オピニオン
露のシリア介入、これ以上混迷を深めるな
ロシアが、4年間続いてきたシリア内戦への直接軍事介入に踏み切る可能性が出てきた。 シリアのアサド政権を支援するためだが、軍事介入は内戦を激化させ、さらに多くの犠牲者を出すことになりかねない。国民の反体制デモを武力で弾…
IS壊滅の機会を逸した世界
東京国際大学名誉教授 渥美 堅持 米軍イラク撤収前に蠢動 オバマ政権が内戦に不介入 世界から最大級の非難を浴びながらも過激派組織IS(「イスラム国」)は存在を維持している。カリフを自認するバクダディなる人物は、上空を有…
結婚には神聖な価値がある
対談・結婚には神聖な価値がある 渋谷“同性カップル条例”を考える(上) 麗澤大学教授 八木秀次氏/東京都議会議員 古賀俊昭氏 「同性婚」を合法化する国が増える中、東京都渋谷区の「パートナーシップ条例」が4月に施行した。…
自助、協助体制の確立めざす
迫る気候変動の脅威 どうする大災害への備え(2) 新潟大学災害復興科学研究所 教授 福岡浩氏(下) ――リアルタイムで災害情報を知らすための取り組みは? 2年前に土砂災害が発生した新潟県の寺泊山田地区に設置した雨量計…
18歳成人、青少年健全育成法が前提だ
選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたのを受け、民法の成人年齢や少年法の適用年齢の引き下げ論議が活発化している。引き下げには青少年健全育成の基盤整備が不可欠だ。「成年」は権利とともに義務も担う。そのことに留意した論議が…
人生の最期をどう迎えるか
メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄 天寿全うが自然の摂理 大切な看取りを支える文化 超高齢社会を迎えた我が国は、いまや、迫り来る「多死時代」を迎えようとしている。現在、1年に亡くなる方は約130万人(平成26年)で…
世界の気象現象が極端化
迫る気候変動の脅威 どうする大災害への備え(1) 新潟大学災害復興科学研究所 教授 福岡浩氏(上) ――今夏、自然災害関連のニュースを見ない日はないほどだが。 気象条件に関しては「極端事象」と呼ばれる数百年確率の雨が…
敬老の日、高齢者の力を生かしたい
きょうは「敬老の日」。日本は世界トップレベルの長寿国だ。高齢者の知恵や能力、経験を将来のために生かしたい。 100歳以上が6万人に 厚生労働省によると、全国の100歳以上の高齢者は15日時点で6万1568人に上る。…
若者のデモを称揚する無責任
東洋学園大学教授 櫻田 淳 大人が煽る安保法制反対 教養で政治参加の作法教えよ 安全保障関連法案(19日成立)審議の過程で世の耳目を集めたのは、国会議事堂周辺で開かれた法案反対デモに多く若者達が加わった風景であったけれ…
安保法成立 法制整備は終わっていない
安全保障関連法が大混乱の末にやっと成立した。だが、安保法制の整備はこれで終わるわけではない。改正された法制も依然として多くの欠陥を持っており、その上国際社会には新たな波乱要因が次々と生まれているからだ。 55年体制下の…
厳しい写真も直視しよう 難民幼児の死と軍事パレード
1枚の写真が、欧州と世界をゆさぶった。 今月初め、トルコからボートで欧州を目指した3歳のシリア難民、アイランくんの悲しい水死体写真。日本の新聞やテレビは海岸の遺体をズバリ出さなかったが、欧米では出したマスメディアも多…
火山活発化、噴火への備えを万全にせよ
日本列島で火山活動が活発化している。今月も熊本県・阿蘇山の中岳(標高1506㍍)第1火口で噴火が発生し、噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げられた。全国で噴火への備えを万全にすべきだ。 阿蘇山…
「家族という病」の病 他人にできない家族愛
驚いた広告の宣伝文句 残念ながら、いつの世も、世の中を狂わせるのは、この日本の国にあっては“教育”と“マスコミ”かも知れない。昔は軍国主義、今は無神論。真に正しい愛国心と、家族愛を育てる教育が否定されて来た。 我が家…
日越首脳会談、幅広い分野で連携強化せよ
安倍晋三首相は、公賓として来日したベトナム最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長と会談した。日越両国は共に、強引な海洋進出を行う中国の脅威に直面している。政治、経済、安全保障などの幅広い分野で連携を強化すべきだ。…
戦略的な中国軍事パレード
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 核抑止力で中露が連携 国内権力闘争に“勝利宣言” 中国で9月3日に反ファシスト・抗日戦争勝利(抗日戦勝)70周年記念の軍事パレード(観閲式)が天安門広場で開催された。観閲式には1万2000…
正恩氏登場5年、恐怖政治は体制不安の裏返し
北朝鮮の最高指導者・金正恩第1書記が2010年9月の労働党代表者会に出席し、公の場に姿を現したことが国際社会に初めて確認されてから5年になる。極度の恐怖政治で表面的には独裁体制を維持しているが、権力固めはまだ終わってい…
沖縄を訪れた外国人観光客の約4割が台湾人
台北駐日経済文化代表処那覇分処 蘇啓誠処長に聞く 沖縄からの訪台増に期待 台湾では来年1月、総統選が行われる。沖縄と台湾との人的、文化、スポーツ、経済の交流は好調だ。選挙結果いかんにかかわらず、関係はさらに深化していく…
中国のチベット文化抹殺政策を許すな
中国のチベット自治区のラサ市でこのほど、自治区成立から50周年を記念する式典が開かれた。中国政府はこれを機に、自治の拡大を求める動きに対する抑圧や宗教への介入を強化する姿勢を公言している。 自治区とはいうものの、現状…
浦上キリシタンの告白150年
名寄市立大学教授 加藤 隆 仙右衛門が問うたもの 生活に霊魂の平安の視点を 今年はキリシタンの歴史の大きな節目に当たる。禁教下の幕末にあって、フランス人のために建てられた長崎大浦天主堂に浦上の隠れキリシタンたちが密かに…
辺野古埋め立て、承認取り消しは最悪の選択だ
沖縄県にある米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題をめぐって、翁長雄志知事は仲井真弘多前知事による名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認の取り消し手続きを開始した。取り消されれば法廷闘争にまで進む恐れがあり、国と沖縄の対立は…
高すぎる日銀のインフレ目標
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 追加緩和はすべきでない 過去の2%台はバブル期だけ 7月の全国消費者物価(以下CPI)は、前年比プラス0・2%、価格変動の大きい生鮮食品を除いたコアCPIは、同0・0%と…
「日米韓にくさび」は陣営論理
“政熱経熱”の中韓(6) 李揆亨元駐中・韓国大使に聞く 近年の韓国の中国傾斜について李揆亨(イ・ギュヒョン)元駐中国韓国大使(63)に聞いた。李元大使は日米韓3カ国の連携より中国の立場を重視、その親中ぶりには驚きを禁じ…
消費税還付案、誰のための負担軽減策か
2017年4月に予定されている消費税率10%への引き上げに関して財務省が負担軽減案をまとめた。 消費者に過大な負担を強いるものであり、とても負担軽減策とは呼べない。過去の消費税増税が及ぼした経済への悪影響に対する反省…