オピニオン
日露協議、領土交渉進展につなげよ
日露両政府は、約3年4カ月ぶりとなる外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を東京都内で開いた。北方領土問題をめぐるロシアの強硬姿勢は変わらないが、安全保障を含むさまざまな分野で協議を重ねて領土交渉の進展につなげる必要があ…
親の言葉で傷付く子供 厳しい叱責も強い愛情
「親毒」の負の連鎖反応 一昨年の暮れのことだが、1冊の新刊書『親毒』(コスモトゥーワン)を編集者のY氏から頂いた。表紙に副題「なぜこんなに生きづらいのか」と書かれ、さらに「自分が何者かわからない!」と続く。 著者も“…
さまよい続ける日本社会
NPO法人修学院院長・アジア太平洋交流学会会長 久保田 信之 縦軸の「常識」確立せよ 自民党は保守政党の自覚を 日本社会の現実を細かく具体的な例を挙げて批判すれば、確かに凶悪犯罪は多数発生している。確かに「住みにくい世…
テロ等準備罪、未然防止へ何としても成立を
政府は「テロ等準備罪」の創設を柱とする組織犯罪処罰法改正案を国会に提出した。過去に3度も同趣旨の法案が提出されたが、廃案になっている。 だが、テロなどを未然に防ぐのが主たる目的であり、政府・与党は何としても成立させる…
豊洲問題、証人喚問で筋を通した石原氏
東京都の築地市場の豊洲への移転をめぐる問題で、都議会は調査特別委員会(百条委員会)を設置し、元知事の石原慎太郎氏を証人喚問した。 都が東京ガスから用地を取得した経緯について自らが決裁した責任を認め、小池百合子知事に早…
那覇軍港の浦添市への移設を市民が選択
松本哲治・浦添市長に聞く キャンプ・キンザー返還前倒しを近く政府に要請 米軍港湾施設(那覇軍港)の浦添市への移設が争点となった同市長選が2月12日に行われ、現職の松本哲治市長=自公推薦=が再選した。松本氏に軍港移設につ…
敗北から学ばない米民主党
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 「企業寄り党員」が支配 全国委員長選で進歩派敗北 米国の民主党はこのほど、DNCとして知られる民主党全国委員会の新委員長を決める選挙を行った。現状維持派か…
拉致被害者家族会20年、報告書より即全員帰国を
インタビューfocus 飯塚繁雄代表に聞く 日本人拉致問題の解決に向け活動してきた「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)が25日で結成20年を迎える。この間、被害者5人とその家族が帰国したものの、その他の被害者…
化学兵器、北朝鮮の平和への挑戦を許すな
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害された事件では、化学兵器である猛毒の神経剤VXが使用された。 化学兵器は大量破壊兵器の一つであり、戦争などで使われれば甚大な被害をもたらす。個人に対す…
「反イラン軍事同盟」構想
獨協大学教授 佐藤 唯行 スンニ派アラブを結集 密使クシュナー氏が裏工作 2月中旬に訪米したイスラエルのネタニヤフ首相がトランプ米大統領との間で話し合った重要案件の一つが対イラン政策であった。 彼らがイランの喉元を締…
トランプ政権発足2ヵ月 同盟関係の不安「米国第一」と「力による平和」目指す
対談 トランプ政権発足2ヵ月 トランプ米大統領が就任してきょうで2カ月。同大統領は、今後どのように内政外交とりわけ東アジア外交を展開していくのか。これに日本はどう対していくべきか。元日朝国交正常化交渉日本政府代表で公益…
GPS捜査違法、犯罪者の高笑いを許すな
警察は犯罪から国民の生命と財産を守るのが使命だ。それを果たすには旧来の捜査手法だけでは不十分だ。捜査対象者の車両に全地球測位システム(GPS)の端末を取り付け、検挙へと追い詰める手法は有効だ。だが最高裁は、GPS捜査を…
世界から認められる研究実績を
沖縄科学技術大学院大学グルース新学長に聞く 最高レベル維持へ十分な予算確保必要 遺伝子制御および発生生物学の分野で国際的に著名な研究者で、ドイツのマックス・プランク学術振興協会の会長を務めたピーター・グルース博士が1月…
トランプ氏と露絡みの情報戦
ロシア研究家 乾 一宇 米社会の混乱もくろむ露 不名誉情報は利用価値失う 昨年の米大統領選挙戦において、トランプ氏は親プーチン姿勢を鮮明にしていた。これを捉えて「トランプ氏とロシアの黒い危険な関係」「トランプ氏はプーチ…
安定した家庭が子供の未来拓く
「貧困の連鎖」を断ち切る最も有効な手だての一つとして、米国の中道系から保守系専門家の間でコンセンサスとなっているのが「家庭再建」だ。安定した家庭は子供の将来にどのような好影響をもたらすのか。家庭の重要性を経済・社会的側…
性犯罪厳罰化、「魂の殺人」の防止徹底を
政府は性犯罪の厳罰化を図る刑法改正案を閣議決定した。強姦罪や強制わいせつ罪について、被害者の告訴がないと起訴できない「親告罪」の規定を削除するのが柱だ。 告訴に伴う被害者の精神的な負担を減らし、「泣き寝入り」を防ぐ。…
サウジ国王来日、「脱石油」改革への協力を
サウジアラビアのサルマン国王が来日した。サウジ国王の来日は46年ぶり。その目的は、石油に依存する経済からの脱却への道筋を付けることだ。 原油価格低迷に危機感 かつて原油産出量世界一だったサウジだが、現在は米国に取って…
高齢者ドライバー、能力過信せず重大事故防げ
改正道路交通法が12日施行され、75歳以上のドライバーを対象に認知症対策が強化されることになった。高齢者ドライバーによる事故が増加していることへの対策だが、事故を減らすため、あらゆる面から対策を強化する必要がある。 強…
危機管理が要する能力 新しいマニュアルを描け
失敗した2人の政治家 東日本大震災の発生から6年が過ぎた。あの時に菅直人総理が犯したと思われる失敗が、オバマ前米大統領がシリア等で犯した失敗と類似していると思えてならない。それは古いマニュアルの上に新しいマニュアルを上…
EU離脱へ進む英国の現状
平成国際大学教授 浅野 和生 栄光の歴史 融解を阻む 健全な独立国として存続へ 欧州連合(EU)離脱決定以後初めて、英国の移民の入出国数が発表された(2月23日報道)。それによると、ポーランド、チェコ、エストニア、ハン…
受動喫煙対策、健康被害減少へ強化は当然
政府は「飲食店は原則禁煙」などの受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案を今国会に提出する方針だ。 厚生労働省の有識者検討会が昨年8月に取りまとめた報告書によれば、受動喫煙で肺がんの死亡リスクが約3割上昇し、心臓病や…
日米韓の連携強化を急げ
ティラーソン米国務長官はきょうから日本、韓国、中国を初めて訪問する。国務長官の各国初訪問は親善の意味合いが強いとも言えるが、今回は北朝鮮の核・ミサイル開発への対応が喫緊の課題となっている。日米韓の連携強化を急ぐべきだ。…
消滅危機、日本のカツオ漁業
東京財団上席研究員 小松 正之 島嶼国への投資不可欠 国際交渉で新たな枠設定を 「目に青葉、山不如帰(ほととぎす)、初鰹(はつがつお)」。かつお節と出汁(だし)として食卓を数百年にわたって潤し、刺し身とたたきは食卓の主…