パートナーシップ 「制度」必要性を疑問視
都議会・総務委員会で質疑 「不便性の根拠ない」
東京都議会の総務委員会は16日、性的マイノリティ(LGBTQ)の同性カップルを行政が結婚に相当する関係として認める「東京都パートナーシップ宣誓制度」(仮称)の素案について質疑を行った。早坂義弘都議(杉並区・自民党)は質疑で、同制度の目的である「医療、住宅面での不便の解消」についての根拠や、都民へのアンケート調査の問題点を追及し、現存の条例改正で「同制度なくしても解決できるものがある」と同制度の必要性を疑問視した。
同制度は平成30年に制定された人権尊重条例を一部改正することで、都が今秋に新たに導入を目指している。2月14日から今月31日まで同制度の素案について、都民からのパブリックコメントを募集している。
同制度の目的について都は、「性的マイノリティの人々の不便解消」と、「都民の理解推進」だとした上で、具体的な生活上の不便としては「特に医療分野(手術の同意や付き添いなど)と住宅分野(入居が認められないなど)における意見が寄せられている」と答弁した。
これに対し、早坂都議は自ら行った調査を基に「都立病院や公社病院からは、家族かどうかで区別せず、患者の意向に沿って、手術の同意や病状の説明を行っていると回答があった」とし、都医師会や都病院協会にもそのような苦情は入っていないと指摘。都が主張する「不便性」の根拠が当事者側の意見に偏っていると強調し、双方の意見を取りまとめるよう求めた。
住宅分野については、都営住宅の条例改正を行えば、「同制度の導入なくしても(不便性は)解決できる」と述べた。
また、都が昨年10月から11月にかけて行った大規模調査(6万6千人が回答)について、調査結果が4月に公表されるにもかかわらず、パブリックコメントを3月末で締め切ることにも疑問を投げ掛けた。このほか、中間結果の公表が遅いことや設問内容の不備を取り上げ、「同制度の必要性を浮かび上がらせる結果とならなかった」と発言した。