【上昇気流】通常は廃棄される食品の有効活用が大手食品メーカーで広がっている
通常は廃棄される食品の有効活用が大手食品メーカーで広がっている。トウモロコシやビーツなどの芯、皮、種をペースト状の濃縮野菜やバー状の菓子に、また野菜の葉や芯などを肥料にして販売している(小紙21日付)。
他産業でも、例えば資材の鉄骨やコンクリート、板材などを素材やチップ燃料などに加工し再利用するのは今や普通の経済活動となってきた。無駄をなくし、廃棄物を減らすことが重視されている。
「SDGs(持続可能な開発目標)」は、2015年に国連で開かれたサミットで世界のリーダーによって決められた世界の問題解決のための国際社会共通の目標。わが国もその活動のトップランナーの一人だ。
来るべきはリサイクル文明と言っていい。この流れは変わらないのではないか。利用よりも調和を重視する文明である。石油など化石燃料の文明は明らかに曲がり角を迎え、将来に多くを期待できない。
もう一つ、廃棄物自体を出さないゼロ・ウエイスト運動も盛んだ。例えば、21年に国内で流通したプラスチック製レジ袋の量が2年前に比べ半減した。最近、レジ袋を提げている買い物客をほとんど見掛けない。
エネルギー問題では、原子力が廃棄物埋設や燃料リサイクルが可能かどうか問われている。明日の文明を支えるエネルギー源であるためには、原子力を特別視しないで、国民の間で忌憚(きたん)なく議論できるようになること。それが原子力を生かす道である。