経済
【社説】電力需給逼迫 安定供給へ原発活用を進めよ
政府は東京電力管内で電力不足の恐れがあるとして「電力需給逼迫(ひっぱく)警報」を初めて出した。この警報は、需要に対する供給の余力(予備率)が、安定供給の目安となる3%を下回る可能性がある場合に発令される。 政府と東電…
【社説】国内景気 知恵絞り悪影響は最小限に
2021年10~12月期の国内総生産(GDP、速報値)は、新型コロナウイルスの感染拡大がいったん落ち着き、実質年率で5・4%増と高い成長率になった。ただ、22年1~3月期は変異株「オミクロン株」の影響で急減速する公算が…
半導体への官民投資が世界で急加速していると指摘するエコノミスト
「メタバース」に脚光 世界的な供給不足で話題となっている半導体。かつて日本のお家芸とされていた半導体産業が今や中国、韓国、台湾に抜かれて瀕死(ひんし)の状況と報道されていることもしばしば。ところが、実際のところは日本の…
政府のPB黒字化試算に「楽観的」「現実離れ」と批判の朝毎日経3紙
3%超の成長率想定 15日付朝日「口先だけで済ませるな」、16日付毎日「甘い想定を続ける危うさ」、日経「財政の悪化を直視し抜本改革に備えよ」――。 内閣府が政府の経済財政諮問会議に提出した中長期の経済財政試算で、財政…
トヨタのEV戦略強化に「危機感」垣間見る東京、「期待」の日経・産経
消極的イメージ払拭 トヨタ自動車が電気自動車(EV)戦略の強化を発表した。これまで、2030年のEV世界販売目標を、燃料電池車(FCV)を含め200万台としていたのを、350万台へ引き上げ、30年までにEV30車種を投…
【社説】12月の日銀短観 原材料高騰の影響が心配だ
オミクロン株への懸念も 大企業の景況感は、非製造業で大幅に改善した一方で、製造業は5四半期続いていた改善がストップ。先行きはいずれも、原材料価格の高騰を背景に悪化を見込む。 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロ…
不動産デフォルトなど中国が抱える3大危機を特集するエコノミスト
世界経済にも悪影響 今や米国と並ぶ覇権国家を狙う中国だが、ここにきて外国からの厳しい攻勢を受けている。香港での露骨な民主派抑圧から始まり、新疆ウイグル自治区におけるウイグル族への人権抑圧などで西側諸国からの糾弾にさらさ…
【社説】みずほ銀行 企業風土改革が大きな課題
金融庁は、みずほ銀行で相次いで発生したシステム障害を受け、同行とみずほフィナンシャルグループ(FG)に対し、9月に続く今年2度目の業務改善命令を出した。 システム障害で改善命令 みずほ銀では2月から9月にかけ、計8回…
【社説】経済対策機 を逃さず再生に取り組め
政府は新型コロナウイルス禍の長期化などに対応する新たな経済対策を決定した。財政支出は過去最大の55・7兆円、民間支出などを含む事業規模は78・9兆円である。 中身に疑義あるものもあるが、岸田文雄政権の経済再生への決意…
世界的インフレ懸念と成長減速
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 金融緩和の転換図る各国 政策変えぬ日本、異常な円安に 世界の新型コロナウイルスの新規感染者が減少に転じ、感染力の強いデルタ株の猛威が峠を越した夏の終わり頃には、コロナ禍で…
【社説】GDPマイナス 焦らず経済再生の基盤整えよ
2021年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0・8%減、年率では3・0%減と2四半期ぶりのマイナス成長で、個人消費や輸出など総崩れとなった。 新型コロナウイルスの「第5波」による緊急事態宣言の発令…
米国の量的緩和縮小に日銀も出口探る議論始めよとする毎日の先走り
経済状況異なる日米 米連邦準備制度理事会(FRB)が、新型コロナウイルス禍への危機対応で2020年3月に導入した異例の量的金融緩和の縮小開始を決め、金融政策の正常化に踏み出した。 新聞では東京と本紙を除く5紙が社説で…
みずほ改善命令 問われる経営体制の在り方
金融庁は、システム障害が多発しているみずほ銀行と持ち株会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)に、銀行法に基づく業務改善命令を出した。再発防止の徹底を図るため、継続中の検査の結果を待たずにシステム運営の監督を強化する…
資金洗浄 金融業界は危機感強めよ
マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与の防止策を監視する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)が、日本のテロ資金対策をめぐって、法制度の不備や監視監督の甘さを指摘し、改善が必要との見解を示した。 アフガニスタ…
コロナ禍第5波と経済の展望
夏が終わり、秋を迎え、世界経済の展望は、夏前の手放しの楽観論が姿を消し、さまざまの警戒論が出ている。 夏前には、欧米でコロナワクチンの接種が進み、コロナ禍克服の展望が見えて、街ではマスクを外してテラスで寛(くつろ)ぐ…
みずほ障害、無責任体質を全面刷新せよ
みずほ銀行とみずほ信託銀行でシステム障害が生じ、全国の店舗窓口で一時、振り込みや入出金ができない状態に陥った。 このような障害は今年に入って5回目だ。顧客の信頼回復は遠のくばかりである。 今年に入って5回目 持ち…
経済安保 外資出資への監視体制強化を
政府は安全保障上重要な産業や技術への監督を強化するため「経済安全保障一括法」の制定に向け調整に入った。 来年に一括法を制定へ 一括法は、外資による重要企業への1%以上の出資を事前審査する外為法を基盤とする方向で、放…
漁業・養殖業復活へ政策大転換を
一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 水産資源は国民共有財産 漁業権制度改め新規参入促進を 2018年改正漁業法が20年12月に施行された。そこで改正漁業法の効果としての漁業・養殖業と水産業の将来の展望につ…
下期の日本経済回復の展望
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 設備投資・輸出リード型に 非製造業・中小企業は低迷続く 1~3月期のマイナス成長に続き、4~6月期もマイナス成長と予想される日本経済は、欧米に比べてコロナ禍からの立ち直り…
通商白書 経済安保強化へ有志国連携を
梶山弘志経済産業相は2021年版の通商白書を閣議に報告した。通商政策が前提とすべき国際潮流として、経済面における政府の役割の拡大、環境や人権などの共通価値への関心の高まり、各国における経済安全保障の強化、ビジネスのデジ…
株主総会がピーク、分散化やオンラインが広がる
620社超が開催、原発問題や地球温暖化で活発な株主提案 3月期決算企業の株主総会が29日、ピークを迎え、東証に上場する企業の27%に当たる628社(東証調べ)が開催した。集中率は調査を始めた1983年以降で最も低く、分…
米欧に遅れた日本経済の回復
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 ワクチン接種の速さで差 感染拡大中に二兎追った日本 日本と米欧の間で、コロナ禍による経済の落ち込みからの回復に、差がついてきた。 米欧の5月のPMI(購買担当者景気指数…
半導体戦略 産官学で生産体制構築を
経済産業省は国内半導体産業の競争力強化に向けて「半導体・デジタル産業戦略」を策定した。急速なデジタル化で半導体の需要が世界的に急増していることが背景にあり、成功させるには産官学が一体となって日本を再び「技術立国」に押し…