オピニオン
地方交通網、「住民の足」確保する将来像を
経営が悪化しているJR北海道は、単独での路線維持が困難な赤字の10路線13区間を公表した。対象は、全路線の約半分に相当する約1237㌔に上る。うち3区間は廃止を前提とし、8区間は路線維持の費用について沿線の自治体と協議…
トランプ氏TPP離脱宣言、米国と地域のためになるのか
トランプ次期米大統領が大統領選後初めて、環太平洋連携協定(TPP)から離脱する意向を表明した。 中国を牽制する狙いも TPPは、日米など12カ国が2月に署名した広域の自由貿易協定(FTA)。農産品・工業品の関税削減・…
野党連合政権、共産党の解党が実現の近道だ
日本共産党は来年1月の第27回党大会に向けて決議案を発表し、昨年の安保法制反対運動を契機に始まった野党共闘を次期衆院選で政権選択を問う争点に浮上させようと「野党連合政権」構想を提唱した。しかし、連立により政権交代を実現…
大川小の津波の教訓 教師の甘い判断を悔やむ
先人の被災を念頭に 3年前の5月、連休を利用して息子の車で、東日本大震災により津波で流されたという宮城県石巻市立大川小学校を見て回った。校舎は破壊され、校門の石壁には校訓が刻まれ、幾つかの花束も供えられていた。 大津…
米イスラエル軍事援助増の背景
獨協大学教授 佐藤 唯行 立役者はグラハム議員 「イラン核合意」と均衡取る 9月14日、米・イスラエルは新たな軍事援助協定に調印した。これにより米政府は向こう10年間にわたり、総額380億ドルもの軍事援助金をイスラエル…
日韓防衛協定、対北抑止力アップに期待
日韓両政府は安全保障上の機密情報を相互に共有・保護するため軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を締結した。核開発や弾道ミサイル発射などで高まる北朝鮮の軍事的脅威への備えとして極めて有効であり、締結を歓迎する。 韓国政…
原発避難いじめ、「事なかれ主義」を猛省せよ
「教育の放棄」と批判されても仕方がない。 東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に避難した中学1年の男子生徒が、転校先の市立小学校でいじめを受けたことへの学校や市教育委員会の対応である。 背景に周囲の大人の偏見…
中国文明の変遷と南シナ海
哲学者 小林 道憲 南海路経由で文化流入 近世まで誰も海を領有せず 南シナ海は、今の中国政府が言うように、2000年来中国の海だったのであろうか。 中国文明は、北の草原の道、西のシルクロードや青海路、南の南海路などを…
地域包括ケア、家族の「互助」が前提である
超高齢社会を迎え、地域ケアにどう臨むか、医療や介護の在り方が問われている。いずれの面でも「地域が主体」となる時代を迎えており、地域の「互助」が重要視されている。だが、その前提となる家族の「互助」が見落とされていないか、…
働く人の和こそが活力源
木立の中のおもてなし 山菜料理店「みたき園」女将 寺谷節子氏に聞く(下) 4月はいつも1年生/雪が解けて始まる料理店 森の中の「みたき園」は雪が降り積もると春まで閉園になるわけですが、一番、気合が入るのはいつですか?
トランプ政権と米露関係
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 対露制裁破棄の可能性も 問題は職務遂行権限の有無に 米大統領選挙でのドナルド・トランプ共和党候補の勝利を受けて、ロシアの情報サイト「ロシア・ダイレクト」(RD)はパーベル・コシキン編集…
イラン核問題、トランプ米次期大統領に期待
インタビューfocus 中東和平の行方と新提案 イスラエル国会副議長 イェヒエル・ヒルク・バール氏 イスラエルにとってパレスチナ問題は、喉に刺さったトゲのような存在だ。解決しようにも、抗する内外の勢力は手ごわい。「オリ…
憲法審査会再開、建設的な議論で合意点探れ
憲法審査会が衆参両院で再開された。7月の参院選で、憲法改正に前向きな勢力が衆参両院で発議に必要な3分の2以上の議席を占めて以降、初の開催となった。公布されて70年を迎え、内外情勢も変化する中、現憲法に限界があることは明…
日銀の政策転換と経済の展望
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 1%程度の持続的成長 物価目標2%にこだわるな 日本銀行は、2カ月前の金融政策枠組み転換の決定を踏まえて、金融政策の運営態度を変えてきた。 まず、今月初めの政策委員会・…
首相とトランプ氏、友好を同盟強化につなげよ
安倍晋三首相は米ニューヨークでトランプ次期大統領と会談を行った。次期米大統領と日本首相との会談は異例である。 国際社会を安定させる上で各国の首脳同士の個人的信頼関係は欠かせない。その意味で、首相とトランプ氏が良好な関…
露閣僚失脚、領土問題の原点踏まえ対応を
12月中旬の山口県での日露首脳会談を控え、ロシアの捜査当局はウリュカエフ前経済発展相を収賄の疑いで刑事訴追した。ウリュカエフ氏に対し、プーチン大統領は「信頼を失った」として経済発展相の職務を解任した。ウリュカエフ氏は、…
トランプ当選、理性文明に人間が勝利
理性主義は正しいのか 米国大統領選挙で、トランプ氏が当選した。それは人間の勝利であった。何に対する勝利か? それは理性や理性の生み出したハイテクやグローバル化に対する勝利だった。 いま舞台上演中の『メトロポリス』は原…
元女優大麻事件、危険伝える教育の徹底を
元女優の高樹沙耶容疑者が大麻取締法違反(所持)で起訴された。岡山と茨城両県では、高校生らが同じ容疑で相次いで逮捕されている。薬物乱用防止の啓発・教育に力を入れ、“大麻汚染”の拡大を食い止めたい。 若年層の乱用傾向増大…
新島襄と高山右近の生き様
名寄市立大学教授 加藤 隆 死を賭して海外へ出航 命より価値あるもの見いだす 幕末の鎖国令下にあって日本を密出航した人物がいる。新島襄である。また、それより前の江戸時代が緒に就いたころ、日本から国外追放された人物がいる…
駆け付け警護、国際常識に沿った活動を
政府は、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊に「駆け付け警護」任務を付与する。これで派遣部隊が現地で武装集団に襲われた際には救助してもらうが、他国部隊や人道支援組織が襲撃されても助けないという異常な状…
自律的拡大へ内需の強化を
2016年7~9月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0・5%増、年率では2・2%増と3四半期連続のプラス成長で、15年1~3月期(年率5・0%増)以来の高い伸びになった。 とはいえ、成長は外需主導で内需が相変わら…
住民の生活を妨げる反基地活動
農業生産法人有限会社「カナンおきなわ」依田啓示社長に聞く 混乱する東村高江ヘリパッド工事現場 米軍北部訓練場の返還に伴うヘリパッド建設が進められている東村と国頭村には反基地活動家が多く押し寄せ、住民の生活に支障を来して…
大統領選挙での惨敗、米マスメディアに第2の弔鐘
先週の米大統領選では、ヒラリー候補だけでなく、世論への影響力を全く発揮できなかった米国の新聞・テレビも惨敗した。将来を絶望させるような弔鐘が鳴った。 米紙のうちトランプ支持は1%だけ。96%がヒラリー支持を宣言してい…