日豪2プラス2 重要な「準同盟国」との連携


 日本、オーストラリア両政府が外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)をオンライン形式で開催し、自衛隊が豪軍の艦艇や航空機を警護する「武器等防護」実施に向けた準備が整ったことを確認した。

 覇権主義的な動きを強める中国に対抗するため、日本が「準同盟国」と位置付ける豪州との連携を強化することは重要だ。

「武器等防護」の準備整う

 武器等防護は集団的自衛権行使を一部容認する安全保障関連法で可能になった任務の一つ。現在は米軍に対してのみ行われている。豪州との防衛協力を進める上でも、速やかに実施に移すべきだ。在日米軍の地位協定に相当し、自衛隊と豪軍の相互訪問時の法的地位を定める「円滑化協定」については、早期署名へ協議を加速させることで一致した。

 豪州のモリソン首相は昨年11月に来日し、菅義偉首相と会談した。外国首脳を日本に迎えて会談するのは、菅首相の就任後ではこの時が初めてで、中国との摩擦を背景に日本と関係を深めたい豪州側の主導で実現したものだ。

 モリソン政権は昨年4月、新型コロナウイルスへの中国などの対応について「独立した検証」を要求。これに反発した中国は、大麦や牛肉、ワインなど幅広い豪州産品を対象に貿易制裁を実施している。モリソン氏は日本から帰国後、新型コロナ対策として2週間の自主隔離を行ったが、このことからも、どれほど対日関係を重視しているかが分かる。

 日豪2プラス2は2018年10月以来9回目で、日本からは茂木敏充外相と岸信夫防衛相、豪州からはペイン外相とダットン国防相が出席。「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた連携を確認した。

 豪州は日本や米国、インドと共に連携の枠組み「クアッド」を構成。日米豪印4カ国は中国を牽制(けんせい)するため、インド太平洋地域で航行の自由の確立を目指し、経済や安全保障、防災などの分野で協力を進めている。

 また2プラス2では、東・南シナ海での中国による一方的な現状変更の試みに反対することや、香港や新疆ウイグル自治区での人権状況への深刻な懸念を共有。民主主義、人権、法の支配などの普遍的価値を共有する日豪両国が一致して、共産党一党独裁体制を堅持する中国を批判したことの意義は大きい。

 さらに、台湾海峡の平和と安定の重要性について認識を共有し、両岸問題の平和的解決を促すことでも一致。協議後に発表した共同声明には、初めて台湾について明記した。

 中国の習近平国家主席は台湾統一に向けて「武力行使も辞さない」と言明。米軍高官が今年3月の議会公聴会で、中国が向こう6年間で台湾に武力侵攻する可能性があると警告するなど危機が迫っている。日豪両国は台湾との関係を強化し、米国などと共に台湾を支えていく必要がある。

対中包囲網構築に尽力を

 モリソン氏は英国で開かれている先進7カ国首脳会議(G7サミット)に招待されている。G7との連携を図り、対中包囲網構築に尽力すべきだ。