オピニオン
ふたつの「ジェノサイド」 米は「ウイグル」に集中を
文明論考家、元駐バチカン大使 上野 景文 「第三世界」取り込む度量期待 さる4月24日は、オスマン帝国によるアルメニア人大量虐殺から106年目の記念日であった。同日、バイデン米大統領は、あのような「ジェノサイド(集団…
G7サミット 自由陣営の対中結束を歓迎
先進7カ国首脳会議(G7サミット)が英国で開かれ、採択した首脳宣言では覇権主義的な行動を強める中国と対峙(たいじ)する姿勢を鮮明にした。自由主義陣営のG7が結束して共産党一党独裁体制の中国に厳しい態度を示したことを歓迎…
中国 生物兵器開発で流出濃厚、前米国務省調査責任者が明言 本紙単独インタビュー
トランプ前米政権の国務省で新型コロナウイルスの発生源を調査するタスクフォースを率いたデービッド・アッシャー氏はこのほど、世界日報の単独インタビューに応じ、新型コロナは中国・武漢ウイルス研究所(WIV)から流出したことを…
朝鮮半島上空を飛び交う紙爆弾
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 飛来恐れる北朝鮮指導部 銃で撃ち落とし韓国側を恫喝 今、話題となっている「韓国から北朝鮮へのビラ」の歴史は、朝鮮戦争当時、国連軍が北朝鮮や韓国内にばらまいたことに始まる。東西冷戦対立の…
日豪2プラス2 重要な「準同盟国」との連携
日本、オーストラリア両政府が外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をオンライン形式で開催し、自衛隊が豪軍の艦艇や航空機を警護する「武器等防護」実施に向けた準備が整ったことを確認した。 覇権主義的な動きを強める中国に対抗…
元徴用工訴訟却下 手放しでは歓迎できない
韓国人元徴用工と遺族計85人が日本企業16社に損害賠償を請求した、元徴用工関連では最大規模の訴訟の一審判決がソウル中央地裁で言い渡され、原告の請求が却下された。 同様の訴訟で日本企業に賠償を命じた2018年の大法院(…
ネット署名の信憑性 架空住所もカウントされる
《 記 者 の 視 点 》 ウェブサイト「Change.org」(チェンジ・ドット・オーグ)を使った署名活動がブームだ。直近では、自民党のLGBT(性的少数者)理解増進法案の今国会提出見送りを受けて、LGBT活動家らが…
デジタル教育の落とし穴
「健全な精神」養う教育岐路に メンタルヘルス・カウンセラー 根本和雄氏に聞く 文部科学省は現在、デジタル教育の本格導入に向けて着々と準備を進めている。来るべきAI(人工知能)、ソサエティ5・0社会の到来に向けグローバル…
中国人権侵害 国会で全会一致の非難決議を
ミャンマーで起きた国軍による軍事クーデターを非難し民主主義体制の回復を要求する決議を衆院が採択した一方で、中国共産党政権による新疆ウイグルや香港、チベットなどでの人権侵害を非難する国会決議は採択に至っていない。一党独裁…
中国の宇宙開発に二つの懸念
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 独自基地で地上監視独占 ロケット残骸落下のリスクも コロナ禍で世界経済が低迷する中、中国経済だけは回復基調にあり、20カ国・地域(G20)で唯一の国内総生産(GDP)プラス成長を見せている…
党首討論 国家観の議論なく迫力不足
菅義偉首相(自民党総裁)と野党党首による党首討論が開催された。2年ぶりの直接対決であり、菅首相にとっては初めての参加だった。 国家観を戦わせる場が必要だとの理由から、衆参両院の国家基本政策委員会の合同審査会として20…
コロナ禍の世界で増える 子供の誘拐・売買・行方不明
山田寛の国際レーダー 世界各地で近年、子供の拉致・誘拐・人身売買・行方不明が増えてきた。コロナ禍の中、一層増加しているようである。 その摘発や被害者救出が難しいことは、先月初め中国公安部が発表した数字でも示されている…
池田小事件20年、保安処分の導入を検討せよ
児童8人が殺害され、15人が重軽傷を負った大阪教育大付属池田小学校の殺傷事件から20年が経過した。 犯人の宅間守元死刑囚=2004年刑執行=が措置入院の退院後に事件を起こしたことが大きな問題となった。政府は治安維持を…
サイバー戦に地政学の存在あり
日本安全保障・危機管理学会上席フェロー 新田 容子 危険度高い国主導の攻撃 企業だけでなく五輪も標的に 地政学的な緊張は、テクノロジーとデジタルの領域でますます高まっており、その影響は地域や領域を超えて広がっている。同…
半導体戦略 産官学で生産体制構築を
経済産業省は国内半導体産業の競争力強化に向けて「半導体・デジタル産業戦略」を策定した。急速なデジタル化で半導体の需要が世界的に急増していることが背景にあり、成功させるには産官学が一体となって日本を再び「技術立国」に押し…
「台湾海峡両岸」問題の平和的解決とは
平成国際大学教授 浅野 和生 併合諦めない共産党政権 「中国解体」というシナリオも 去る4月16日、ワシントンでの日米首脳会談で菅首相とバイデン大統領は「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」と題する共同…
尖閣諸島 日本は防衛に万全を尽くせ
日本政府は1895年、どこの国も統治したことのない尖閣諸島を先占と呼ばれる国際法上の法理手続きに基づき、わが国の領土として沖縄県八重山郡(現在は石垣市)に編入した。当時、尖閣をめぐる帰属争いが起きることはなかった。尖閣…
「定常型社会」を迎えた日本
沖縄大学教授 宮城 能彦 「成長せず」を前提に対策 「自助」支える共同体づくりを 約60年前の高度経済成長を経て豊かになった日本。オイルショックやバブルやリーマンショック等を得て、かつてほどの勢いはないものの、世界的に…
中国、ロシアからの暗殺の恐怖に脅える亡命者
高位数百人 CIAが生涯保護 米情報機関が、ロシア、中国などの敵対国で米国のためのスパイ活動を行った高位の亡命者数百人を、生涯にわたって保護していることはあまり知られていない。このプログラムに関わった中央情報局(CIA…
TPP拡大へ、日本は英国の早期加盟主導を
日本など環太平洋連携協定(TPP)加盟11カ国は、英国の参加について協議を始めることを全会一致で決めた。高いレベルの自由貿易圏に、太平洋から遠く離れた英国が参加することの意味は大きい。日本は英国の早期加盟実現を主導すべ…
人権外交 対中圧力強化へ法整備進めよ
自民党外交部会の「人権外交プロジェクトチーム(PT)」が、菅義偉首相に人権を重視した外交の強化を求める提言を手渡した。 日本は民主主義や人権などの価値観を共有する欧米と連携を深め、人権外交を展開して中国への圧力を強め…
国際社会に「炭鉱のカナリア」の教訓を与える
《 記 者 の 視 点 》 名ばかりの民族自治、中国のチベット侵攻から70年が過ぎる 中国がチベットを侵攻し、自国領に組み入れてから70年が過ぎた。現在、チベット自治区とは名ばかりで、安定統治を名目に強権の鞭(むち)が…
石垣島移住20年、海と緑が心を癒やす
翻訳家 ゲアリ・ワイコフ氏に聞く 日本の最南端、沖縄県八重山諸島の石垣島に暮らして20年のアメリカ人夫妻、翻訳家のゲアリ・ワイコフさん(65)とスーザンさん(64)。共にバハイ教徒で、英会話講師として来日し、山口県宇部…