オピニオン
仏デモ深刻化、国難を招くポピュリズム政治
無党派ブームで選出されたマクロン仏大統領が、激しさを増す抗議デモを受けて、最低賃金の引き上げ、労働者への優遇措置などを打ち出して鎮静化を図った。大統領選時と同様に現状に不満を持つポピュリズムの影響で、自動車燃料税増税へ…
ブッシュ父大統領の米国、勝ち誇らない外交の力
先日94歳で死去したブッシュ父41代米大統領。その在任時に駐米記者だった私なりの思いをつづりたい。あの時代、米国は東西冷戦終結と湾岸戦争勝利で自信と誇りを取り戻したが、ブッシュ氏は誇っても勝ち誇らない外交大統領だった。…
核固執は金体制崩壊の火種
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が今年6月12日、米朝首脳会談に応じた狙いは米国から体制を保証してもらうことだった。 年初、金委員長は「米国の全域がわれわれの核攻撃の射程圏内にあり、核のボタンは私の事務室の机に常に置か…
トランプ政権 「力による平和」で中国に対峙
WT紙コラムニスト ビル・ガーツ氏講演 米ワシントン・タイムズ(WT)紙のコラムニストであるビル・ガーツ氏は11日夜、東京・西新宿の京王プラザホテルで開かれた国際指導者会議(ILC)有識者特別懇談会(主催・UPF―JA…
ゴーン容疑者、記載義務の有無が最大の争点
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者が巨額の役員報酬を隠したとされる事件で、東京地検特捜部は2010~14年度の報酬約48億円を有価証券報告書に記載しなかったとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)罪…
長蛇の列となった台湾選挙
平成国際大学教授 浅野 和生 複数地方選と10公民投票 民主主義への強固な意志示す 11月24日(土曜日)に投票が行われた台湾の統一地方選挙の結果は、全国22の県市の首長のうち与党の民進党が選挙前の13県市から6県市へ…
中国機器排除、同盟の抑止力維持に必要
政府は、各府省庁が情報通信機器を調達する際、情報の抜き取りや破壊などの機能が組み込まれた恐れのある機器の排除を申し合わせた。米政府が使用禁止に動く中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を念頭に置…
アフリカ開発と日本 投資や消費に高まる関心
インタビューfocus 日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟会長 逢沢一郎氏 日本・アフリカ連合(AU)友好議員連盟の逢沢一郎会長(衆議院議員)はこのほど、本紙のインタビューに応じ、高い経済成長が続くアフリカに対し日…
NGI構想で地方創生を
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 国内外の若者で支援組織 地元と連携、中小企業を活性化 昨今、実質的な移民政策である外国人材の受け入れ拡大をめぐる議論が行われているが、多くの疑念が残ってい…
習氏・北外相会談、うわべだけの非核化は不要だ
中国の習近平国家主席は訪中した北朝鮮の李容浩外相と会談し、双方が朝鮮半島の非核化実現の重要性を確認したという。中国は米国に対し一定の配慮を欠かせない立場から、また北朝鮮は来年初めにも開催が見込まれる2回目の米朝首脳会談…
ロシアの影響工作に備えよ
先月末、ロシア連邦保安局(FSB)がアゾフ海でウクライナ艦船を拿捕(だほ)するという事態が発生した。この情勢はロシアが2014年3月、国際法に違反してクリミアを併合した結果だとする声が多いものの、いまだその背景など詳細…
米海軍潜水艦の保守点検に遅れ、稼働できず
米議会付属の政府監査院(GAO)の調査によって、海軍は、潜水艦の保守点検の大部分を予定通りに実施することができず、運用に遅れが生じたり、予算超過になったりしていることが明らかになった。11月に公表された報告によると「G…
入管法改正へ、友好途上国の人材開発支援を
外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法改正案が成立する。受け入れ環境の整備に課題を残すが、対象は我が国と良好な関係にある開発途上国の労働者に絞り、相手国の人材開発を通じて経済支援を行うとともに我が国の生産性向上を…
グリーフケア 傾聴で悲しみに寄り添う
聴行庵住職 東 和空師に聞く 平和都市・広島で平和活動とともに傾聴活動を行っている天台宗系僧侶の東和空(ひがしわこう)師。人々の悲しみに寄り添い、共感することでその人本来の心の回復を促す傾聴は、宗教・宗派を超えた究極の…
貴ノ岩が暴力、今度は加害者とは情けない
大相撲の幕内貴ノ岩が付け人に暴力を振るった。 元横綱日馬富士による傷害事件の被害者が、今度は暴行を働く側になったことは情けない限りだ。 付け人を平手や拳で殴る 日本相撲協会によると、貴ノ岩は冬巡業で訪れた福岡県行橋…
ゴーン容疑者の道義的責任
拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ 物欲最優先文化の担い手 社会正義の価値基準を破壊 国際政治の面においてはアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が前代未聞の共同コミュニケ発表を見送るという事態に直面…
“晴れ時々曇り”の韓日感情
韓日の有職者が指摘する両国関係にはユーモアが溢れる。 韓日感情は「建前では嫌いだが本音では大好きな恋人関係だ」「儒教習慣の韓国は兄(中国)から殴られたことは許せるが、弟(日本)から殴られたことは許せない」。それが本質…
ゲノム編集で子
中国・南方科技大の賀建奎副教授が遺伝子を効率良く改変する「ゲノム編集」技術を使い、エイズウイルス(HIV)に感染しないよう受精卵を操作して双子を誕生させたと国際会議で主張した。事実であれば前例のないことだ。科学の名をも…
北方領土交渉、4島返還への糸口見いだせ
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで行われた安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談で、北方領土問題を含む平和条約締結交渉の責任者を河野太郎、ラブロフ両外相とすることが決まった。交渉で4島返還への糸口を見いだす…
頑張れ国産ジェットエンジン
元統幕議長 杉山 蕃 「F9」の早期実用化を 防衛技術の確実な成長期待 先日、防衛省航空技術関係者と懇談の折、防衛省・石川島播磨重工(以降IHI)で鋭意開発中の「XF9」エンジンが地上試験で、当面の目標値を上回る推力に…
ゲノム編集は人類の脅威
アメリカ保守論壇 M・ティーセン 深刻な道徳的危機を招来 胎児の遺伝子操作の可能性も 中国の科学者が、ゲノム編集を行った初めての赤ちゃんが誕生したことを明らかにし、学界から非難の声が湧き起こった。米国の遺伝科学者はAP…
秋篠宮御発言、大嘗祭は国費で粛々と準備を
来年11月の大嘗祭への公費支出をめぐって秋篠宮殿下が一石を投じられた。 記者会見で「宗教色が強い大嘗祭を国費で賄うことが適当かどうか」と述べられ、天皇御一家の私的活動費である内廷費を充て「身の丈に合った儀式」とするの…
新ロシアでのラーゲリ生活
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 軍宿舎より快適な環境 元2重スパイが新刊で証言 レフォルトボ、ラーゲリは、かつて存在したソ連という国を知る人びとにとって、比較的なじみのあるロシア語である。それぞれ「予審(一時取り調べ…