オピニオン
第2次大戦終結70年に思う
哲学者 小林 道憲 列強世界支配の分水嶺 植民地主義が解放戦に転換 今年は、第2次大戦終結70年になる。第2次大戦とは何だったのだろうか。第2次大戦は、ヨーロッパ地域とアジア地域に分けて考えるべきであろう。ヨーロッパ地…
日韓国交50年、首脳会談開催の好機とせよ
日本と韓国は今年、国交正常化に向けた経済協力や請求権解決などの諸要件を取り決めた日韓基本条約(1965年6月22日署名)を結んでから50年を迎えた。近年、両国はいわゆる従軍慰安婦や竹島領有権、靖国神社参拝など歴史認識を…
戦後70年、「憲法改正元年」へ踏み出そう
「歴史的なチャレンジ」。安倍晋三首相は第3次安倍内閣が発足した昨年暮れ、憲法改正について問われ、こう答えた。「簡単なことではないが、国民的理解を深める努力をする」と、改憲への意欲を示した。戦後70年、新時代を告げる首相…
若きグローバル人材の育成
慶應義塾大学大学院教授 柏木 茂雄 チャレンジできる社会に 垣根ある諸制度を変革せよ 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 新年はどういう年になるのだろう。世界は大きく動いており、我が国も経済の再生を早め国際社会におけ…
年頭にあたって 「光は東方から―」の歴史的使命を翼成
本紙主筆 木下義昭 ~本紙創刊四十周年を迎えて~ 「光は東方から―」 東洋の詩聖による詩文 古代ローマのことわざでもある 二十世紀 二十一世紀はもとより 古来 ローマの文化は 東方にあるギリシャの文化を受け継いでいる… …
14年の日本、平和への脅威の中での選択
今年の日本は、世界秩序が「法と正義」ではなく武力で国境線を変更・拡大する「ジャングルの掟」に逆戻りする横暴を目の当たりにしてきた。よそ事ではない。ロシアはウクライナ南部クリミア半島を掠め取り、南シナ海でベトナム、フィ…
2014年の東アジア国際政治
東洋学園大学教授 櫻田 淳 浮沈象徴した露大統領 デモクラシーに怯える中国 2014年もまた、国際政治の浮沈の風景が繰り広げられた。国際政治分析は「怖い」ものを扱っている営みであるけれども、そうしたことが鮮明に現れたの…
14年の世界、具体性欠けた米のアジア政策
建国以来、米大統領は欧州を中心に世界を見据えてきた。だが、オバマ大統領は初の「太平洋大統領」だと宣言し、太平洋を挟むアジアを重視する姿勢を明らかにしてきた。 しかし、実際は米国のアジア・シフトが十分に進んでいるとは言…
国家百年の計示せる政治家を 元松下政経塾常務理事・副塾長 上甲 晃氏
未来をひらく人づくり~松下幸之助の志 元松下政経塾常務理事・副塾長の上甲晃氏はこのほど、世界日報の読者でつくる「世日クラブ」(会長=近藤讓良・近藤プランニングス代表取締役)の今年最後となる第158回定期講演会で「未来を…
赤珊瑚は海で漁らずに掘れ
歴史家 金子 民雄 タクラマカンから発掘 大陸奥地で珍重された歴史 今年(2014年)の夏から秋にかけて、中国漁船が小笠原諸島近海に希少な珊瑚(サンゴ)を狙って押し寄せ、ニュースを連日のように賑わせた。多分、日本人の大…
経済対策、アベノミクス「加速」の意志だ
政府は消費喚起と地域活性化の方策を柱とした3兆5000億円規模の経済対策を決定した。裏付けとなる2014年度補正予算案を年明け早々に閣議決定し通常国会に提出する。 安倍晋三首相は17年4月に10%への消費税再増税を実…
第3次安倍内閣の安保課題
元統幕議長 杉山 蕃 7・1閣議決定法整備 中国軍備膨張に日米で対処 選挙が終わり、第3次安倍内閣が発足した。同内閣へ期待する政策について若干の所見を披露したい。第一は当然アベノミクスすなわち、経済、財政の着実な回復で…
STAP問題、研究者への倫理教育徹底を
STAP細胞の論文問題で、理化学研究所が外部の有識者を集めてつくった調査委員会(委員長・桂勲国立遺伝学研究所長)は、この細胞について万能細胞のES細胞(胚性幹細胞)が混入された可能性が高いとの調査結果を公表した。 し…
朝日社長会見、抽象的な応答が目立った
実況中継中のニコニコ動画が「重要な問いに『重く受け止めている』という回答の仕方はフェアではない」という視聴者からの声が届いていることを紹介し「重く受け止めることの具体的内容」の答えを迫った。しかし、抽象的な応答の域を出…
日教組問題の異常性 教育現場に理不尽な活動
学校物置に尊徳像遺棄 今年5月、札幌市南区に住む友人N氏が、数枚の写真を見せてくれた。定山渓温泉近郊の小学校物置に捨てられた、二宮金次郎(尊徳の幼名)像の無惨な姿だった。 片脚はカッターで切られたような滑らかな断面で…
訪日客過去最多、「観光立国」への歩みを着実に
今年日本を訪れた外国人が1300万人を突破して過去最多となった。初めて1000万人を超えた昨年と比べても3割近くの大幅増加となる。 政府は、東京五輪が開かれる2020年に2000万人達成を目指している。「観光立国」へ…
共産党増進の問題に対処を
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 対外広報や格差問題で 来年は国内外に不穏な動き 今年は衆議院選挙で1年間の大切な国政関係の終結を迎えることになった。選挙期間中は日本の経済ミッションに同行してインドに出張していた…
第3次安倍内閣、経済と安保で改革を断行せよ
第3次安倍内閣が発足した。中谷元氏を防衛相に起用した以外はすべて再任のスタートになる。安倍晋三首相が「アベノミクス解散」として経済政策を争点に衆院解散・総選挙を行い、国民の信任を受けたところである。公約した経済を筆頭に…
サイバー攻撃、対北テロ国再指定が不可欠
北朝鮮の最高指導者・金正恩第1書記の暗殺計画をコメディータッチで描いた映画「ザ・インタビュー」を製作したソニーの米子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)がサイバー攻撃を受けたことをめぐり、米連邦捜査局(…
安全保障で浮上するドイツ
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき EU動かす指導的役割 対露制裁と「イスラム国」で 欧州経済政策は実質ドイツが決めているといっても過言ではない。ユーロ圏国や他の欧州連合(EU)加盟国ばかりで…
高浜原発「合格」、再稼働へ向け粛々と準備を
原発再稼働の前提となる新規制基準の適合性審査で、原子力規制委員会は関西電力高浜原発3、4号機(福井県)について「新基準を満たす」とする審査書案を了承した。別の必要書類の提出や地元同意などを経て、来春以降には発電再開が実…
遺骨収集の道筋を見届ける 東部ニューギニア戦友遺族会会長 堀江正夫氏に聞く
東部ニューギニア戦〈下〉 本格作業期待されるミャンマー/インドネシアでは宗教の壁 ――遺骨収集は待ったなしだ。 東部ニューギニアでは陸海軍合わせて亡くなったのが13万人だ。そのうち、日本に帰られたのは5万柱でしかない…
経済政策の課題残す衆院選
経済ジャーナリスト 尾関 通允 格差拡大に不満を映す 投票率低下と共産議席増に 第47回衆院選(14日投開票)では、予想通り自民と公明の与党が圧勝した。数字の上では確かにその通りだが、別の角度からの検証も欠かせない。ま…