 異種族混交の原日本人 歴史・文化・言語から探求 今年の4月20日と21日の沖縄タイムスに、島袋純琉大教授が「人権侵害に基づく辺野古問題」と題して、「国際法で考える」という…
人口減少、「家庭の価値」重視の対策を
厚生労働省が発表した2015年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に産む子供の数の推計値を示す合計特殊出生率が1・46と、9年ぶりにダウンした14年から0・04ポイント回復した。出生数も5年ぶりに増加へ転じた。 …
伊勢志摩サミットの最重要命題と北方領土・対露経済協力
今週の伊勢志摩サミットで最も重要なのは、「力による現状変更は絶対容認しない」と、最大限強力に再宣言することだろう。 昨年も、ロシアのクリミア編入を非難し経済制裁継続を決め、中国を名指しはせずに、海の大規模埋め立てなど…
沖縄米軍属逮捕、オバマ氏に再発防止策求めよ
沖縄県うるま市の女性会社員が無残な遺体で発見され、米軍属の男が死体遺棄の疑いで逮捕された。被害者は、まだ20歳の若さだった。言語道断の凶悪犯罪である。 安倍首相が「強い憤り」 女性は先月末から行方不明となっており、沖…
ロンドンの反トランプ現象
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 市長選で移民2世当選 排他主義克服する希望の光 ロンドンの市長選挙でサディク・カーン労働党候補が130万票という英国史上最高の権力の付託と言われるほどの支持…
中国の海洋進出をサミットで強く批判せよ
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が近づいてきた。難民問題や中東情勢、テロ対策、主要国の財政の在り方など国際社会のホットな議題が議論の中心になるとされる。 とりわけ日本としては、東・南シナ海で緊張を高める中国について…
哲学のある料理で「食」からの人づくりを
精進料理研究家 藤井まりさんに聞く 命の元である食を修行に結びつけたのが日本の禅宗の一つ曹洞宗を開いた道元。そこから生まれた精進料理を通して、心と体にいい食を広めているのが、鎌倉稲村ケ崎に「不識庵」を構える藤井まりさん…
文壇のボス、久保田万太郎
文芸評論家 菊田 均 久保田万太郎の人物評 好悪が分かれた人物評 「もう、トバ口(ぐち)まで来てるんですよ。運動すればすぐですよ」と久保田万太郎が獅子文六に囁いた。「トバ口」とは今どき聞かない言葉だが、「入口」のこと。…
欧州ミサイル防衛(MD)、地域の平和守るために重要
米国による欧州ミサイル防衛(MD)の一環としてルーマニア南部デベゼルに建設された迎撃ミサイル発射基地の運用が開始された。 米国は、ロシアのミサイルを迎撃するのが目的ではないと説明するが、ロシア側は強く反発している。 …
科学の波に抗った女性学者
名寄市立大学教授 加藤 隆 生命は身体だけに非ず 生物学者、医師が60年代に 1960年代は地球規模の経済発展に沸いていた時代である。アメリカの好景気とヨーロッパの経済統合の進展、戦後復興を遂げた日本経済も急速に拡大し…
大型2次補正で経済対策を
2016年1~3月期の国内総生産(GDP)は2四半期ぶりにプラス成長となったものの、うるう年効果を除けば成長率は0%台。4~6月期は熊本地震の影響も加わり、マイナス成長に転じるとの見方もある。 間もなく開催の主要国首…
台湾新総統、現実的な「現状維持」路線を
台湾で民進党の蔡英文氏が総統に就任した。台湾初の女性総統の誕生だ。 その就任演説で注目された対中政策に関し「1992年に中台の窓口機関が会談した歴史的事実を尊重する」と述べたが、中台は不可分の領土とする「一つの中国」…