メディア批評
国際情勢を理解するため世界史を学ぶことの重要性を説く東洋経済
◆不可欠な歴史の知識 最近、「歴史」に興味を抱く女性が増えてきた。 いわゆる“歴女”と呼ばれている女性たちで、大河ドラマなどに触発されて実際に史跡を訪れて知識を増やしていくという歴史通である。もっとも、彼女たちの活動範…
障害者殺人事件の“狂気”と社会の偏見を考えさせたNHK「日曜討論」
◆底流にある差別意識 7月31日放送のNHK「日曜討論」を複雑な思いで見た。テーマは「障害者殺傷事件 深層は」。相模原市の知的障害者施設で起きた大量殺人事件について、精神科医や犯罪研究者ら識者が討論したが、事件の背景に…
安倍再改造内閣発足に経済再生の加速や構造改革求める保守系各紙
◆保革で論調分かれる 第3次安倍再改造内閣が発足した。安倍晋三首相は会見で「未来チャレンジ内閣」と命名し、2020年とその先を見据えながら1億総活躍をはじめ日本の未来を切り開いていくとの決意を表明した。 新聞各紙は組…
反改憲の争点化に頬かむりで「敗北」認めぬ朝日の参院選報道”総括”
◆今になって争点否定 7月の参院選と都知事選ではいずれも野党・反改憲勢力が敗れた。ジャーリストの森健氏は毎日の7月28日付「月刊・時論フォーラム」で「野党以上に敗れたメディア」と嘆息しているが、当のメディアはどうだろう…
「小池劇場・第2幕」の壮絶バトルが始まると予測するサンデー毎日
◆自己満足の敗戦の弁 やはりこの人の言い訳を聞いておこう。都知事選に野党統一候補として出馬し、政策もない上に、過去の女性スキャンダルまで暴かれて、惨めな敗北を喫したジャーナリスト鳥越俊太郎氏の“弁明”だ。古巣のサンデー…
エルドアン・トルコ大統領による強権支配に警鐘を鳴らす米英各紙
◆重要な地政学的位置 7月15日に起きたクーデター未遂を受けて、トルコ国内で混乱が続いている。この混乱に乗じて権力基盤強化を進めるエルドアン大統領に対し、海外から懸念の声が上がっている。 トルコは、シリア内戦などで発…
参院選・島尻氏落選したが… 改憲派が過半数を獲得
《 沖 縄 時 評 》 逆風の中で保守健闘 沖縄では革新陣営が圧倒的に優位で保守陣営が低迷している、と思っている人は多いだろう。 確かに7月の参院選では自民党候補は惨敗した。ところが得票数・率をみると、自民党は着実に…
日銀の追加緩和策に「疑問」「手詰まり」と批判の中、理解示した日経
◆総じて批判的な各紙 日銀が先月下旬の金融政策決定会合で、追加の金融緩和策を決定した。マイナス金利の導入を決めた1月以来半年ぶりの追加緩和である。株価連動型の上場投資信託(ETF)の買い入れ額を、現在の年3・3兆円から…
教師の選挙違反告発サイトに「戦前の思想統制」とレッテル貼る毎日
◆違法活動把握は妥当 毎日の夕刊に「特集ワイド」と題する紙面がある。表紙をめくった2面にほぼ1ページを割き、しばしば突拍子もない記事を載せる。参院選前には「この国はどこに行こうとしているのか」とのタイトルで反安倍、反改…
中国の「水戦略」の影響を強調すべきだったNW日本版の水関連記事
◆メコン川襲う水不足 ニューズウィーク日本版(8月2日号)で、インドシナ半島を縦断する国際河川メコンでも、水不足が急速に悪化していることを伝えている。題して「メコン川を襲う世界最悪の水危機」。 日本列島は今夏、当初は…
南シナ海問題で対中制裁の「せ」の字も出なかったNHK「日曜討論」
◆判決を無視する中国 オランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海をめぐるフィリピンの提訴を審理し、中国が主張する「九段線」は法的根拠がなく、中国の管轄権を認めない判決を出したが、ラオス・ビエンチャンで開かれた東南アジア諸国…
「生殖補助」の進歩 「命の操作」にブレーキ必要
人格形成で困難に直面する子供 米国では、大統領選挙になると、毎回、人工妊娠中絶の是非をめぐる論議が活発となる。「プロライフ」(生命尊重派)と「プロチョイス」(女性の選択権派)による長年の論争が4年に1度、さらに精鋭化す…
トランプ氏演説、各紙から言外に聞く<もうクリントンで仕方ない>
◆挙党体制とは程遠い 「国民のレベル以上の政治家は生まれない」というが、米国の共和党大統領候補に指名された実業家のドナルド・トランプ氏が21日夜(現地時間)に、オハイオ州クリーブランドの党大会で行った指名受諾演説を報じ…
天皇陛下の「生前退位」論じた社説で「憲法」連呼し異様さ際立つ東京
◆皇位定める皇室典範 憲法、憲法、憲法…、数えてみれば、憲法の文字が9回も登場する。天皇陛下の「生前退位」を論じた東京14日付社説だ。その中で「天皇」の文字は12回。それに対して憲法は9回。天皇と書くたびに憲法を冠して…
致命傷になりかねない都知事候補・鳥越氏の「女性問題」各誌が報道
◆またも炸裂“文春砲” 東京都知事選も佳境に入っている。主要候補3人の戦いはまるで「人気投票」のようだ。知名度だけが物を言い、投票日まで10日を切って、ようやく政策論争らしきものが聞こえてきた。 そんな中で“文春砲”…
経済対策に「規模ありき」と批判する朝、毎などにない「成長」の視点
◆景気の下支えに意欲 参院選で大勝した安倍晋三首相は選挙後早々に、石原伸晃経済再生担当相に経済対策を策定するよう指示した。22日付本紙の報道では、事業規模が20兆円程度とする方向で調整が進められている。 国の財政事情…
敗退語らぬ「民進」 共産との共闘依存深まる
突破された「改憲3分の2」 今回の参院選で対決軸となった自民・公明の与党と民進・共産の野党の4党のうち、民進党だけ敗北した。改選45議席から32議席と13議席減らしたが、機関紙「民進プレス」(7・15)は敗退を語らず、…
「赤旗」の参院選結果 目標忘れ共闘効果を宣伝
民主批判から民進応援で頭打ち 共産党の参院選結果は改選議席3から議席を増やした。このことよりも同党機関紙「しんぶん赤旗」(7・11)は、党員でも党公認でもない野党統一候補当選の「勝利」を強調した。「野党共闘11選挙区で…
「自由民主」参院選勝利 アベノミクス信任を強調
「低迷に逆戻り」が説得力 与野党の勝敗を決する「自公対民共」の戦いとして注目された参院選(7月10日投開票)だが、4党の機関紙を見ると、いずれも「勝利」をアピールしている。その真贋を見分けるまでもなく、勝利を口にする資…
独り善がりな解釈で自民改憲草案の破棄迫り論議の入り口塞ぐ毎日
◆草案は議論の叩き台 参院選では民進、共産両党や朝日、毎日などが「改憲」を焦点化し、「3分の2阻止」の大合唱を繰り広げたが、結果はその意に反して改憲に前向きな勢力が議席の3分の2を占めた。これが国民の厳粛な選択だ。改憲…
英国EU離脱を経済史から資本主義終焉の予兆とみるダヤモンド
◆「三枚舌外交」が元凶 英国の欧州連合(EU)離脱は世界中に大きな衝撃を与えている。大方の予想に反して離脱を決めたものの次期首相選びに戸惑ったことも混迷を深めた要因であった。今後、英国は離脱に向けてEU各国との交渉に入…
皆保険制度の破綻を材料に高齢者の延命治療の意義を問うたNHK「クロ現」
◆高価な新薬次々登場 老老介護で心身共に疲弊したことが理由と思われる殺人事件のニュースが流れるたびに、「長生きも考えものだ」と思っている読者は少なくないのではないか。そういう筆者もその一人だが、13日放送のNHK「クロ…
改憲「3分の2」で大勝の安倍政権に経済最優先求めた読、日経、産経
◆改憲の発議に現実味 「道半ばにある経済政策アベノミクスを強化し、デフレ脱却を確実に実現してほしい。それが有権者の意思だろう」(読売社説・11日)。 朝日社説(同)が「歴史的な選挙となった」と言う10日投開票の第24…