オピニオン
川内再稼働、新規制基準での意義大きい
九州電力の川内原子力発電所1号機(鹿児島県)が再稼働した。国内の原発が一基も稼働しない状況が約2年間続いていたが、ようやく脱することができた。2013年に導入された新規制基準の下での初の再稼働であり、その意義は大きい。…
中露が接近する新冷戦構造
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 海洋に加え大陸も舞台 核を絡め経済・軍事で対抗 本年になって中国は南シナ海での岩礁の埋め立てや基地化、港湾や滑走路の建設など海洋活動を活発化し、関係国との摩擦はグローバル化している。6月に…
戦後の10年 大インフレ下で産業復興
戦後70年 識者は語る(3) 元日銀理事、元衆議院議員 鈴木淑夫氏(1) ――日本経済は戦後の荒廃から立ち直り、高度成長を実現後、二度の石油危機を経て安定成長後も為替の激変やバブルとその崩壊、リーマン・ショック、東日本…
日航機事故30年、再発防止に安全文化構築を
乗客乗員520人が亡くなった1985年の日航機墜落事故から、あすで30年を迎える。32分間の迷走飛行、墜落・炎上、困難を極めた救出活動など、事故の記憶は今も生々しい。 慰霊の登山欠かさず 日航は戦後日本の航空業界を牽…
中国の動向 汚職の裏に愛人による腐敗堕落
中国の動向 香港誌「前哨」編集長 劉 達文氏に聞く(下) 天安門事件で心神喪失/他派閥失墜、長老が巻き返し ポスト習近平の候補者に中央財経指導小組弁公室主任 中国の習近平政権は汚職取り締まりを断行するため、江沢民派の周…
戦後70年に宿る精神的遺産
哲学者 小林 道憲 インドネシア識者が評価 民族独立運動に日本の貢献 2010年、85歳で亡くなられたインドネシアのアリフィン・ベイ氏は、第2次大戦中、日本政府が東南アジアから招いた南方特別留学生として来日、広島文理大…
本土決戦の回避 今日の日本繁栄の基に
戦後70年 識者は語る(2) 東京大学名誉教授 小堀桂一郎氏に聞く(下) ――日本の敗戦が避けられなくなった時点でも、陸軍などにはなお本土決戦論が強かった。 ドイツが昭和20年5月に降伏して以降、日本の終戦に至るまで…
日朝外相会談、金第1書記に「拉致」談判せよ
岸田文雄外相は、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議で訪問したマレーシアの首都クアラルンプールで北朝鮮の李洙墉墉外相と会談した。日本人拉致問題の解決に向けた交渉が行き詰まる中、よりハイレベルで話し合うことは重…
「辺野古報告書」全文公開を
OKINAWA政治大学校名誉教授 西田 健次郎 不透明な第三者委員会 密室の翁長県政に不満募る 案の定、というべきか、当初から予測したとおり、翁長(おなが)沖縄県知事の「私的」諮問機関である「第三者委員会」(委員長・大…
終戦の詔書 国体護持条件に堂々と停戦
戦後70年 識者は語る(1) 東京大学名誉教授 小堀桂一郎氏(上) ――戦後70年を振り返ると、その出発点に、昭和天皇の「終戦の詔書」がある。これをどう理解するか。 「終戦の詔書」の中で、昭和天皇は何を仰有りたかった…
ソ連侵攻70年、一日も早い北方領土返還を
70年前の1945年8月9日、ソ連は当時有効だった日ソ中立条約を破って日本に侵攻した。ソ連の攻撃は日本のポツダム宣言受諾後も止まらず、ソ連代表も出席し日本の降伏文書が調印された9月2日を過ぎても続けられた。このようにし…
辺野古工事中断、円満な移設のため生かせ
政府は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設工事を10日から1カ月間中断することを決定した。辺野古移設に反対する翁長雄志知事との全面対決を避けるためだ。円満な移設のための苦渋の決断として理解できる…
安保めぐる憲法論議 脅威対処の現実的答えを
間抜けな失策が目立つ またもや問題発言である。安全保障関連法案について「法的安定性は関係ない」と礒崎首相補佐官が講演で述べたことが物議を醸している。参院平和安全法制特別委員会に招致された礒崎氏は「大きな誤解を与えてしま…
高齢者は熱中症に特に注意と予防策を
日本列島の広い範囲で厳しい暑さが続いており、東京では1週間連続の猛暑日となった。こうした中、熱中症で病院に搬送されたり死亡したりする人が後を絶たない。 救急搬送が過去最多 熱中症は、重症になれば命に関わる。健常者で…
白昼に北朝鮮を逃げる幹部
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 中国も一目置く情報源 女性集団派遣で外貨稼ぎも 北朝鮮の対外に向けての声明は虚勢を張った、弱者の恫喝(どうかつ)が見え見えのものばかりである。イランと米国など国連安保理常任理事国および…
原爆の日、核の「功罪」を冷静に考えたい
広島には1945年8月6日、長崎には9日に原爆が投下された。あれから70年。犠牲者に深く静かに鎮魂の祈りを捧(ささ)げたい。それと同時に、人類に限りない惨禍をもたらす残虐な兵器であるとともに、比類なき「戦争抑止力」でも…
正恩氏が広島にやって来る日
外国人青少年を被爆地に 8月6日を前に広島に行った。平和記念公園と資料館は、山口で開催中のボーイ&ガールスカウト世界大会の参加者が団体で訪れていて、外国の少年少女がいっぱいだった。 外国人、特に若者が大勢見学に来てく…
感染症研究施設、期待される速やかな対応
エボラウイルスなど最も危険度が高い病原体を扱える国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)の「BSL4」施設について、同市の藤野勝市長は塩崎恭久厚生労働相に稼働を容認する考えを伝えた。 最も危険な病原体扱う 有効な…
「日本型福祉社会」の実現を
弁護士 秋山 昭八 大切な世代間扶養の摂理 家庭基盤が充実する政策に 社会保障制度が充実した結果、高齢期の生活保護を国に頼ることとなり、家族による生活保障の時代には意識されていた「世代間扶養の摂理」(子どもを産み育てる…
参院選「合区」、「抜本的な見直し」とは程遠い
参院選の「1票の格差」を是正するための改正公職選挙法が成立した。来夏の参院選は同改正法に基づき実施される。しかし、時間をかけた割には抜本的な改革とは程遠く、一時しのぎにすぎない。参院各会派はさらなる改革案をまとめる作業…
中国の動向 心の拠り所求める指導者たち
香港誌「前哨」編集長 劉 達文氏に聞く(上) 中国の習近平政権は汚職取り締まりを断行するため、江沢民派の周永康氏が無期懲役となり、胡錦濤派の令計画氏が拘束されるなど、習近平総書記の求心力が強まる一方、江沢民派、胡錦濤派…
「戦争の愚かしさ」語る軽さ
文芸評論家 菊田 均 戦後70年の奇妙な思考 人間の奥深くから検証せよ 毎年のことだが、「8月15日」が近くなると、戦争のことが話題になる。そんな中、「愚かな戦争」、「戦争の愚かしさ」という言葉がいつものように言われる…
安保法制、守旧主義は国家の危機招く
礒崎陽輔首相補佐官が、安全保障法制整備に関して「法的安定性は関係ない」と発言したことに野党側が反発し、安倍晋三首相も「法的安定性は重要」と述べて失言と認めた。 そこでは「あらゆる政策より法の安定性が優先する」との大前…