オピニオン
再浮上する南シナ海問題
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国の埋め立て阻止を 「9段線」の根拠を追及せよ 先の伊勢志摩サミットは世界経済への対応が中心テーマだったが、もう一つの主要テーマは海洋をめぐる対中懸念への対応だった。中国の海洋進出で緊張…
野党選挙協力、共産党を利した沖縄の教訓
7月の参院選挙まで1カ月を切った。「18歳投票」が採用される初めての国政選挙だ。参院選の帰趨は政権交代に直接結び付かないが、今後の国政を大きく左右する。 とりわけ安倍政治をめぐって与野党対立が先鋭化しており、予断を許…
沖縄県議選で自公野党健闘
OKINAWA政治大学校名誉教授 西田 健次郎 翁長派新風会2人落選 「オール沖縄」陰で“内ゲバ” 本紙既報のとおり、任期満了に伴う沖縄県議会議員選挙(定数48)の投開票が6月5日に実施され、県政与野党勢力が確定した。…
裁判員に声掛け、裁判所は安全確保策強化を
特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)系組幹部の裁判員裁判をめぐり、不審な男2人が裁判員に「よろしく」などと声を掛けた問題は、裁判員の安全確保という課題を裁判所に突き付けた。 元暴力団員が「よろしく」 裁判で被告の…
尖閣諸島、国際社会が認める実効支配を
南シナ海での中国による領土拡張の動きが国際的な非難を浴びている中で、今度はわが国の尖閣諸島周辺の接続水域に、ロシア、中国海軍の艦艇が申し合わせたように相次いで入った。何故このような事態をもたらしたのか、これを機会に反省…
新元素命名、技術力の高さ示した快挙だ
理化学研究所などのチームが世界で初めて合成した原子番号113番元素の名称について、化学者の国際組織「国際純正・応用化学連合(IUPAC)」は、名称案が「ニホニウム(nihonium)」、元素記号が「Nh」と発表した。 …
エストニアのサイバー防衛 小国のデジタルイノベーション
大国不利な非対称空間 現代、コンフリクトが起こるところにサイバーオペレーションあり、といっても過言ではないだろう。 今日の戦いでは、サイバーパワーを発揮することで、小国でもタイミングを見計らい、意表を突くことで、大国…
「ゼロ成長」とアベノミクス
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 投資・ベア抑える企業 売上数量見通し好転に策を アベノミクスの下で、最近2年間の日本経済はまったく成長していない。2014年第2四半期から16年第1四半期までの8四半期(…
大所高所に立つ指導者を
最近、韓国メディアの世論調査では国連事務総長の潘基文氏が次期大統領候補のトップを走っている。国際化時代に相応(ふさわ)しい国際感覚と経綸(けいりん)を重ねた人物を指導者にという世論だろう。 潘氏は韓国中部の忠清道出身…
舛添氏資金流用、反省を形で示し責任果たせ
舛添要一東京都知事の政治資金流用問題で、第三者調査結果に納得しない都議会各会派が厳しい追及を開始している。 都議会側はきょう、総務委員会理事会を開き、一問一答形式の集中審議開催を決める。都政の混乱を収束させるには、知…
日米韓が連携して北朝鮮の挑発への対応強化を
中谷元・防衛相と米国のカーター国防長官、韓国の韓民求国防相はシンガポールで会談し、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する日米韓3カ国の緊密な連携を確認した。 核・ミサイル開発を非難 会談では、北朝鮮の弾道ミサイルを…
北朝鮮、宴の後の「200日戦闘」
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 人民に酷な「経済戦略」 核開発と経済の並進は無理 中朝国境にいる定点観測者から、「今年も北朝鮮側では大勢の人が隊列を組んで田植えを行っていますよ」という連絡があった。 農村の機械化を…
欧州には約1200人の脱北者
元北朝鮮人民軍第5部隊小隊指揮官 金主日氏に聞く 元北朝鮮人民軍第5部隊の小隊指揮官金主日氏(43)は5日、ウィーン市内で本紙とのインタビューに応じた。咸鏡北道吉州郡出身の金氏は2005年8月、脱北した。現在は英ロンド…
憲法に「緊急事態対処規定」を
「新しい憲法をつくる国民大会」講話要旨 新しい憲法をつくる国民会議会長 清原淳平氏 新しい憲法をつくる国民会議の清原淳平会長は、憲法記念日の5月3日、第47回「新しい憲法をつくる国民大会」で講話をし、「大災害地を早期救…
東日本、熊本と続く大地震
経済ジャーナリスト 尾関 通允 予知まだ不可能な段階 気になる南関東今後の備え ごく当たり前のことだが、地震にも個性がある。例えば震度、人体にはそれと感じない無感地震から恐るべき被害をもたらす烈震あるいは激震など、震源…
自民は変わらず辺野古移設の必要性訴えよ
沖縄県議選では、翁長雄志知事を支える県政与党系(社民、共産両党など)が過半数を維持した。 翁長知事は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対しているが、普天間の危険性除去と抑止力維持のためには欠かせない。…
新ミャンマーの出発に思う
評論家 太田 正利 親日国の民主化を祝す 課題に挑むスー・チー顧問 一寸遡ることだが、去年11月8日のミャンマー総選挙で、アウン・サン・スー・チー党首が率いる野党である国民民主連盟(NLD)は歴史的な勝利を得た。すなわ…
高速増殖炉、高い安全意識持つ新組織を
高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、新たな運営主体の在り方を議論してきた文部科学省の有識者検討会が、保守管理能力の向上などの要件を盛り込んだ報告書をまとめ、馳浩文科相に提出した。 点検漏れなど不祥事続く …
慰安婦支援財団、日韓合意の中断なき履行を
昨年末のいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づき、韓国政府が設置する元慰安婦を支援する財団の設立準備委員会が発足し、委員会のメンバーが集まってソウルで初会合を開いた。合意から約5カ月、その履行に向けようやく第一歩…
消費増税2年半延期、内需喚起に努め強い経済を
安倍晋三首相が来年4月に予定していた税率10%への消費税増税を2019年10月まで2年半延期することを表明した。 景気がプラス成長とマイナス成長を繰り返す足踏み状態にあって増税を強行すれば、景気を腰折れさせ財政再建を…
サミットに安倍外交結実 米の最も重要な同盟国に
関係深化で広島訪問 5月27日、現職米国大統領として初めて、オバマ大統領は被爆地・広島を訪問した。所感を述べた後、大統領は被爆者代表の2人の元へ歩み寄り、握手をしながら耳を傾け言葉を交わした。それはかつて干戈(かんか)…
「広島におけるオバマ」の後に
東洋学園大学教授 櫻田 淳 理想主義の価値を示す 矮小化された現実主義に対抗 バラク・H・オバマ(米国大統領)の広島訪問は、日米関係160年の歴史に残る意義を持つものになった。米国紙『ワシントン・ポスト』は、「広島にお…
「北方領土を含む千島列島は引き渡さない」 容認できぬロシア外相の発言
ロシアのラブロフ外相は、北方領土問題を含む日本との平和条約交渉について「クリール諸島(北方領土を含む千島列島)は引き渡さない」と述べた。 交渉めぐる対日牽制か ラブロフ氏は、交渉は「(日本が)第2次大戦の結果を受け…