一年を振り返って10大ニュースを選び、今年を…
一年を振り返って10大ニュースを選び、今年を総括する師走となった。そのトップとなるかどうかは分からないが、今年は不正問題の続発が特徴となった。日本社会の劣化・腐食の進行が命と生活を脅かしている。
まず3月に発覚したのが、東洋ゴム工業による免震ゴムのデータ改竄問題。国の基準を満たさない免震ゴムを使用した建物の安全性で、不安が広がった。同社は10月にも防振ゴム製品の性能試験データの改竄など不正が発覚し、社長が辞任。
昨日、株主50人が損害賠償を求めて集団提訴した。東芝の不適切会計が明るみに出たのは5月である。利益の過大計上額は1562億円に上り、歴代3社長が辞任した。辞任で済む問題ではないことは言うまでもない。
10月には三井不動産、三井住友建設、旭化成など名だたる企業が関係する横浜市の大型分譲マンションが傾斜したことから、杭が固い地盤に届かない杜撰な基礎工事とそのデータ改竄が発覚して大騒ぎとなった。
さらに同業他社でも次々に杭打ちデータの改竄が判明し、業界そのものの信用失墜へと広がった。今月は化学及血清療法研究所の40年にわたる血液製剤の不正製造と虚偽の製造記録を作成し続けてきたことも明らかとなった。
「データ改竄」「不適切会計」などと上品に表現しているが、要するに「ごまかし」「インチキ」「デタラメ」だらけ。社会の劣化は深刻な問題である。