オピニオン
豪雨災害、森林整備など総合的対策を
関東や東北地方を襲った記録的な豪雨で、各地に深刻な被害が出ている。鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市では22人が行方不明となった。 宮城県大崎市では渋井川の堤防が決壊し約1000人が住む地区が冠水、多数の住民が取り残…
21世紀の安保法制を 反対学者が誘う疑心暗鬼
国民安保法制懇の狙い 「安全保障関連法案」(以下、安保法制と呼ぶ)に関する議論は、いまだに国民的な合意ができず、判断が割れている。 その原因は、6月4日、衆議院の「憲法審査会」で、野党推薦の小林節名誉教授(慶大)と笹…
野党再編、有権者の失望を招くだけだ
維新の党の分裂に向けた流れの中、年内の野党再編が模索されている。 しかし、「第三極」を標榜していた日本維新の会とみんなの党の再編派が党を割って結党した維新の党が内紛で再び分裂するという、縮小再生産的な過程を見れば、民…
五輪エンブレム中止に思う
沖縄大学教授 宮城 能彦 ネット時代の社会現象 「夢」「覚悟」を白紙から問え 沖縄本島北部、名護市嘉陽集落の海岸に東京オリンピック聖火宿泊碑がある。約50年前の1964年、東京オリンピック会場に向かう聖火がこの地で宿泊…
毅然さ試されるオバマ政権
9月下旬の習近平・中国国家主席の米国国賓訪問と米中首脳会談を前に、両国間には緊迫した空気が漂っている。 軍事力誇示した中国 すでに中国問題は2016年米大統領選挙の争点の一つになっている。共和党の有力候補マルコ・ルビ…
自民総裁再選、まずは安保法案成立へ結束を
自民党総裁選で安倍晋三首相が無投票再選を決めた。全7派閥が首相を支持し挙党態勢を築いた結果だ。 今後3年の任期が与えられ、いよいよ改革の本丸である憲法改正に乗り出さねばならないが、国会の最終盤に国家の安全の根幹にかか…
政治化する露中海軍合同演習
ロシア研究家 乾 一宇 クリミア併合が契機に 南シナ海での実施望む中国 5月の対独戦勝記念日に夫人同伴で訪露した習近平主席と彼らを迎えたプーチン大統領は首脳会談を行い、「戦略的パートナーシップ」を強調した長文の共同声明…
サンマ・マグロ、実効性ある資源管理主導せよ
「秋の味覚」として親しまれるサンマ、すしネタとして人気の高いマグロ。日本人になじみ深い両魚種の資源減少を食い止めるため、国際的な取り組みが相次いで進められている。 国際的な取り組み進む 東京都内で開かれた「北太平洋漁…
解釈改憲も憲法改正の一つの道
ドイツと日本の交流150年 日本大学名誉教授 小林宏晨氏に聞く EU(ヨーロッパ連合)で独り勝ちの様相を呈しているドイツと日本の交流は1861年の修好通商条約に始まる。今年、修好150年を記念する展示が歴史民俗博物館を…
イラン核合意に揺れる米議会
ユダヤ議員団に温度差 ロビイスト動員し陳情活動 イラン核問題の外交的解決を目指す米欧等6カ国とイランとの核協議は7月14日、最終合意に達した。眼目はイランが最長15年間、自国の核開発を大幅に制限し、厳しい査察体制を受け…
与党は抑止力向上へ安保法案の成立期せ
――父母や子供たちが味わった悲惨と不幸を思う時、戦争に勝者も敗者もない。だから戦争の悲劇を何としても避ける。それが私の義務だ――。 英国の首相はそう考え、「欧州の平和」を願ってナチス・ドイツに譲歩し、協定を結んだ。と…
70年談話損ねる反日日本人
NPO法人修学院院長・アジア太平洋交流学会会長 久保田 信之 中韓の対日憎悪を助長 「保守派」嫌って批判ありき 去る8月14日、安倍首相は我が国をはじめ諸国民が理解できるような、バランスの取れた「歴史的な名演説」を自然…
日本は腰を据えた北方領土交渉を
ロシアで対日交渉を担当するモルグロフ外務次官が、日本政府とは北方領土をめぐる交渉は行っておらず、同問題は70年前にすでに解決している、との発言を行った。岸田文雄外相が「事実に反するもので、受け入れられない」と批判したこ…
危機はらむ二股外交
韓国は現在、米国と中国の狭間で二股路線をとって米中等距離外交を展開している。中国を味方にして北朝鮮への圧力(以夷制夷=夷を以て夷を制する)を通して南北統一の基盤を造成し、南北統一の主導権を確保するのが狙いだろう。9月3…
抗日戦勝行事、対中警戒を強めるだけだ
中国による「抗日戦争勝利70周年」を記念する行事が北京の天安門広場で開かれ、およそ1万2000人の兵士が動員された軍事パレードが行われた。習近平国家主席は演説で「中国は将来、兵力を30万人削減する」と宣言した。 狙い…
干渉的な中国共産党 反安保法制言動に警戒を
人民日報サイトに常設 中国共産党からの、安全保障関連法案の成立反対に向けた圧力が強まりつつある。日本国民は、中国からの不当な内政干渉の圧力を断固として拒否し、中国の強引な海洋覇権獲得に向けた動きや北朝鮮の危険な軍事優先…
安全最優先で原発利用を
国際原子力機関(IAEA)は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故の検証結果をまとめた最終報告書で、大事故につながった主な要因として「原発は安全だという思い込みが日本にあった」ため、備えが不十分になったと指摘した。…
買い手市場強まる日本経済
経済ジャーナリスト 尾関 通允 気がかりな中国の変調 アベノミクスは試練に遭遇 業種業態によって業況に格差があるという意味で日本の景況は“まだら模様”を描いたまま推移する可能性が高い―という予測を当欄で述べてから4カ月…
訪日客急増、地方創生につなげる工夫を
今年の訪日外国人客数は7月時点で1000万人を突破した。これまで最速だった昨年より3カ月早い達成だ。 訪日客の増加を、日本の大きな課題である地方創生にもつなげたい。 7月に1000万人突破 7月も前年同月比51・…
イエメン内戦 鍵は部族間の権力バランス
イエメン水資源・環境省顧問 アブデルラフマン・エルヤーニー氏 イエメン内戦は隣国サウジアラビアを巻き込み泥沼の闘争を呈している。イスラム教宗派間の紛争という一面がある一方で、権力、利権をめぐる争いでもあり、いまだ解決の…
五輪エンブレム、使用中止の判断は当然だ
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は、アートディレクターの佐野研二郎氏がデザインした公式エンブレムの使用中止を正式に決めた。 盗作疑惑招いたデザイン 佐野氏のデザインは昨年11月の審査委員会で「大会ビジョ…
防災の日・巨大地震に備えよ
拓殖大学地方政治行政研究所客員教授 濱口 和久 30年以内に70%の確率 日本列島の宿命的な自然災害 現代に生きる日本人が「大震災」と聞いて連想するのは、記憶に新しいところでは平成23(2011)年3月11日の「東日本…
防災の日、「減災」のため自助の力培え
きょうは「防災の日」。わが国は地震や火山噴火が多い上、山と平地と海が近接しているため、水害に襲われる危険性が常にある。自然災害の多い列島に生きていることを国民一人一人が自覚して「自助の精神」を培いたい。 海岸防災林の…