上昇気流 rss

「洛外の眠れる山の史蹟かな」(藤岡李江)。…

 「洛外の眠れる山の史蹟かな」(藤岡李江)。山が人間のように眠るという表現は、季語「山眠る」から来ている。稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』によれば「生気を失った冬の山が、あたかも眠っているように静かに見えるさまをいう」と…

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韓国の朴槿恵大統領らへの名誉毀損で在宅起訴…

 韓国の朴槿恵大統領らへの名誉毀損で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対し、ソウル中央地裁が無罪判決を言い渡した。当然である。  公人への批判を名誉毀損として起訴すること自体が民主国家の常識から懸け離れてい…

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木曽義仲を討ち取った、との報が源義経から…

 木曽義仲を討ち取った、との報が源義経から鎌倉の源頼朝に届いたのが寿永3(1184)年1月27日午後2時ごろ。頼朝が使者から話を聞いているところに、梶原平三(へいざ)景時からの使者が到着した。彼らは義仲討伐の詳細を記した…

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「小確幸」という言葉がある。日本語の辞書…

 「小確幸」という言葉がある。日本語の辞書にはないが、台湾では流行語として使われているそうだ。使い始めたのは作家の村上春樹さんで、造語。  エッセー集『ランゲルハンス島の午後』の中に次の文章がある。「引出しの中にきちんと…

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小惑星探査機「はやぶさ2」が地球の重力を…

 小惑星探査機「はやぶさ2」が地球の重力を使った加速と軌道変更(スイングバイ)に成功し、目的地の小惑星「りゅうぐう」に向けた軌道に乗った。2018年6~7月ごろの到着を目指す。  今回の成功で、プロジェクトマネジャーの津…

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アトランダムに挙げるとポーランド、…

 アトランダムに挙げるとポーランド、アルゼンチン、ハンガリー、モンゴル、ウズベキスタン、いま「海難1890」がロードショー中のトルコなどは国家も国民も親日的なことでよく知られている。  東南アジアでもほとんどの国が親日的…

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「星空へ総身のばし枯木立つ」(成瀬正とし)。…

 「星空へ総身のばし枯木立つ」(成瀬正とし)。そろそろ今年が終わることを意識する時期。毎年のことながら、街ではクリスマスへ向けての商戦やイベントを見かける。  夜のイルミネーションなどもそうだが、クリスマスは年の終わりの…

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インド訪問中の安倍晋三首相は、きょうモディ…

 インド訪問中の安倍晋三首相は、きょうモディ首相と首脳会談を行う。会談ではインド西部の高速鉄道計画に日本の新幹線方式を採用することが正式合意される見通しだ。  高速鉄道の輸出では、中国の案を採用したインドネシアに煮え湯を…

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短編小説を収録した作品集が送られて来る…

 短編小説を収録した作品集が送られて来ることがある。250ページ程度の本で、10編ほどの作品がある。だが、作者についてのデータはほとんどなく、ただ作品が並んでいることが多い。  「作品が全て」という発想がそこにはあるのだ…

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「水温の上昇とともに、メイン州ではニシンが…

 「水温の上昇とともに、メイン州ではニシンが減ってきている。水温の上昇が唯一の原因ではないだろうが、たしかに影響は及んでいる。ニシンが少なくなるにつれて、南から他の種類の魚が入りこんできた」。  海洋生物学者レイチェル・…

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広大な領域に、多数の小さな島々を抱える…

 広大な領域に、多数の小さな島々を抱える南太平洋の多くの島嶼(とうしょ)国。近年、地球温暖化による「海面上昇」の危機的状況にあることで知られるようになった。  ところがその一方で、国土地形の独特な様相も手伝って、海洋管理…

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一年を振り返って10大ニュースを選び、今年を…

 一年を振り返って10大ニュースを選び、今年を総括する師走となった。そのトップとなるかどうかは分からないが、今年は不正問題の続発が特徴となった。日本社会の劣化・腐食の進行が命と生活を脅かしている。  まず3月に発覚したの…

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ノーベル物理学賞を受賞する梶田隆章・東京大…

 ノーベル物理学賞を受賞する梶田隆章・東京大宇宙線研究所長は、授賞式の行われるスウェーデン・ストックホルムに、研究拠点「スーパーカミオカンデ」の共同研究者を招待したという。岐阜県飛騨市の神岡鉱山地下にある同装置には地名の…

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「路地抜けて行く忙しさも十二月」(高浜年尾)…

 「路地抜けて行く忙しさも十二月」(高浜年尾)。一年の終わりの12月を迎えると、他の月とは違った印象がある。あわただしいようでいて、ちょっと寂しい気分。それだけ年の終わりは特別なのだろう。  この背景には、稲作を中心に過…

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久しぶりに東京の国立劇場小劇場で文楽を…

 久しぶりに東京の国立劇場小劇場で文楽を聞いた。平日にもかかわらずほぼ満席で、観客の熱気やわくわく感が伝わってくる。何カ月ぶりかで恋人に会うような雰囲気である。実際、東京での公演チケットは発売から数日で売り切れる。  先…

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評論家の江藤淳氏が亡くなって16年。最近では…

 評論家の江藤淳氏が亡くなって16年。最近では言及されることは少ない。生前の活躍が目覚ましかったことを考えると、落差の大きさに驚く。単に顧みられないのではなく、むしろ積極的に排除されている印象がある。死んでなお、村八分に…

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岡山県瀬戸内市牛窓町は日本のエーゲ海と…

 岡山県瀬戸内市牛窓町は日本のエーゲ海と呼ばれるところ。かつては朝鮮通信使の寄港地でもあった。海は穏やかで、沖に島々が浮かび、カキ筏が並んでいて、ここがカキの名産地であることを示している。  岡山県のカキ養殖の収穫量は全…

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「地球環境問題解決のための資金の流れに…

 「地球環境問題解決のための資金の流れについては全くといっていいほど整備されていない。たしかに世銀の中に『地球環境ファシリティ』という組織があって資金調達に当たりはじめているが、理想の姿にはほど遠い」。  環境庁長官など…

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秋の全国交通安全運動は9月下旬に終わって…

 秋の全国交通安全運動は9月下旬に終わっているが、きょうから始まるのは今年の「TOKYO交通安全キャンペーン」である。東京都と警視庁、区市町村などが連携して、年末に増える交通死亡事故の防止を図る(7日まで)。  例年、1…

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北極圏では地球温暖化の影響で、海氷面積が…

 北極圏では地球温暖化の影響で、海氷面積がここ30年の間に約40%も減っている。大量の氷が解けると海水の塩分の濃度が薄まり、温度の違う海流の相互作用が弱まってしまう。  そのため世界の海流の流れが遅くなり、まずはメキシコ…

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「櫛の歯をこぼれてかなし木の葉髪」(高浜虚子)…

 「櫛の歯をこぼれてかなし木の葉髪」(高浜虚子)。俳句の季語に「木の葉髪」がある。ちょうど11月頃の季語である。「髪」の字が入っているので、髪の毛に関することだろうと思ってはいたが、長い間意味を知らなかった。  稲畑汀子…

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戦前戦後と日本の銀幕を彩った伝説の女優…

 戦前戦後と日本の銀幕を彩った伝説の女優・原節子さんが95歳で亡くなった。戦後70年の年に、戦後の日本女性の理想像を演じてきた原さんが亡くなったことに、特別な感慨を覚える。やはり国と時代を背負った女優だった。  今井正監…

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時の蔵相池田勇人は「闇行為などを行って…

 時の蔵相池田勇人は「闇行為などを行っていたために倒産したり、自殺したりすることがあっても、気の毒だがやむを得ない」という趣旨の国会答弁を行った。  それが昭和27年のきょう。反発した野党の提出した不信任案が可決されたた…

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