「イランの攻撃は続く」ボルトン補佐官警告
代理組織使い関与隠蔽
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者(ビル・ガーツ)とのインタビューで、イランが、精鋭部隊「革命防衛隊」や影響下にある武装勢力を使って、ペルシャ湾岸での緊張を高めていると主張、米国は緊張の緩和へイランの指導者らと話し合う用意があるが、挑発に対しては必ず報復すると警告した。
ボルトン氏は、米情報機関が1カ月ほど前から、革命防衛隊傘下のクッズ部隊などイランの代理組織が中東と南アジアで攻撃を計画している可能性を指摘していたこと明らかにした。
「情勢は非常に不安定化している」と強調、米政府が発表した中東への米軍の追加派兵について「『国家安全保障戦略』でイランは4大脅威の一つとされている。そのため、米国人、米国の施設、国際原油市場を脅かすような活動を阻止する能力を備えておく必要がある」と述べた。
ボルトン氏は、イランの挑発について「クッズ部隊、情報機関の工作員だけでなく、代理組織であるイラクのシーア派民兵、イエメンのフーシ派の危険性に強い懸念を抱いている」としたうえで、「紅海の通商路、サウジアラビア、イラクの米兵や施設、アラビア海、オマーン湾、アフガニスタンなどへの脅威になっている」と警告、クッズ部隊とイラン情報機関が、イラン当局の関与を隠蔽し、これらの標的を攻撃する計画を立てていることを示唆した。
インタビューを行ったのは、ホルムズ海峡付近で日本などのタンカーが攻撃を受ける2日前。米中央軍は、攻撃受けた日本のタンカーの船体から機雷を取り除く革命防衛隊の船とされる動画を公表した。
中央軍のウルバン報道官は、攻撃現場の付近に、巡視艇、高速攻撃艇など複数の革命防衛隊の船舶がいたと指摘、機雷除去作業を行っていたのは「革命防衛隊のガシュティ級巡視艇」だと主張した。
ボルトン氏は、トランプ政権のイラン政策について、「北朝鮮との交渉と同様、核と受け入れられない活動を放棄すれば、今後のことについて話し合う用意がある」と述べた。
また、イランの支援を受けた攻撃の脅威は「間違いなく」続くとして、代理組織による攻撃の可能性を示唆。「挑発のためのさまざまな準備」が進められていると述べ、イランの関与が疑われる民間船舶への攻撃、サウジのパイプラインや米大使館へのロケット砲による攻撃は続くと警戒の必要性を強調した。
イランをめぐる緊張が高まったのは、トランプ氏が昨年、イラン核合意からの離脱を表明してから。離脱に続いて米政府は経済制裁を再開、イランは反発を強めている。