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米国との関係深めるポーランド
日本大学名誉教授 小林 宏晨 安保上の代え難い支えに 米軍基地拡大へ努力惜しまず 1989年以降、ポーランドとアメリカの間には急速に特別の関係が展開された。その中核的内容は、安全保障および防衛保障的協力とアメリカの安全…
伝統否定する厚労省「子育て革命」
麗澤大学大学院特任教授 高橋 史朗 体罰と躾を混同するな 「不動の真理」放棄する暴挙 「子供の最善の利益」の名の下に、静かな「子育て革命」が厚生労働省のイニシアチブで進められている。背景には、相次ぐ児童虐待死事件やスポ…
ロシア民間軍事会社の実情
ロシア研究家 乾 一宇 利潤追求の現代版「傭兵」 GRU系とFSB系で違いも 大規模戦争生起の公算が低くなる一方で、世界各地で紛争や内戦が絶えない。 紛争などに関与する西側諸国では、人的犠牲や財政負担の拡大、あるいは…
巨大コンクリートで国土脆弱化
東京財団政策研究所上席研究員 小松 正之 自然の力活用し防災を 環境保護と社会経済性向上も 日本は、自然に対して脆弱(ぜいじゃく)性をさらけ出した国土になった。また単一目的の防災で、環境、社会経済への考慮を忘れた。沿岸…
台湾への武力使用反対決議を
平成国際大学教授 浅野 和生 国会に対中牽制を求む 平和主義国家日本の姿勢示せ 1年前、2019年1月2日、中国の習近平国家主席が、「台湾同胞に告げる書40周年」の重要演説において、台湾を「一国二制度」で統一しようとす…
ユダヤの輜重隊「シオン騾馬隊」
獨協大学教授 佐藤 唯行 祖国再建への道筋を開く 英軍の一員、第1次大戦で活躍 ユダヤ人の中で祖国再建に邁進(まいしん)する者をシオニストと言う。シオニストにとり好機到来となったのが第1次大戦だ。ドイツ・オーストリアと…
日本人母子の権利を守れ
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 日米地位協定の改定を 人道上の責任ある両国政府 1951年に締結された日米安全保障条約の改定版(「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」…
減速する中国海軍の空母建造
元統幕議長 杉山 蕃 艦載機開発遅延が原因か 増強の柱、強襲揚陸艦に変更も 昨年は、米中摩擦・英国の欧州連合(EU)離脱をはじめ大国の国益の根幹に関わる動きがあり、世界経済もその成り行きに右顧左眄(さべん)するところ大…
百害あって一利ない習主席「国賓」
拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ 孤立する中国救うことに 抗議活動の一層の拡大を期待 2019年は日本にとって新しい年号の下、新しい天皇が即位され、大変おめでたい年となり、国内外がお祝いし、歴史に残る慶事…
躍進めざましい宇宙ビジネス
慶應義塾大学大学院教授 青木 節子 画像提供やデブリ除去 国際安保の在り方にも変化 民間宇宙活動の躍進がめざましい。これまで成長産業といわれながらも、宇宙産業は、通信衛星運用を除くと、政府、特に防衛関係部門の需要なしに…
酷似する英米の環境と挑戦
アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき 虚言・暴言多い両指導者 減税や移民排除で支持を獲得 英国総選挙は保守党の大勝、労働党の大敗に終わった。これで英国は来月末には欧州連合(EU)をやっと離脱する。こ…
2020年の日本外交を展望する
元日朝国交正常化交渉日本政府代表 遠藤 哲也 日米同盟強め中国牽制を 対北も米韓との緊密協力必要 2019年も相変わらず、激動の年であった。海図のない、不安定な世界であったが、日本外交は何とかやってきたというより、良く…
パステルナーク事件の真相
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 「反ソ的」と『ジバゴ』発禁 フルシチョフは回想録で後悔 ソ連の詩人兼作家ボリス・パステルナークの名前を知らなくても、『ドクトル・ジバゴ』というタイトル名は今なお、人口に膾炙(かいしゃ)…
日本軍はノモンハンでいかに戦ったか
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 甚大だったソ連軍の損害 スターリンが「大勝利」と喧伝 今年はノモンハン事件から80年目となる。そのため、ノモンハン事件に関連する書籍が数多く出版されている。10月7…
習近平主席の空軍重視の含意
拓殖大学名誉教授 茅原郁生 宇宙戦力化加速する中国 国土防空型から攻防兼備型へ 中国人民空軍は今秋、創設70周年を迎え、その記念行事として習近平国家主席は統帥の根源たる中央軍事委員会の全メンバーを従えて中国空軍博物館を…
ウイグル人権法案と米国の現在
東洋学園大学教授 櫻田 淳 対中強硬姿勢を継続へ 連邦議会は「孤立主義」採らず 去る9月中旬、米国連邦議会上院は、マルコ・A・ルビオ(上院議員/共和党、フロリダ州選出)とロバート・メナンデス(上院議員/民主党、ニュージ…
増え続ける「いじめ」の病理現象
メンタルヘルスカウンセラー 根本 和雄 改めて教育の本質を問う 心と心の交流で人格を陶冶 全国の小中高などが2018年度に認知した「いじめ」は、前年度比12万9555件(31%)増の54万3933件で過去最多と最悪の状…
経済政策の戦略を転換せよ
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 供給能力の停滞克服を 財政出動し技術革新を促進 安倍晋三氏の総理在任期間が、憲政史上最長となった。長く総理を務めることによって、国際政治における日本の存在感が高まったこと…
小規模シンクタンクに支援を
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 価値ある独立性と柔軟性 組織化で生まれる相乗効果 シンクタンクの重要性や、官僚機構に代わる市民団体の拡大について、過去25年ほどの間、検討されてきたが、日…
ロシアのインターネット主権法
ロシアは外国とのインターネット通信を遮断・制限するとした「インターネット主権法」を11月1日に発効した。ロシア側は外国からのサイバー攻撃やテロ活動に対する有事の際の防止策だと説明している。この背景には2018年9月に採…
空と海から日本に牙むく北朝鮮
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 安倍首相を激しく罵倒 金委員長こそ“戦争気違い” 11月末に韓国に「韓国政府が脱北船員を秘密裏に強制送還した」事件を調べに行ってきた。ところが韓国入りした25日に北朝鮮の金正恩委員長は…
中華民国の台湾移転70年を寿ぐ
平成国際大学教授 浅野 和生 大陸中国との分離は幸運 自由と民主主義定着した台湾 「中共に渡すよりも 台灣は日本に還せ」とアメリカ上院外交委員長のトム・コナリー上院議員が語った、とは1949年12月31日の読売新聞夕刊…
難問山積の対北朝鮮外交
元日朝国交正常化交渉日本政府代表 遠藤 哲也 非核化交渉、米国支援を 拉致解決には首脳会談不可避 日本の対北朝鮮外交の中長期目標は国交正常化である。その大筋は2002年9月の小泉純一郎総理(当時)の訪朝の際の日朝平壌宣…