経済
電力需給逼迫 原発の活用を
経済産業省は今夏の電力需給について「ここ数年で最も厳しい」との見通しを公表した。採算の悪化した古い火力発電所の休廃止が相次いでいることなどが要因で、今度の冬も含めて需給が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。 夏や冬に電力…
GDP減戦後最悪、積極的にワクチン接種進めよ
2021年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比1・3%減、年率換算では5・1%減となった。この結果、20年度は前年度比4・6%減と2年連続のマイナス成長になり、下落幅は戦後最悪となった。 新型コロナ…
水素エンジン開発の新会社設立へ、3社による共同事業体
船舶用エンジン事業を手掛ける株式会社ジャパンエンジンコーポレーションの川島健・代表取締役社長は18日、水素燃焼エンジンを開発する新会社「HyEng株式会社」を設立すると発表した。 エンジンメーカー3社による共同事業体…
ポストコロナの政策課題
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 財政再建の展望を示せ 異次元金融緩和の正常化も コロナワクチンの接種が遅れている日本では、再びコロナ感染症が広がり、5月連休をまたいで緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が…
立ち直る世界経済と日本
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 大規模な対策実施が奏功 設備投資と輸出が回復を牽引 新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延(まんえん)で、世界中の株価が暴落したのは、昨年1~3月のことであった。しかし、そ…
RCEP承認案、中国の脅威念頭に慎重審議を
今国会に地域的な包括的経済連携(RCEP)協定承認案が提出されたことを受け、政府は経済効果について国内総生産(GDP)2・7%、民間消費1・8%、雇用0・8%の増加などの試算を発表した。 ただ、同協定に署名した15カ…
先進国の金融市場に春の嵐
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 長期金利と株価が同時上昇 景気回復予測の反映かバブルか 米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行など先進国の中央銀行が、まだ2~3年は現在の超金融…
みずほATM障害、信頼を裏切った責任は重い
みずほ銀行の現金自動預払機(ATM)で、キャッシュカードや預金通帳が戻って来なかったり、預金引き出しなどの取引ができなくなったりする障害が発生した。 みずほ銀は過去にもトラブルを引き起こしている。顧客の信頼回復は容易…
国内景気 依然見通せない本格回復
2020年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比12・7%増と2期連続のプラス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大で停滞した経済が国内外で持ち直し、個人消費や輸出が牽引(けんいん)した…
異次元金融緩和の変遷と展望
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 量的拡大から金利誘導へ 実現時期予測できぬ物価2% 黒田東彦総裁が日本銀行に着任し、「異次元金融緩和」(総裁自身の命名)を実施して以来、8年を経過した。この8年間に、「異…
今年の日本経済を展望する
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 悪材料出尽くし反動回復か 事業変革や脱炭素などが課題 2021年の年頭に当たり、今年の日本経済を展望してみたいと思う。 振り返ると、この2年間の日本経済は散々であった。…
新年の日本経済 コロナ収束後の成長力強化を
2021年の日本経済がスタートした。4日の東京証券取引所大発会は、前年末比185円79銭安の2万7258円38銭で引けた。株価は景気の先行きを示すものだが、今年はどんな展開になるか。 新型コロナウイルス感染が再拡大の…
12月日銀短観 景況感改善の鈍さ浮き彫りに
足元の景況感は製造業、非製造業とも大企業から中小まで改善したが、先行きは新型コロナウイルス感染の再拡大で不透明感が増しており、非製造業では悪化を見込む――。12月の日銀短期経済観測調査(短観)が示す企業の景況感である。…
経済史における2020年の位置付け
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 終了したアベノミクス 供給改革重視の中期経済戦略へ 2020年の日本経済は、新型コロナウイルス感染症に振り回された、慌ただしい1年間であった。外出自粛や密集回避などに伴い…
コロナ禍の景気 回復力弱く長期停滞の懸念
新型コロナウイルスの影響によって歴史的な落ち込みとなった前期の反動で大きな数字になったが、回復力は弱く、コロナ第3波への警戒感から伸び悩みが懸念される――。 2020年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が示す景気…
東ア経済連携 中国の影響力強化に警戒を
日本と中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国など15カ国は、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉で合意に達して協定文書に署名した。世界経済・貿易の3割を占める最大規模の自由貿易圏が誕生する。 日本の…
試される菅首相の経済政策
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 景気回復にはなお時間 中期戦略は順調にスタートか 菅義偉内閣が発足して間もなく2カ月になる。新聞報道によると、就任直後、菅首相は議員会館の自室で毎日のように民間人・学者と…
経済安保 中国念頭に体制強化を急げ
中国が軍事・経済両面で影響力を強める中、伝統的安全保障の枠を超え、経済的影響を考慮した「経済安全保障」 の体制強化が急務となっている。 自民が法制定求める 中国の人民解放軍は世界中の通信ネットワークを通じて、攻撃的な…
9月日銀短観 悪化歯止めも回復に鈍さ
新型コロナウイルス禍による景況感の悪化に歯止めはかかったが、回復のペースは鈍く、ばらつきが目立つ――9月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)が示す企業の現状である。 経済活動再開で最悪の状況は脱したが、感染拡大の収…
東証売買停止 取引所への信頼損なうな
東京証券取引所がシステム障害の発生で全銘柄の売買を終日停止した。大きな混乱を招いた責任は重い。原因究明と再発防止を徹底すべきだ。 システム障害が発生 東証によると、富士通が開発した株式売買システム「アローヘッド」を運…
コンビニ調査 ビジネスモデルの見直しを
公正取引委員会がコンビニエンスストア業界の実態調査結果を公表した。24時間営業について、加盟店オーナーの3分の2が見直したいと回答する一方、コンビニ本部が「交渉に応じていない」ケースもあり、独占禁止法に違反する可能性が…
安倍長期政権と日本経済
鈴木政経フォーラム代表 経済学博士 鈴木 淑夫 低成長の真因は供給側に 新規企業の市場参入促進を 安倍晋三首相が憲政史上最長の連続在職日数という記録を残して退任する。ここで大切なことは、「何日間在職したかではなく、何を…
マイナス27%成長 焦らず地道に経済再生図れ
大方の予想通り、厳しい数字になった。内閣府が発表した2020年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比7・8%減、年率では27・8%減と大幅なマイナス成長である。 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための緊急…