オピニオン
米国防見直し、日本は対中抑止へ役割果たせ
米国防総省は安全保障戦略の指針となる「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)を発表した。国防予算を削減し、軍の規模を抑制せざるを得ない中、軍事力行使の必要性に慎重さを示しつつも、台頭する中国の海洋進出を念頭に今後もアジア…
愚かな欠損金繰越制度縮小
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 成長戦略への逆噴射に 法人税率引き下げと財源論 政府税制調査会は、法人課税ディスカッショングループを設け、法人実効税率引き下げとその財源について、3月から集中的に議論する…
大震災3年 家庭、地域再建に尽くす年に
東日本大震災からきょうで3年。岩手、宮城、福島の被災3県では道路などのインフラ復旧が目に見えて進んだが、地域の区画整理や復興住宅建設は遅れており、安定した生活環境を得ることのできない被災者も少なくない。家庭、地域の再建…
実教出版「日本史」の不採用
弁護士 秋山 昭八 最高裁判例を教科書に 事実に反する国旗国歌の記述 本年4月から使用予定の実教出版の高校教科書「日本史A」と「日本史B」に、国旗・国歌について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述していた…
急がれる強固な南西諸島防衛態勢の構築
沖縄県石垣市の尖閣諸島をめぐり、米国や中国の高官らの緊迫した発言が相次いでいる。いずれも注目すべきであり、わが国として安穏としていられない。2日には石垣市長選が行われ、陸上自衛隊の配備に理解のある中山義隆市長が再選され…
『言志四録』で老いを豊かに
メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄 節度にある養生の工夫 佐藤一斎の随想録と死生観 古くより、〝日本に『言志四録』あり、中国に『菜根譚(たん)』あり〟と云われるように、我国の代表的な「人生訓」(養生訓)の書、それが…
オウム判決、活動への監視強化が不可欠
オウム真理教による仮谷清志さん拉致事件の逮捕監禁罪などに問われた元幹部平田信被告の裁判員裁判で、東京地裁は懲役9年の判決を言い渡した。 しかしオウム真理教は今でも存続し、元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚を崇める動…
大阪市長選、「都構想」の原点を問い直せ
「大阪都構想」の行き詰まりを打破するとして橋下徹氏が市長を辞職し、改めて信を問う大阪市の出直し市長選挙があす告示される。 これに対して各党は対立候補を立てず、橋下氏の「独り相撲」の様相を呈している。そもそも「大阪都構…
日本を発信するソフトパワー、メディアに立体的考察を
物議醸すNHK会長 「メディアはメッセージである」と語ったマーシャル・マクルーハンを日本に最初に紹介されたのが評論家の竹村健一先生である。メディアの第一線で半世紀以上も活躍された竹村先生は、「日本の新聞を読むのは海外の…
中国国防費前年比12・2%増、軍拡で国際秩序を乱すな
中国が全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)で覇権主義丸出しの国防予算を公表した。2014年は8082億3000万元(約13兆4400億円)に上り、前年比12・2%増。4年連続で2桁の伸びという軍拡予算だ。 成…
「平成版富国強兵」政策の行方
東洋学園大学教授 櫻田 淳 「世界の中の日本」志向を ド・ゴール流の政治に倣え 発足後1年、安倍晋三内閣の対外政策展開は、「完璧」と評するに相応しいものであった。しかし、昨年末、安倍晋三(内閣総理大臣)が靖国神社参拝を…
ウクライナ経済の現状と展望 ウィーン国際経済比較研究所 V・アストロフ氏に聞く
ウクライナに親欧米政権が誕生したが、クリミア問題に象徴されるように前途は多難である。旧ソ連・東欧諸国の経済統計・分析で有名なウィーン国際経済比較研究所(WIIW)のウクライナ経済専門家、ロシア人エコノミスト、ヴァシリー…
「アンネ」破損、愚かしく恥ずべき行為だ
数者の心無き行為が、国のイメージを著しく損なうことがある。東京都内の図書館などで起こった「アンネの日記」や関連書籍の連続破損事件がそれである。 異例の捜査本部設置 「アンネの日記」は、ナチスの迫害から逃れ、オランダ・…
自衛隊配備の場合「住民投票も視野」、再選果たした中山義隆石垣市長に聞く
尖閣諸島が所在し保革一騎打ちで注目を集めた沖縄県石垣市長選から一夜明けた3日朝、再選を果たした中山義隆市長は市内で世界日報など一部マスコミのインタビューに応じ、政府が検討している南西諸島防衛について石垣島が自衛隊の候補…
原発汚染水の増加抑える対策が急務だ
東京電力福島第1原発で放射性物質を含む汚染水を保管するタンクから約100㌧が流出した。ストロンチウム90などを含む高濃度の汚染水で、海への流出はないが、土壌などが汚染された。 1日に400㌧増加 タンクには汚染水を…
靖国参拝問題解決のために
軍事評論家 竹田 五郎 中国の3戦に日本劣勢 行動は慎重に広報は強化せよ 昨年末、安倍総理の靖国神社参拝について、中・韓両国は「日本帝国主義復活への道を開くためである」として、安倍総理を強く非難した。一方、同盟国米国の…
ウクライナ緊張、ロシアに自制を要求する
親露派のヤヌコビッチ政権が崩壊したウクライナで、クリミア半島に駐留するロシア軍部隊が、親露派のクリミア自治共和国政府と共に同地を事実上掌握。ウクライナはロシアの侵略行為を非難し、国際社会に支援を要請した。ロシアは直ちに…
国際法上の人道的武力干渉
日本大学名誉教授 小林 宏晨 安保理専権事項に非ず 目標は虐待からの住民保護 基本的人権の保護は、武力禁止と並んで国際共同体に現れてから既に久しい。ところで一時、シリアへの武力攻撃について、これが国際法的に許されるか否…
安倍政権2年目のハードル、厳しさ増す国際情勢
世日クラブ新春対談 長野 対米バランス感覚を持て 木下 より強固な安保体制築け 元衆議院議員で政治評論家の長野★也(すけなり)氏と本紙社長兼主筆の木下義昭が2月19日、世界日報の愛読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良…
水観測衛星の世界の水害対策貢献に期待
大雨や大雪の防災に役立つ降水観測衛星がH2Aロケット23号機で打ち上げられた。日米欧が運用中の衛星十数基の観測データと合わせ、地球全体の雨や雪の状況が約3時間で分かるという。 天気予報の精度向上や台風、豪雨、干ばつな…
諸民族が交差してきたソチ
歴史家 金子 民雄 複雑なカフカスの歴史 難を逃れた遊牧民の仏教徒 2014年の冬季オリンピックが閉幕し、今度はパラリンピックが開幕する。ロシア南西部のソチという町の名は、知っていた人もごく限られていたのではなかったろ…
エネルギー計画で原発活用の方針は妥当だ
政府は国の中長期的なエネルギー政策の方向性を定める「エネルギー基本計画」の案を取りまとめた。原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、原子力規制委員会の安全審査に合格した場合は再稼働する方針を改めて示した。電力の安定…
G20会議、協調して世界経済の成長図れ
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が、世界経済の成長率を5年間で2%以上押し上げるとの目標を盛り込んだ共同声明を採択した。 成長に関する数値目標の設定は異例だが、それぞれに課題を抱える先進国と新興国の対…