経済
デジタル通貨から考える貨幣の本質
ここ10年ほどの間、ウェブのネットワーク上で電子的決済手段として流通しているデジタル通貨の発達には目覚ましいものがある。「Suica(スイカ)」や「PayPay(ペイペイ)」などの電子マネーはデジタル変換された支払い手…
自律的景気後退とコロナ禍
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 19年初めから後退局面に コロナ重なりV字型回復困難 日本経済は、昨年10~12月期から本年4~6月期まで、3四半期連続のマイナス成長という厳しい落ち込みを経験した。しか…
6月日銀短観 苦境の長期化回避に全力を
予想通りの深刻な数字だ。6月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)は、ほぼ全業種で景況感が落ち込み、新型コロナウイルス禍の企業に与えた打撃の大きさを浮き彫りにした。 経済活動は再開したが、感染第2波への懸念は強く、本…
日本経済の前途は問題山積
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 大型措置の副作用に注意 非製造業の生産性向上を図れ 日本経済の激しい景気後退が進んでいる。昨年10~12月期には、景気後退の気配が広がる中で、消費税率引き上げを強行し、大…
3・4%マイナス、未曽有の危機に財政惜しむな
新型コロナウイルス禍の影響出始めは年率3・4%のマイナス成長――。内閣府が2020年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値を発表した。これで2期連続のマイナス成長になり、景気後退入りが確実となった。4~6月期はコロナ禍…
コロナ禍で進む世界の景気後退
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 マイナス成長続く日本 長期化なら金融危機の恐れ 新型コロナウイルスの感染症拡大に伴い、世界的に景気後退が進んでいる。 米国では1~3月期の実質成長率が前期比年率でマイナ…
食料輸出規制 安定供給体制を揺るがすな
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ロシアなど一部の国々は小麦やトウモロコシなどの輸出を制限し、食料を囲い込む動きを見せている。 感染収束のためにも、各国・地域は協調して食料の安定供給を維持すべきだ。 ロシアなど十…
今こそ水産・卸売業の将来像描け
一般社団法人生態系総合研究所代表理事 小松 正之 外国頼みから国内重視へ 安価な安定供給体制の強化を 新型コロナウイルスによる肺炎は2019年12月に中国・武漢で発生、世界保健機関(WHO)は20年1月30日に「緊急事…
中小企業こそインターンを
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 人材確保の最良の方法 後継者不足による倒産回避へ 近年、日本でインターンシップが増え、その内容や機会が拡大している。リクルート社がまとめた「就職白書201…
新型コロナ感染と日本経済
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 当面、需要・供給共に減少 仕事喪失や解雇、労働者を直撃 新型コロナウイルス感染症の拡大が続いているが、経済に対する影響を示す指標の公表が始まった。日本経済は、消費増税と大…
経済安保 官邸主導で中国に対抗を
政府の外交・安全保障政策の司令塔を担う国家安全保障局(NSS)に、経済安保を扱う「経済班」が発足した。 米中貿易摩擦など、経済政策が外交・安保と密接に関わる事態が増えたことを受けてのものである。 国家安保局に「経済…
関電問題、法令順守軽視の体質改善を
関西電力幹部による金品受領問題を調査してきた第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)が、福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から幹部ら75人が総額約3億6000万円相当の金品を受領したとする最終報告書を関電に提出した…
複雑な新型肺炎の経済への影響
鈴木政経フォーラム代表 経済学博士 鈴木 淑夫 需要減退と供給不足の併発 スタグフレーションの恐れ 新型コロナウイルスによる肺炎の広がりが、日本でははっきりと意識され始めたのは1月の下旬であった。他方、経済指標の公表は…
和牛の遺伝資源 輸出拡大へ海外流出を防げ
農林水産省は和牛の遺伝資源の海外流出を防ぐため、関連新法案を今国会に提出して成立を目指す。 「和牛ブランド」の保護を徹底し、輸出拡大につなげる必要がある。 和食ブームで人気高まる 和牛は明治時代以降に日本の在来種…
整合性欠く政府経済見通し
鈴木政経フォーラム代表 経済学博士 鈴木 淑夫 高過ぎる1.4%の成長率 問題の核心は供給能力不足 「アベノミクス」を掲げた政権運営が7年を超えた。この7年間に、経済成長率は平均1・1%にすぎず、消費者物価の上昇率は目…
景気失速を懸念しながら主因の増税を支持した各紙社説に反省なし
◆予想以上の落ち込み 2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比1・6%減、年率では6・3%減と5四半期ぶりのマイナス成長となった。 マイナス成長は大方の予想通りだが、落ち込み幅は民間シンク…
GDPマイナス 景気後退入りが不可避に
マイナス成長は予想していたが、これほどとは――。内閣府が発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値が、実質で前期比1・6%減、年率換算では6・3%減になったことである。 20年1~3月期も新型肺炎の…
かんぽ不正販売 全容解明と被害者救済を急げ
かんぽ生命保険の不正販売問題で、不利益を受けた疑いのある顧客が新たに約6万人判明した。契約数は約22万件に上る。 問題の根深さに唖然とさせられる。日本郵政グループは全容解明と被害者救済を急がなければならない。 高齢者…
訪日客過去最高 地方誘客、コト消費に知恵を
日本政府観光局が発表した2019年の訪日外国人数(推計値)は、2・2%増の3188万2100人となり、過去最高を記録した。伸びが鈍っているため、20年4000万人の目標達成は厳しい状況だが、東京五輪・パラリンピックの開…
金融政策の枠組み修正の年か
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 マイナス金利の効果なし 強まる銀行収益圧迫の副作用 2020年の年頭に当たり、本年の日米欧の金融政策を展望してみたい。 昨年は米中貿易戦争に伴うグローバル・バリューチェ…
米中貿易協議 米国は構造改革を促し続けよ
トランプ米大統領と中国の劉鶴副首相は米ホワイトハウスで貿易協議での「第1段階」の合意文書に正式署名した。 世界1位と2位の経済大国間の貿易戦争は制裁と報復のエスカレーションの状態からしばしの小休止に転じた。だが、中国…
ゴーン被告、「自画自賛のショー」「怒りをぶちまけた」
記者会見で仏メディア 日本から保釈中に国外逃亡したゴーン被告(65)が9日、レバノン・ベイルートで行った記者会見の様子を仏メディアは一斉に報じた。仏国際ニュース専門チャンネルのフランス24は「ゴーンのショーだった」との…
ゴーン被告、日本での身柄確保に全力を
日本から逃亡した日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告が、滞在中のレバノンで記者会見し、潔白を主張した。 しかし保釈中で海外渡航が禁じられているにもかかわらず、日本から無断出国したことは重大な違法行為である。無罪の主…