象の糞からリサイクル ネパールから
先日、チトワン出身のネパール人と話している時、思いがけず、チトワンにある国立公園の話になった。チトワン国立公園は、1973年にネパール初の国立公園に指定され、84年には、ユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録されている国立公園である。
特に同公園内は、以前は王族たちの狩猟地だったこともあり、手付かずの大自然が残っている。ベンガルトラやインドサイなど、絶滅を危惧される動物たちも生息。緩衝地帯にあるビスハザーリー湖などは、ラムサール条約の湿地に登録されており、素晴らしい自然の宝庫である。
さて、その中の話で、何と象の糞(ふん)から紙を作る工房があるとのことを聞き、びっくりしてしまった。後から本当かと調べてみると、実際に象の糞のリサイクルペーパーがある。その紙は、厚い和紙の様な感じで藁(わら)の混入も多いが、素朴な良さがあるという評判だ。
ちなみに、糞のリサイクルは他の国でも行われているようで、タイ国立象保護センターの場合、1日に食べる250キロの餌から50キロの糞が排出され、そこからA2用紙(新聞紙の大きさ)の紙が115枚作り出されるということである。
なお、象の他にも、牛、馬、ロバなどの糞からも紙を作ることができるようである。ネパールの人と話して新たなことを知り、なるほどと思ったところで、機会があれば実際にチトワン国立公園産リサイクルペーパーを手にしてみたい。(T)