オピニオン
上半期の安倍外交を振り返る
日本国際問題研究所特別研究員 遠藤 哲也 日米同盟強め対中牽制を 冷静な対応必要な日韓関係 今年の上半期を振り返って、下半期の見通しを述べてみたい。結論を先に言えば、安倍外交は長期安定政権を基礎に、かつ総理自身の積極的…
「トンネルの岸田」の真骨頂、信頼が厚く遠からず出番も
いつものことながら参院選を控えた通常国会の会期末は荒れる。選挙を有利に運ぼうとする政党の思惑が激突するからである。それに刺激されるわけではあるまいが、熱い熱い全国高校野球が始まる。球児たちの純粋なプレーは、浮き世の憂さ…
中朝首脳会談、今度は習氏に仲介させるのか
中国の習近平国家主席が就任後初めて北朝鮮を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。正恩氏は2月に行われた2回目の米朝首脳会談が決裂した後、米国から制裁緩和を引き出すための交渉再開にメドをつけられずにいた。後ろ盾となる…
フォークランド紛争と尖閣諸島
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 日本はサッチャーに学べ 信念を持って対処した英首相 筆者は読書が好きで、楽しむだけでなく仕事である学術目的で数多くの本を読んでいる。中でも、伝記や回想録は…
沖縄慰霊の日、平和維持の誓いを新たに
沖縄県はきょう「慰霊の日」を迎え、糸満市摩文仁の平和祈念公園において「令和元年沖縄全戦没者追悼式」を開催する。第2次世界大戦末期の沖縄戦などで約20万人が犠牲になった。国民一人ひとりが哀悼の祈りを捧(ささ)げ、御霊を慰…
揺らぐ米中軍事バランス 抑止力強化は待ったなし
《 記 者 の 視 点 》 米国防副長官を2014年から17年まで務めたロバート・ワーク氏と言えば、オバマ前政権で中国とロシアの軍拡に対抗するため、「第3の相殺(オフセット)戦略」を打ち出したことで知られる人物だ。 …
新米国務次官補、中朝への対処で政権支えよ
米政府の重要ポストである東アジア・太平洋担当の国務次官補に、デービッド・スティルウェル退役空軍准将の起用が決まった。 中国の海洋進出強化、北朝鮮の核・ミサイル開発の継続などで緊張が高まる中、東アジア政策に関する事務レ…
「元気と存在感」与える道徳授業
答えは一つじゃない 札幌市立北野台中学校教諭 磯部一雄氏に聞く 今年度から全国の公立中学校で新しい学習指導要領による「道徳科」としての授業が始まっている。これまで導入のための準備期間があったものの、正式科目として順風満…
携帯違約金、料金引き下げへ知恵絞れ
総務省の有識者会議が、携帯電話の2年契約を途中で解約する際の違約金上限を1000円に引き下げることで一致した。これを踏まえ、同省は改正電気通信事業法の省令改正案をまとめ、今秋の法施行を目指す。 携帯大手3社は「縛り」…
「イランの攻撃は続く」ボルトン補佐官警告
代理組織使い関与隠蔽 ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者(ビル・ガーツ)とのインタビューで、イランが、精鋭部隊「革命防衛隊」や影響下にある武装勢力を使って、ペルシャ湾岸での緊張を高めていると主張、米国は緊…
今こそ財政政策が前に出よ
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 景気後退のリスク回避を 一層の金融緩和は困難な状況 米中貿易戦争の関税引き上げ合戦の影響を受けて、各国のグローバル企業は、原料・部品の調達先、製品の製造拠点、その輸出先な…
党首討論、年金の危機感共有し対処せよ
通常国会で1年ぶりとなる党首討論が行われ、主に年金問題に焦点が当てられた。しかし、参院選の争点化を意識するあまり、不安を強調する野党側と無難に切り抜けようとする安倍晋三首相の議論は噛(か)み合わず、各党首の選挙第一声の…
民泊法1年、健全営業で訪日客増やしたい
旅行者らに住宅を有料で貸し出せる住宅宿泊事業法(民泊法)の施行から1年を迎えた。 政府は2020年に訪日外国人旅行者を4000万人に増やす目標を掲げ、宿泊の受け皿づくりを進めている。民泊はホテルなどに比べ宿泊料が安く…
安保問題に進んだ米中角逐
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 内政課題に縛られる中国 求心力強化狙い台湾侵攻も 米中間の角逐激化は止どまるところを知らず、収束の目途は立っていない。米中角逐は貿易摩擦から端を発したが、米国の貿易赤字解消を越えて安全保障…
最新SLBM実験、中国が米を「威嚇」
極超音速兵器を搭載か 中国は最新の長距離潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「巨浪3(JL3)」の発射実験を行った。シャナハン米国防長官代行が前日にシンガポールの「アジア安全保障会議」で南シナ海での中国の活動を非難してお…
交番襲撃、警官と拳銃守る手だて早急に
大阪府吹田市の交番で巡査が刺され拳銃が奪われた事件で、大阪府警は職業不詳の男=東京都品川区=を逮捕し、所持していた拳銃を押収した。 昨年から交番を襲撃する事件が相次いでいる。交番の警察官を守るとともに、拳銃の強奪を防…
先行き暗い金正恩体制
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 準備不足で米朝会談強行 失敗の責任、部下に押し付け 先月初旬、恒例としている年に数回ほどの「北朝鮮情報収集」と「北朝鮮グッズ収集」のためソウルに行った。定宿としている市内中心部にあるホ…
G20環境相会合、日本がリードし問題解決を
長野県軽井沢町で開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合が閉幕した。採択された共同声明では、海洋プラスチックごみ削減へ各国が協調して取り組む国際枠組みの創設や、エネルギー安全保障の重要性が確認された…
ユダヤ系兵站の黄金時代
獨協大学教授 佐藤 唯行 17~18世紀に墺独で活躍 川船の大船団造り物資搬入も 兵站(へいたん)とは戦闘部隊のために軍需品の補給などを担当する軍の後方支援集団だ。兵站を軽んじた旧日本軍と異なり、欧州の軍隊は昔からそれ…
留学生所在不明、国と大学は在籍管理徹底を
東京福祉大(東京都豊島区)の外国人留学生が所在不明になった問題で、文部科学省と出入国在留管理庁は、不明留学生は2016~18年度で計1610人に上るとする調査結果を公表した。 この問題は不法残留者の増加につながるもの…
「多様な性」の実体 ゲイ相手「3桁」の無秩序
《 記 者 の 視 点 》 動物行動学研究家の竹内久美子氏が今年3月末、『フレディ・マーキュリーの恋』(文春新書)を上梓(じょうし)した。副題は「性と心のパラドックス」。 英国のロックバンド「クイーン」のボーカルで、…
首相イラン訪問、緊張緩和へ日本の力生かせ
イラン情勢をめぐって緊張が高まっている。イラン核合意に関する米国とイランの対立が根底にあり、イラン、米国双方と関係が良好な日本の強みを生かし、日本の外交をアピールする好機だ。 米大統領の意向伝える 安倍晋三首相はイラ…
漂泊の俳人・尾崎放哉と西田天香
「路頭」生活にひかれた放哉 燈影学園長 相 大二郎氏に聞く 「咳をしても一人」で知られる漂泊の自由律俳人・尾崎放哉(本名・秀雄)の命日に当たる4月7日、終焉(しゅうえん)の地、香川県土庄町にある放哉ゆかりの小豆島霊場5…