アマゾン熱帯雨林 2月も記録的な消失 ブラジル


ブラジル北部バラ州で、炎を上げて燃える熱帯雨林=2019年10月(AFP時事)

 ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は11日、今年2月のアマゾン熱帯雨林の消失量が、前年比62%増の199平方㌔に達したと発表した。過去7年で最悪のレベルで、東京ドーム4250個分に当たる森林が1カ月で消失した計算となる。

 INPEは、衛星を利用してアマゾン熱帯雨林の監視業務を行っている。

 通常、1月と2月はブラジルの雨季に当たり、1年間で最も森林消失量が落ちる。1月のアマゾン熱帯雨林の消失量も、前年比4倍の430平方㌔だった。

 ブラジルは、昨年11月の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の場で、2028年までの違法伐採ゼロという「野心的な環境政策」(レイテ環境相)を発表したばかり。ただし、数字を見る限り公約は守られていない。

 一方、ブラジル国会では現在、これまで資源開発の対象外だった「先住民保護区」における開発の可否を決める法案が議論されている。

 環境保護団体や環境問題の専門家は、先住民保護区での開発を認めた場合、アマゾン熱帯雨林の保護活動がこれまでにない打撃を受けると反発している。

(サンパウロ・綾村悟)