コロナ禍で学んだ前向きな発想ーブラジルから
地球だより
ブラジルでは、リオデジャネイロ州やサンパウロ州が次々と屋外・屋内でのマスク着用義務を解除したことから、「マスクのない日常」が始まりつつある。
公共交通機関や病院など特定の閉鎖空間ではマスク着用は必要だが、ブラジル人が大好きな路上市場(フェイラ)では、すでにマスクを外している人も多く見られる。
マスクを外して買い物や散歩を楽しんでいる人々を見ると、実に2年以上に及んだ息苦しさと向き合う生活が終わろうとしていることを感じる。
もちろん、新型コロナウイルスとの闘いはいまだ続いている。筆者と家族も新型コロナの後遺症に悩まされた経験があるだけに、今後も感染対策には気を付けるつもりだ。
パンデミックの中心地となったブラジルで、新型コロナの猛威を目の当たりにして強く感じたことが、「日頃からの健康管理の大切さ」だ。現地生活を始めた頃だが、糖尿病を患うブラジル人の多さに驚いた記憶がある。
週末はシュラスコ(炭火による肉の串焼き)とビールを堪能し、毎日のように砂糖の多い炭酸飲料をがぶ飲みし、そしてデザートには信じ難いほど甘いスイーツを食べる。「これで体を壊さない方がおかしい」と思ったほどで、30代や40代で糖尿病を患っている人も少なくない。
かく言う筆者も、新型コロナ流行をきっかけに、運動不足解消を始めた一人だ。外出禁止令が出ている時間帯を避け、治安面に気を付けながらウオーキングを続けた。定期検診で「血液検査の数値が良くなっているね」と言われた時の嬉(うれ)しさは忘れられない。
逆境を前向きに捉える。新型コロナで学んだことの一つかもしれない。(S)