オピニオン
遺憾な東芝の不正経理操作
経済ジャーナリスト 尾関 通允 世間を欺く“企業犯罪” 傷付いた信用信頼取り戻せ いわゆる戦後期のまだ早い頃、自然発生的に株式の集団売買が証券会社の店頭で行われるようになり、しばらく後に会員制度の証券取引所が新発足して…
北京冬季五輪、懸念される人権・環境問題
国際オリンピック委員会(IOC)は、2022年冬季五輪開催地に北京を選んだ。北京は08年に夏季大会を開いており、史上初めて夏冬両五輪を開催することになった。 人工雪で水不足の心配も 招致合戦はアルマトイ(カザフスタン…
厚木騒音訴訟、自衛隊の活動に支障来すな
米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)の周辺住民が、国に航空機の夜間・早朝の飛行差し止めや損害賠償などを求めた第4次騒音訴訟の控訴審で、東京高裁の斎藤隆裁判長は午後10時~午前6時の自衛隊機の…
北陸ベンチャーの落日 雪国まいたけの悲劇に学ぶ
騒乱の6月株主総会 北国のベンチャー企業で知られる「雪国まいたけ」が、近年、お家騒動で揺れている。最近もこんな派手な出来事を、越後の里から伝えてきた。 それはさる6月27日のこと―。同社は新潟・南魚沼市のホテルで株主…
北の「核保有国」化は容認できぬ
イラン核協議の合意を受け、北朝鮮の核開発問題が世界の耳目を再び集め始めた。しかし、北朝鮮政府の高官らは相次いで核放棄を拒否する発言をしている。そこには核保有国の地位を世界に認めさせようという思惑がにじんでおり、国際社会…
ゴルバチョフ氏の新回想録
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 ウクライナ情勢を憂慮 ロシア人との繋がりを強調 ノーベル平和賞受賞(1990年)のミハイル・ゴルバチョフ氏(1931~)は、91年末のソ連解体直後に大統領職を辞した。その後、設立した「…
小型機墜落、徹底究明で再発防止に当たれ
東京都調布市の民家に小型プロペラ機が墜落し住民1人を含む3人が死亡した事故で、警視庁調布署捜査本部は業務上過失致死傷容疑で、小型機を整備・管理する「日本エアロテック」(調布市)など関係先を家宅捜索した。 重量が飛行ギリ…
比基地再開、期待される対中牽制効果
フィリピン政府は、かつて米軍基地があった北部ルソン島のスービック湾の軍事拠点化を表明し、戦闘機や艦船を配備する方針を固めた。 スービック湾はルソン島の西側にあり、中国と領有権をめぐって争っている南シナ海に面している。…
再選困難な香港行政長官
二極化する香港 識者インタビュー(11) 香港誌「前哨」編集長 劉達文氏(下) ――2017年の香港行政長官選挙に出馬する有力候補は誰か。 6月29日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー57カ国による設…
参院は良識ある安保審議を
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 猛スピードの中国軍拡 嘆かわしい衆院野党の行動 先日、国会の予算委員会でプラカードを持った人たちの写真を見て一瞬、「これは大変だ」と思った。日本国の「国権の最高機関で、国の唯一の…
ギリシャ危機、地政学的重要性踏まえ支援を
ギリシャの財政危機をめぐっては、同国の財政改革案の法制化を条件に欧州連合(EU)が金融支援を表明したことで、財政破綻やユーロ圏からの離脱という最悪の事態は回避された。しかし、ギリシャの経済が立ち直り安定するまでの道のり…
緑化力は沙漠化よりもはるかに強い
植林運動と自分史 N・GKS代表 澤井敏郎氏に聞く 戦後70年の今年、高齢世代の間で戦争体験などを記録に残すため自分史に取り組む人が増えているという。中国やモンゴルの沙漠(さばく)などで植林ボランティア活動を展開してい…
ツケが回る大学再編の動き
評論家 大藏 雄之助 柔軟な戦前制度に倣え 教育に占領軍「勧告」の弊害 文部科学省が国立大学に関して次々に通達や提言を行っている。 まず5月に、86の国立大学に対して「世界最高水準の教育研究」、「特定分野で世界的な教…
違法教員への罰則規定設けよ
公職選挙法が改正され、来夏の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる。これに伴い高校生も投票できるようになり、「主権者教育」が課題となっている。文部科学省は模擬投票など実践的内容の副教材を配布する予定だが、教育…
医療観に「いのちの物語性」
名寄市立大学教授 加藤 隆 人の願いや納得に価値 生物的な人間理解から転換 半年ほど前のことだが、とても印象深い映画を観た。胎内記憶を持つ子どもたちを丁寧に取材してドキュメンタリー風にまとめた「かみさまとのやくそく ―…
反政府急進派、住民から遊離
二極化する香港 識者インタビュー(9) 親中派団体「愛港之声」代表 高達斌氏 (下) ――結果的に梁振英行政長官が残り2年を続けるだけでなく、17年の行政長官選挙で再選もあり得るか。 梁振英行政長官は残り任期2年が終…
油井さん宇宙へ、日本独自の有人飛行目指せ
ロシアのソユーズ宇宙船の打ち上げが成功し、45歳にして初の宇宙飛行、しかも約5カ月という長期滞在となる油井亀美也さんの「挑戦」が始まった。 日本の無人補給機「こうのとり」のキャプチャー(把持)や日本実験棟「きぼう」で…
中央の支援で住宅問題解決も
二極化する香港 識者インタビュー(8) 親中派団体「愛港之声」代表 高達斌氏(上) 親中派の民間組織「愛港之声」の高達斌(パトリック・コ)主席に香港政局の現状と未来について聞いた。 (聞き手=香港・深川耕治、写真も) …
防衛白書、中国の脅威詳しく伝えよ
平成27年版防衛白書が閣議で了承された。 中国による南シナ海での岩礁埋め立てなどを「高圧的とも言える対応を継続させ、一方的な主張を妥協なく実現しようとする姿勢」と批判した。 ガス田は「一方的開発」 防衛省の当初の白…
自衛官自殺率の虚偽 募集に響くマスコミ誤報
柳澤協二氏の数字は嘘 平和安全法制が国会に提出されると、野党及びマスコミは、60年安保、PKO法、周辺事態法、有事法制(武力攻撃事態法)の時と同じように、「戦争法だ」「徴兵制になる」「アメリカの戦争に巻き込まれる」「憲…
香港は連邦制になるのが良い
二極化する香港 識者インタビュー(7) 「社会民主連戦」主席・立法会議員 梁国雄氏(下) ――学生主導の雨傘革命運動は中途挫折し、主導した学生団体は分裂の危機に直面している。成功しなかった原因は何か。 日本でも196…
マレー機撃墜1年、国際社会は徹底解明せよ
ウクライナ東部ドネツク州上空でマレーシア航空機MH17便が撃墜され、乗客乗員298人全員が死亡した事件から満1年(7月17日)を前に、マレーシア主導でオランダ、オーストラリア、ベルギー、ウクライナの関係5カ国が共同で犯…
統合に亀裂を生んだドイツ
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき ギリシャ問題巡る葛藤 批判招いたユーロ離脱提案 ドイツ連邦議会はメルケル首相とショイブレ財務相が求める第3回ギリシャ救済交渉を承認し、ギリシャは国家破産およ…