3・4%マイナス、未曽有の危機に財政惜しむな


 新型コロナウイルス禍の影響出始めは年率3・4%のマイナス成長――。内閣府が2020年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値を発表した。これで2期連続のマイナス成長になり、景気後退入りが確実となった。4~6月期はコロナ禍の本格化で2桁のマイナス成長も指摘される。企業や家計に苦境を強いる未曽有の経済危機に対し、政府は財政支出を惜しんではならない。ダメージを最小限にとどめるためにも早めの対応が肝心である。

 コロナ禍で落ち込む

 政府はコロナ禍の影響を受け「戦後最大の危機に直面している」との認識を表明。先月末に国民一律10万円の現金給付など緊急経済対策を盛り込んだ25・7兆円規模の20年度補正予算を成立させたのに続き、第2次補正案を27日にも閣議決定する。

 コロナ禍影響の本格化はこれからである。1~3月期でも外出自粛により外食や宿泊のほか、航空や鉄道といった旅客輸送の落ち込みなどから、個人消費は前期比0・7%減となったが、4~6月期は緊急事態宣言に伴う全国的な休業要請のため一段の落ち込みが必至である。

 個人消費だけではない。新型コロナの感染拡大から、耐久消費財も世界的に需要が急減し、輸出もままならない。自動車メーカーは生産調整を余儀なくされる現状で、設備投資も先が見通せない。縮小均衡の悪循環に陥りかねない様相である。

 民間調査機関が実施した5月のエコノミスト調査による4~6月期の実質GDPは平均値で21・33%減と、戦後最悪のリーマン・ショック後の09年1~3月期(17・8%減)をさらに上回る下落率で、今回の1~3月期の比ではない。

 経済の急激な悪化は日本だけではない。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、今後2、3カ月は失業が増えて失業率は最悪25%まで悪化し、成長率もマイナス30%台に落ち込むリスクがあることを指摘。本格回復は来年末までかかる可能性があると長期戦を覚悟する。日本にとっては、輸出主導の回復は難しいということである。

 2次補正では、対応が遅れた家賃支援や、バイトが閉ざされ困窮する学生への支援、休業などにより販路を断たれた農家向けの新たな補助金などが検討されている。家賃支援でのきめ細かな対応に向け、臨時交付金や雇用調整助成金の拡充など1次補正で実施している緊急経済対策の上積みも欠かせない。

 これらの対応だけでも予算規模は十数兆円は下らないであろう。感染拡大防止へ多くの個人、企業、事業者が政府、自治体の自粛要請に従った結果であり、政府はこれに対し補償という形で完全ではないにしても十分な支援を行うべきである。

 これらの実施には手続きの煩雑さや事務処理の遅れがネックとなっており、工夫が求められる。支援が生きるよう対策は早さも大事である。

 貸倒引当金増額は要注意

 企業の資金繰り支援に対応する銀行も、取引先企業の倒産拡大に備え貸倒引当金を積み増す方向にある。銀行自身の経営健全性にも影響が及びかねず要注意である。