バランス感覚を失う日本人


ペマ・ギャルポ

公益と個益とも理解を

桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ

 かつて国際政治学者の高坂正堯先生は、その著書「国際政治」で勢力均衡について「均衡という考え方は、ただ国際政治において使われるだけでなく、国内政治においても使われる。それだけでなく経済においても医学においても使われている。人間の身体を構成する多くの器官が均衡を保ててこそ人間は健康であると考えられるし、経済についても均衡が破壊されることが種々の弊害を引き起こすと見られる」と述べた。更に先生は「国際政治における勢力均衡は、その目的として各国の独立の維持と無秩序の状態(即ち全体戦争)の回避という二重の目的を持っていた」と記している。


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