オピニオン
ヒョウタンから学んだこと
歴史家 金子 民雄 太古の人類移動に恩恵 命の源の水を補給し世界へ ヒョウタンが実る季節を迎えた。プラスティック製品が世界に蔓延してしまった現代では、ヒョウタンなどと言ったところで気にもかけない人が多いだろう。第一これ…
児童ポルノ、子供を守る決意新たにしたい
児童ポルノの「単純所持」に対して来月15日から、罰則が適用される。所持を容認するわが国には、児童買春・児童ポルノ禁止法の成立当時から国際的な批判が出ていたが、これで児童ポルノ撲滅への努力は一歩前進することになる。これを…
バランス感覚を失う日本人
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 公益と個益とも理解を 伝えて耳傾ける調和と発展 かつて国際政治学者の高坂正堯先生は、その著書「国際政治」で勢力均衡について「均衡という考え方は、ただ国際政治において使われるだけで…
自民党勉強会、「異論封じ」になってはならぬ
自民党若手議員の勉強会でのマスコミ批判が問題視されている。国会が平和安全法制関連法案を審議する重大な時期に、深慮を欠いた言動と言わざるを得ない。政権与党としての緊張感が希薄なのではないか。ただ、この問題に対する野党およ…
武官に報いる「名誉の階梯」
東洋学園大学教授 櫻田 淳 諸外国並みの顕彰制度を 制度上の貧困が際立つ現状 現下の政局の焦点は、集団的自衛権行使を織り込んだ安全保障法制整備の行方である。多分、安保法制それ自体は、「自民、公明+維新・橋下系」の賛成で…
米中対話、中国の頑なな姿勢が懸念増す
米国と中国が重要懸案について話し合う「米中戦略・経済対話」がワシントンで行われ、双方の閣僚級が安全保障から経済まで幅広い課題をめぐって議論した。 米中両国は「成果」とともに直接対話の必要性を強調し、9月に予定される中…
原発含めた電力安定供給を
大手電力会社の送配電部門を別会社化する「発送電分離」を2020年4月に行うことを明記した改正電気事業法と、都市ガスの小売りを17年をめどに全面自由化する改正ガス事業法が国会で成立した。1951年に始まった大手電力が発電…
ゼロ金利政策の副作用 軽視できぬ消費者の負担
景況に響くコスト高 5月から1㌦が120円台に乗せた。円の対外レートが、ドルに対してもユーロに対しても、軟調のまま推移している。今後の推移は予測できないが、こんな円安を引き起こした要因の主たるものは、いうまでもなく日銀…
五輪担当相、大会成功へ万全の態勢を
2020年の東京五輪・パラリンピックの開催準備を統括する専任の五輪担当相に、自民党の遠藤利明元文部科学副大臣が就任した。 五輪・パラリンピック特別措置法に基づくもので、閣僚枠は18人から1人増える。五輪担当相は大会運…
延長国会で国民守る議論を
政治ジャーナリスト 細川 珠生 効果ある集団的自衛権 会期制は通年制に変更せよ 1月26日に始まった第189通常国会は、6月24日までの会期を9月27日まで95日間延長することになった。今国会の最重要法案である集団的自…
通常国会延長、国民と国のため必要な立法を
通常国会の会期が延長され、9月27日までの長丁場の論戦が行われようとしている。安倍政権が大幅に延長したのは懸案の安全保障関連法案の成立を目指す一念からだが、これまで不毛の対立が続くことが多かった安保問題に実りある議論を…
香港の民主化要求は止まらない
2017年の次期香港行政長官選挙をめぐって、香港の立法会(議会)は、中国の全国人民代表大会(全人代)の決定に沿って香港政府が提出した選挙制度改革法案を反対多数で否決した。1人1票の「普通選挙」を導入するのと引き換えに、…
対露政策の変更に動く米国
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 緊張関係「核」レベルに ウクライナで引かぬロシア 米国と欧州対ロシアの緊張が高まっている。ロシアはポーランドと接するロシア領カリーニングラードやバルト3国沿…
沖縄慰霊の日、国民皆で冥福を祈りたい
沖縄県はきょう、沖縄戦の全戦没者を悼む「慰霊の日」を迎えた。最後の激戦地となった沖縄本島南部の糸満市摩文仁にある平和祈念公園では安倍晋三首相も参列し追悼式を行う。 沖縄戦では沖縄県の一般人約9万4000人の命が失われ…
辺野古基地建設を推進せよ
軍事評論家 竹田 五郎 中国側に「回収」の狙い 沖縄防衛のため海兵隊必要 5月18日付東京新聞は1面トップで、「3万5000人『屈しない』」と、特別大書して、辺野古基地建設反対の沖縄県民大会の状況を報じた。参加した作家…
日韓国交50年、首脳会談で関係改善に道筋を
日韓両国は50年前のきょう、「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(日韓基本条約)」に調印し、国交正常化を果たした。本来であれば盛大に祝うところだが、残念なことに現在の両国関係はかつてなく悪化している。事態打開…
ケネディのイスラエル政策
獨協大学教授 佐藤 唯行 軍事バランスから支援 アラブ諸国寄りソ連に対抗 第2次大戦勃発直後、ひとりのラビ(ユダヤ教の導師)がロンドンの米大使館を訪れていた。ナチス支配下の中欧に取り残された自分の妻子(米国籍者)の救出…
露の核配備方針、米との対立激化させるな
戦後続いた東西の冷戦は、ソ連の消滅によっていったんは収束したかに見えたが、またぞろ欧州を舞台とする「新冷戦」の様相が濃くなった。このことに強い危機感を覚えないわけにはいかない。 背景には昨年2月のウクライナ政変、ロシ…
16年米大統領選、各候補者の指導力見極めたい
次の投票日は2016年11月8日。今から1年5カ月後だというのに、早くも米国は大統領選モードに入っている。 共和ブッシュ氏出馬表明 父と兄が大統領経験者である共和党の有力候補、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が正式に…
朝鮮総連の創設60年 遠くない弔鐘の鳴る日
犯罪や詐欺に反省なし 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が今年で創立60年を迎える。だが、深刻な資金枯れと、北朝鮮の核開発や反人倫的犯罪による国際社会の制裁で孤立を深め、お祝いムードに水をさしている。 帰国事業は195…
韓国MERS、日本の予防態勢は万全か
中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が韓国で確認されてから約1カ月になるが、感染者・死亡者ともに増え続け、長期化する兆しを見せている。韓国との人的往来が活発な日本は万全の予防態勢で臨む必要がある。 水際対…
サミット今昔感 欧州の主役への復帰がカギ
先日ドイツで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、中国やロシアの力による現状変更の試みへの明確なNOを、宣言に盛り込んだ。その方向へ強くリードしたのは安倍・日本で、「日本が国際政治のプレーヤーになった」(櫻井よ…
評価すべきG7での安倍外交
評論家 太田 正利 国際政治に存在感示す 中国の現状変更にも「反対」 6月7日からドイツ南部のエルマウ城で開催された先進国7箇国首脳会議(G7サミット)における首脳同士のやりとりは、日本が国際政治におけるプレーヤーにな…