オピニオン
新米国務長官、北への警戒緩めず会談準備を
トランプ米大統領はティラーソン国務長官を解任し、保守強硬派のポンペオ中央情報局(CIA)長官を後任に指名した。 5月までに行う意向の米朝首脳会談に「最大限の圧力」を維持したまま臨み、妥協しない姿勢を鮮明にした形だ。 …
自民9条改正案、「必要最小限度」は首肯し難い
自民党の憲法改正推進本部は9条について、戦力不保持を規定した2項を残して「必要最小限度の実力組織」として自衛隊を明記するという執行部案を発表した。 わが国の防衛力をめぐっては、「必要最小限度」との限定が過去に多くの支…
児童虐待、他の家の出来事と思うな
家庭内で起きる虐待によって幼き命が奪われる事件が、後を絶たない。全国の警察が昨年1年間に児童相談所(児相)に通告した子供の数が初めて6万人を超え、そのうち58人が亡くなった。 警察からの通告6万人超 「社会的関心の高…
サリン事件から23年 変わらぬ危機管理音痴
日本人の非合理的発想 この3月21日で地下鉄サリン事件から23年になる。世界でも珍しい特殊なテロ事件を経験した日本で、その後に何かが変わっただろうか? 例えば東京メトロは全ての駅に駅員の数だけ防毒マスクを配布すること…
明治の国づくりと神道、不可欠だった精神的支柱
生田神社名誉宮司 加藤隆久氏に聞く 明治維新150年の今年、明治の国づくりへの関心が高まっている。そこから、今の日本を見直そうとの思いもあろう。そこで、明治の国づくりと神道について加藤隆久・生田神社名誉宮司に伺った。 …
辺野古移設、不毛な法廷闘争はもうやめよ
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、岩礁破砕許可を得ずに国が埋め立て工事を進めるのは違法として県が工事差し止めを求めた訴訟で、那覇地裁は県の請求を却下し、差し止めの仮処分の申し立ても退けた。 …
人口減少は安全保障にも打撃
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 自衛隊の兵力維持困難に 給料増や最新技術でも補えず 日本では、少子化および高齢化の両方の問題が進んでおり、先進国の中で最も深刻だ。実は日本は「超高齢化社会…
18歳成人法案、社会的責任を自覚する教育を
政府は成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案を閣議決定、飲酒や喫煙の禁止年齢を20歳未満に据え置くなどの関連法案22本と合わせて今国会に提出した。 2022年4月1日からの施行を目指すが、ほとんどが高校在学…
公文書書き換え、信頼損なう言語道断の行為だ
公文書は「国民共有の知的資源」であり、書き換えは行政への信頼を大きく損なう。言語道断の行為だ。 森友問題で財務省書き換え 書き換えが確認されたのは学園への「売払決議書」「貸付決議書」など計14件で、変更は計200カ所…
北の偽装平和戦術は不変
北朝鮮の積極的な融和姿勢は、国際社会の制裁と米軍戦力の最大の圧力が効果を発揮していることの証である。北朝鮮は住民の生活難による不平不満が爆発することへの恐れから融和路線に舵(かじ)を切ったと考える。 73年間の金王朝…
台湾アイデンティティーに陰り
平成国際大学教授 浅野 和生 背景に習近平政権の圧力 当局のネット管理に不安抱く 旧正月の行事が続く2月24日、台北郊外にある道教の古刹(こさつ)、指南宮に初詣(はつもうで)をした馬英九元総統(大統領)に新聞記者が「あ…
主席任期撤廃、危惧を禁じ得ない権力集中
中国で開催されている全国人民代表大会(全人代)で、2期10年と定められてきた国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正案が可決された。 これによって習近平主席が権力を集中させたまま、2期目を終える2023年以降も3選はおろ…
プーチン氏4選の露大統領選
ロシア研究家 乾 一宇 有力対抗馬なく当選確実 反政府ブロガーは棄権呼び掛け 18日は、ロシアの大統領選挙の日である。これまでの大統領選や下院選などを振り返りながら、今回の大統領選の見所を考えてみたい。 最初に取り上…
地域包括ケア、「家族支援」の視点を忘れずに
4月に診療報酬と介護報酬が同時改定され、病院での入院中心から、地域の身近な「かかりつけ医」の機能を強化し、介護サービスと連携して「生活を支える医療」への転換を目指す。住み慣れた地域で暮らし続ける「地域包括ケアシステム」…
豪GBRと震災復興の類似性
東京財団上席研究員 小松 正之 海と陸の生態系は一体 サンゴ死滅、サケ漁獲量急減 日本人にも新婚旅行先としてなじみの深い豪州グレートバリアリーフ(GBR)は全長2300キロ、総面積が34万8000平方キロに及び、ほぼ日…
東日本大震災7年、「復興」から「新しい東北」へ
1万8000人を超える死者・行方不明者を出した東日本大震災から7年目を迎えた。7年前のきょう受けた衝撃と悲しみが、よみがえってくる。犠牲となった人々に鎮魂の祈りをささげるとともに、復興の現状とこれからの東北と日本に思い…
米朝首脳会談へ、北に時間稼ぎをさせるな
トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談に5月までに応じる意向を示した。正恩氏はトランプ氏へのメッセージの中で「直接会い、話をすれば大きな成果を出すことができるだろう」と述べたという。 国際社会…
平昌五輪後の国際関係 トランプ外交に対抗する中露
北朝鮮化の方策を選択 日本選手たちの華々しい活躍がわれわれの目を楽しませてくれた半面、南北融和の演出が繰り返された平昌五輪も閉幕し、いよいよ国際関係が小康状態を抜け出してきた。 まず、アメリカのトランプ政権が打ち出し…
主役だけじゃなく脇が大事 没後20年、黒澤明監督
(株)黒澤エンタープライゼズ元専務 渡辺清也氏に聞く 黒澤明とジブリに浮世絵――。この三つはじっくり勉強しとかないと外国で恥をかく。とりわけ黒澤明監督に関しては外国人の方がよく知っているほどだ。「世界のクロサワ」となっ…
孔子学院、中国のスパイ活動を警戒せよ
中国政府は「ソフトパワー」戦略の柱として、中国語や中国文化を教え、普及する「孔子学院」を海外の大学などに設立して後援している。 だが米連邦捜査局(FBI)は、孔子学院が米国内でスパイ活動に関わっているとして調査を進め…
中国が空中発射弾道ミサイル開発
国防情報局長官が証言 中国は、車載式、サイロ固定式ミサイルに加えて、爆撃機に搭載する核弾道ミサイルの開発を進めている。国防情報局(DIA)のアシュリー長官が6日、上院軍事委員会で中国の空中発射ミサイルに関して異例の証言…
スリーパーセルの知られざる脅威
1904年、日露戦争の開戦後、中立国スウェーデンに本拠地を移したロシア駐在武官、明石元二郎大佐(当時)はレーニンを包摂して帝政ロシアに送り込み、ストライキやサボタージュなどの工作活動を通して厭戦(えんせん)気分を増大さ…