ついにニューノーマル フィリピンから


 マニラ首都圏など新型コロナウイルス感染が収束している地域で、念願のニューノーマルに移行した。これまで世界一長いと言われるロックダウン(都市封鎖)を経て、世界有数の厳しい検疫規制を続けてきたフィリピンだが、ようやくコロナ禍前に近い生活が送れるようになった。

 フィリピンではロックダウンを終えた後も、年齢による外出制限のほか、屋内施設や公共交通機関での定員制限などを長い期間にわたって実施してきた。しかし、3月1日からマニラ首都圏など38の地域が最も低い検疫規制であるアラートレベル1(ニューノーマル)に移行したことで、これらはすべて撤廃され、マスク着用やソーシャルディスタンスの維持など基本的な衛生対策のみとなった。

 ただ、これらの規制緩和はワクチン接種の完了が条件で、例えば屋内の飲食店を利用する場合などは、ワクチン接種証明書の提示が求められる。職場も同様で人数制限などが撤廃されたが、ワクチン接種を完了していない労働者は自腹で定期的にPCR検査を受け、陰性を証明する必要がある。ニューノーマルで日常生活を送るには、ワクチン接種の完了が必須条件なのだ。

 ショッピングモールにもコロナ禍前のような人出が戻るなど、国民にリラックスムードが広がっているが、保健省はまだ新型コロナウイルスは風土病になったわけではないと指摘し、国民に感染対策を怠らないよう警告を発している。