オピニオン
米ユダヤ系ギャングの興亡
獨協大学教授 佐藤 唯行 禁酒法時代に闇市場支配 解禁後はカジノが収入源に ユダヤ人は北米植民地時代から「暴力性が乏しく遵法(じゅんぽう)精神あふれる人々」という名声を博してきた。状況が一変するのは20世紀初頭だ。警察…
豪の中国人スパイ、日本にとって人ごとではない
香港と台湾、オーストラリアで中国のスパイ活動に関わっていた男性が豪州への亡命を希望し、中国の政治干渉活動に関する膨大な情報を豪当局に提供していたことが明らかになった。 議会への浸透工作を証言 亡命を希望しているのは王…
米朝非核化交渉の行方
核実験など挑発の再開も ワシントン・タイムズ紙安全保障部長 ガイ・テイラー氏 米国と北朝鮮の非核化交渉が一向に進展しない。その背景や今後の展望、次期米大統領選が及ぼす影響などについて、米紙ワシントン・タイムズのガイ・テ…
首里城火災で感じた戸惑い
沖縄大学教授 宮城 能彦 早過ぎる募金呼び掛け しばし喪に服し再建考えよう ネット配信の「沖縄タイムス+プラス」の速報で首里城正殿が激しく燃えていることがアップされたのが、31日の午前4時53分。それからわずか6時間後…
北ミサイル発射、日米韓は連携を乱されるな
北朝鮮が日本海沿いの咸鏡南道・連浦付近から弾道ミサイルとみられる飛翔体2発を発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下させた。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が回避された直後の武力挑発で、北朝鮮…
機密漏れ始めた中国共産党 習政権の強権統治への反動か
《 記 者 の 視 点 》 中国共産党の機密文書やスパイ行為が漏れ始めている。これは習近平政権の強権統治への反動なのか、“中華帝国”の終わりの始まりなのか。 400ページに及ぶ新疆ウイグル自治区でのウイグル人強制収容…
中曽根氏逝去 冷戦終結に寄与し改憲に尽力
中曽根康弘元首相が逝去した。ご冥福をお祈りいたします。中曽根氏が残した業績は「戦後政治の総決算」を掲げて行政改革を断行したことと、憲法改正に尽力したことだ。また、日米同盟を再構築・強化し、米ソ冷戦終結に寄与した。 米S…
北海道の忠魂碑を訪ねる
歴史を風化させないで 北海物流開発株式会社専務取締役 井上 和男氏に聞く 明治維新以後、わが国は日清、日露、大東亜戦争など外国と大きな戦いを経験した。その都度多くの若者が出征し、戦地で亡くなった犠牲者も数多い。全国各地…
千葉虐待死検証 重責背負える体制整備を
「勇気を持って訴えた本児は、何としても守られるべきだったし、救える命であった」――。千葉県野田市の栗原心愛(みあ)さん(当時10歳)が親から虐待を受け死亡した事件で、県の検証委員会はこう結論付けた。 同居は困難と医師が…
ロシア台頭後押しする米大統領
アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき 親西側ウクライナに圧力? 在シリア米軍撤退も露に恩恵 アメリカの下院情報委員会は、トランプ大統領が自己の政治利益目的で安全保障支援資金や自身との面談を交換条件に…
国民投票法案 建設的でない野党の遅延戦術
憲法改正の手続きである国民投票法の改正は、立憲民主党などの野党が今国会の採決に応じないとする中で来月9日の会期まで2週間を切っており、日程的に厳しい状況になっている。同法案は継続審議になる見通しだが、昨年通常国会での提…
グレタ旋風と中国機関車、気候変動対策はどう進むか
16歳の少女、グレタ・トゥーンベリ旋風が吹きまくり、81歳の女優ジェーン・フォンダが米国会議事堂に毎週座り込んでは逮捕される。 デモがいっぱいの今年。中でも地球規模で加速、拡大したのが、気候変動対策の遅れに抗議するデ…
レイモンド司令官が中国の宇宙進出を警告
脅威への対抗システム急務 米中は、宇宙空間の支配を目指して、宇宙戦能力の向上を急速に進めている。新設された宇宙軍のレイモンド司令官は戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、米国の人工衛星への攻撃の脅威は「広範囲に及び、…
ローマ教皇来日、平和への揺るがぬメッセージ
ローマ教皇としては38年ぶりに日本を訪問したフランシスコ・ローマ教皇が4日間の滞在を終え帰国の途に就いた。滞在中に発したメッセージは、カトリック信徒だけでなく非信徒の日本国民の心にも深く刻まれるものだった。そこから日本…
教育再生へ「未来への投資」を
麗澤大学大学院特任教授 高橋 史朗 家庭支援し保育の質向上 乳幼児期に「非認知能力」育め 国連は2015年からSDGs(持続可能な開発目標)を掲げているが、早期の児童発育への投資が17の目標の内、8項目を占め、家庭支援…
香港民主派圧勝、選挙で示された民意の尊重を
香港の区議会(地方議会)選挙で、民主派は452議席中、85%の388議席を獲得し、歴史的な勝利を収めた。 香港の民意が示されたと言っていい。香港政府や背後の中国政府は、デモ隊を力ずくで抑え込むのではなく、行政長官選挙…
中国共産党4中総会の怪
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 経済より政治引締め優先 揺らぐ習一強体制の改善急ぐ 中国で10月に共産党第19期中央委員会第4回会総会(4中総会)が1年8カ月ぶりに開催された。そこでは中国が直面する経済や香港問題等の難題…
野党の「統一候補」戦略は怖い
“驕り”で長期政権に北風も 八百万の神々が在(おわ)す日本のことだから、永田町に「選挙の神様」がいたとしてもなんら不思議はない。戦前、政友会が定数466中304議席を獲得した選挙(1932年)を主導した辣腕(らつわん)…
福井県職員に金品、非常識な対応を猛省せよ
関西電力の幹部らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から金品を受け取っていた問題で、弁護士らでつくる県の調査委員会は、退職者を含む県職員計109人が森山氏から金品を受領していたとする調査結果を公表した。 受領額は最…
再認識される消防団の必要性
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 災害時の共助の中核に 課題は団員の減少と高齢化 火災の消火活動や、全国各地で地震や風水害(気象災害)などの災害が起きた場合、消防団が出動する。今後、首都直下地震や南…
GSOMIA延長、日米韓連携を強化する契機に
日米に阻まれ方針転換 韓国が8月に協定破棄を宣言して以降、日本と米国は破棄撤回を強く求めてきた。仮に破棄された場合、核弾頭を搭載した北朝鮮の各種弾道ミサイルが発射されるケースなど有事での情報収集力が低下し、深刻な事態を…
「性の多様性」の暴走 「命」への感性麻痺させる
《 記 者 の 視 点 》 「GOLDFINGER’99」として郷ひろみさんがカバーしたことで知られる「リヴィン・ラ・ヴィダ・ロカ」を世界各国でヒットさせたリッキー・マーティンさんが10月末、第4子が出産し…
台湾総統選 中国への姿勢が問われる
来年1月11日の台湾総統選に、再選を目指す与党・民進党の蔡英文総統、最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長、野党・親民党の宋楚瑜主席(党首)が立候補を届け出た。実質的には蔡氏と韓氏の一騎打ちとなる。 中国にどのように向き…