国民食モヒンガーに値上げの波 ミャンマーから
ミャンマーは東西を二大国家、中国とインドに挟まれた国だ。
このためミャンマー料理は両国の影響を受け、チャーハンや餃子(ぎょうざ)といった中国ものや、カレーなどスパイシーなインドものが台所でも幅を利かす。
ミャンマー最大の都市ヤンゴンを朝、散歩すると多くの人が屋台に座って蕎麦(そば)のようなものをすすっている光景が目に付く。
この蕎麦もどきは、ミャンマー朝食の定番モヒンガーだ。
それはタイのバミーナムやベトナムのフォーにも似た、ミャンマーの国民食となっている。ただ、麺を器に盛り、その上から煮込み汁をかけるという点では、マレーシアのラクサやタイのカノムチーンに通じる。
なおバミーナムやフォーの出汁(だし)は通常、鶏ガラなどから作った薄味で透明なものが多いが、モヒンガーはナマズや雷魚など魚をベースにしている。
これにフォー同様、米粉で作られた細麺を加え、お好みでパクチーやニンニク揚げ、それにひよこ豆や卵のかき揚げがトッピングされる。
このモヒンガーが値上げラッシュだ。昨年2月の国軍によるクーデター以後、約1年余りでほぼ2倍の1000チャット(約60円)に上がった。米や野菜などモヒンガーの原料は、ほとんど国内産でチャット安が続く為替の影響は基本的に受けないが、1年間でガソリン代が約3倍に高騰、物流コストの上昇が響いている。
(T)