オピニオン
「教科化」による道徳教育の課題 衆議院議員 宮川典子氏に聞く
徳育とは良心の呵責を教えること 文部科学省は先月、中央教育審議会に道徳の教科化を諮問した。今年秋にも答申が出て、教科化は2018年度にも実現する見込みだ。教師出身の衆議院議員(自民党)、宮川典子氏に、現在小・中学校で週…
ウクライナ情勢に観る「好機」
東洋学園大学教授 櫻田 淳 びくびくしているロシア 対応に「創造性」要する日本 「ロシアは常に、びくびくしている」。ロシアは、建国以来、幾度となく外敵の侵入を受けてきた事情を反映し、こうした安全保障上の切迫意識を持って…
児童ポルノ、スマホ使用の危険啓蒙を
児童ポルノの摘発事件と被害者の数がともに過去最多となった。スマートフォン(スマホ)を使っていての被害が目立つ。新年度を控えて、新たに買い与える保護者が多いが、子供がスマホを使うことの危険について改めて注意を呼び掛けたい…
東大の入試制度改革の混迷
評論家 大藏 雄之助 9月入学挫折し多様化 大学ランキングを過剰意識 日本の大学は制度疲労をきたしており、入試の方式を含めて文科省も種々提案しつつあるが、その契機となったのは東大だったから、今回はそれをとりあげたい。 …
ロシアのクリミア編入、各国はウクライナへの支援を
ウクライナ南部クリミア自治共和国を、ロシアが編入する手続きが完了した。ロシアはさまざまな理由を付けて編入を正当化しているが、武力を背景にした一方的な国境の変更を認めるわけにはいかない。国際社会は一致団結しロシアへの制裁…
国民投票法、公務員の政治活動を許すな
憲法改正手続法(いわゆる国民投票法)の改正案づくりが大詰めを迎えている。自民、公明、民主の3党は投票年齢や公務員の政治活動などについて大筋で合意し、他党との折衝も続けている。 国民投票法は憲法改正への入り口だ。それだ…
賃上げ春闘と共産党労組 国民惑わす「大幅アップ」
未だストライキ戦術 いよいよ春闘が大詰めを迎えている。春闘とは、春季闘争の略で日本で毎年春頃に行われる労働条件の改善を要求する会社側と労働組合との団体交渉のことである。いっせいに団体交渉が行われるのは主要な国では日本だ…
温暖化影響への適応策と緩和策に努めよ
地球温暖化によって今世紀末の日本では、年平均気温が20世紀末と比べ最大6・4度上昇し、豪雨の増加で洪水被害額が約3倍になるとの将来予測を国立環境研究所や茨城大などの研究チームが発表した。年間の洪水被害額は4416億~6…
大震災3年に宗教を考える
哲学者 小林 道憲 文明を再生させる役割 科学発展しても不安な人心 わが国が東日本大震災に見舞われて丸3年になり、徐々にではあるが復興しつつあるようである。ただ、あまり注目されていないことだが、この大震災からの復興で宗…
沖縄県竹富町に教科書是正要求、教育現場の違法状態解消せよ
沖縄県竹富町が地区協議会の答申と異なる中学公民の教科書を使用している問題で、下村博文文部科学相はこのほど、同町教育委員会に対し是正要求を行った。教育現場の違法状態を解消するために全力を挙げなければならない。 竹富町教…
横田夫妻面会、北への「対話」と「圧力」継続を
北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの両親である滋さん、早紀江さん夫妻が、めぐみさんの娘のキム・ウンギョンさんとモンゴルで面会した。記者会見では、ウンギョンさん、そして横田さん夫妻にはひ孫になるウンギョンさんの娘と会えた喜…
明年度のマイナス成長回避を
日本金融財政研究所長 菊池 英博 不可欠な大型補正予算 甘すぎる増税後の政府見通し 2014年度予算は2月28日に衆議院で可決され、参議院の可決を待たずに予算が決まった。私は2月25日の衆議院予算委員会の公聴会に招請さ…
国際社会は露のクリミア支配許すな
ロシアが掌握したウクライナ南部のクリミア自治共和国で、ロシアへの編入の是非をめぐって行われた住民投票は、賛成票が96・77%を占め、圧倒的多数によって承認された。 しかし、住民投票は軍事介入したロシアの実効支配下で行…
四国遍路開創1200年、人生を考えるツーリズム 香川大学経済学部教授 稲田道彦氏に聞く
今年は空海・弘法大師が弘仁(こうにん)6年(815年)に四国霊場を開いてから1200年。八十八箇所霊場(札所)では、記念スタンプや御本尊の御影(おみえ)などを用意し、お遍路さんを迎えている。江戸時代初め、庶民向けに出版…
浅野総一郎とサミュエル商会
獨協大学教授 佐藤 唯行 ユダヤの石油王と契約 湘南の貝殻がシェル商標に ロシアとの戦いに備えねばならなかった明治中頃の日本。金本位制採用は急務の課題だった。国際金融市場で戦時公債を発行し、戦費を調達する際の前提条件だ…
川内原発の再稼働で「原発ゼロ」脱却を
原子力規制委員会はこのほど、再稼働に向け審査中の原発のうち、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の安全審査を優先的に進めることを決めた。合格第1号となる見通しだ。 早ければ5月中にも審査をパスし、夏にも…
習近平政権の反腐敗闘争
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 成否は周永康氏の逮捕 中国の社会不安と全人代 中国の第12期全国人民代表大会(全人代)第2回総会が北京で開催された。全人代では習近平・李克強政権(習政権)の1年が総括され、国防費12・2%…
「STAP」問題、徹底的な真相究明が必要だ
理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが英科学誌ネイチャーに発表した新万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文に疑義が生じている問題で、理研は調査委員会の中間報告を公表し、データの取り扱いが不適切であったこと…
官製談合、制度強化で癒着をなくせ
北陸新幹線の融雪設備工事をめぐる談合事件では、旧態依然とした官民癒着の構図が浮き彫りとなった。 官製談合は公共工事の落札価格を不当につり上げるもので、それだけ多くの税金が支払われることになる。このようなことは言語道断…
人口減少と安全保障、外人雇用拡大と防衛強化を
懸念される国防力 国立社会保障人口問題研究所は、日本の人口(現在約1億3000万)が、現在の人口減少の趨勢(すうせい)が止まらなければ、2060年には8674万人に減少。2110年には4286万人に減少。2200年には…
アジア版NATO、平和への貢献で実績重ねよ
自民党の石破茂幹事長が「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」創設構想を表明した。この構想には安倍晋三首相も賛同していると伝えられる。 冷戦後もNATOは、欧州国際社会の安全確保に有益な役割を果たしている。アジア版N…
日露の安全保障戦略の比較
ロシア研究家 乾 一宇 自ら縛る愚を犯す日本 露の「脅威」は米・NATO 昨年末、我が国で「国家安全保障戦略」(以下安保戦略)が戦後初めて制定された。安倍首相であってこその偉業である。 だが、内容において疑問に思うこ…
春闘ベア回答、政治主導で好循環の軌道に
春闘の集中回答で自動車や電機など製造大手の多くが給与のベースアップ(ベア)を決定し、賃上げの流れが加速した。4月の消費税率引き上げ前の賃金改善の動きによって個人消費が維持され、さらに拡大していく景気の好循環に結び付けた…