Viewpoint
社会主義退治した英ユダヤ人
獨協大学教授 佐藤 唯行 サッチャー支えた閣僚ら 自助の思想で経済改革を実行 1970年代、英国は限りなく社会主義に近い国だった。人々の暮らしに関わる大企業は国営で、不振に陥っても潰(つぶ)れる心配はなかった。労働者は…
中国に泣き付いた金正恩氏
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 米の会談受諾は予想外 考えづらい「核の完全放棄」 北朝鮮の金正恩労働党委員長が慌ただしく動き回っている。1月1日の「新年の辞」で「南北融和」路線を打ち出し、「平壌オリンピック」と揶揄(…
資料の管理は史料の保存だ
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 国益損ねる処分や改竄 「知る権利」は民主主義の柱 昨今、財務省の文書改竄(かいざん)問題で、政治と行政の関係のみならず、資料の保管の在り方をめぐる議論が湧…
露の異質性示す元スパイ襲撃
平成国際大学教授 浅野 和生 北の日本人拉致に通底 対露制裁に乗り遅れた日本 3月16日のメイ英首相によるロシア外交官23人の追放発表に続いて、26日にはアメリカが、ニューヨークのロシア国連代表部の12人を含む外交官6…
戦力・交戦権奪われる謂れなし
大月短大名誉教授 小山 常実 戦争仕掛けられた日本 改憲しても国防の危機継続 3月25日、自民党は党大会を開き、第9条第2項を護持し、第9条の2を新設して自衛隊保持を明記する「日本国憲法」改正案を確認した。しかし、私は…
日本の外交はどうあるべきか
元在ウィーン国際機関日本政府代表部大使・元駐ニュージーランド大使遠藤 哲也 国際協力と協調推進を 中長期的な目標設定が必要 このような大上段に構えたテーマについて意見を述べるには、いささかじくじたる気がするが、筆者は5…
中国の軍事活動への対応
元統幕議長 杉山 蕃 対艦誘導弾の充実図れ 射程延伸と監視網の統合を 平昌五輪パラリンピックが無事終了し、この間、北朝鮮の両大会への参加を契機として、南北対話さらに米朝首脳会談の機運が醸成され、これに備えて北朝鮮の金正…
天皇と憲法について考える
哲学者 小林 道憲 慣習や法にこそ主権存在 統治権の総攬者としての天皇 来年は、天皇の代替わりがある上に、憲法の問題も議論されているので、憲法上の天皇の地位などについて考えてみたい。 「日本国憲法」第1条では、よく知…
習近平終身国家主席の行く末
拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ 絶対的権力は両刃の剣 一党独裁よりも脆い独裁者 メディアでは中国の習近平が終身国家主席(大統領)になったというニュースを大々的に報道し、否定的に見ると同時に危険視している…
国務長官交代と米外交・安保
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 強硬姿勢で政策統一へ かじ取り迫られる国防長官 レックス・ティラーソン米国務長官は昨年後半から「歩く亡霊」といわれてきた。トランプ大統領と政策も人格的にも合…
9条改正、自衛隊明記の意義
弁護士 秋山 昭八 「国防」「安保」の規範盛る 「権力不信」が前提の現行憲法 世論調査によれば、災害時の自衛隊の活躍や北朝鮮・中国脅威論から、自衛隊の存在自体に対しては国民の8割以上が必要性の認識を持っているといわれて…
シリア内戦いまだ終わらず
東京国際大学名誉教授 渥美 堅持 補給能力持つ反政府勢力 伝統的な物流システムを維持 今やその複雑性ゆえに世界の関心を買っているシリア内戦は開始から7年目を迎えた。犠牲者約35万人以上、難民として国外に脱した者約500…
独連邦軍の戦略的予測2040、最悪シナリオはEU崩壊
日本大学名誉教授 小林 宏晨 多極間競争や二極化再現も ドイツ・シュピーゲル誌第45号(2017年11月4日)によれば、ドイツ連邦軍の研究グループは、連邦軍誕生以来初めて40年までの社会的・政治的傾向がなかんずくドイツ…
元露スパイ暗殺未遂の波紋
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 英露関係一気に冷却化 娘が露から持参した品に毒か 英南西部ソールズベリー中心部のショッピングセンター前のベンチで4日午後4時ごろ、初老の男性と若い女性が意識不明で倒れているのが発見され…
増額続ける中国の国防予算
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 危機感と対抗心強める米 米中核軍拡競争を招く恐れ 中国では、第13期全国人民代表大会(全人代)の第1回会議が5日に北京で開幕し、李克強首相による政府活動報告では国家運営に当たり改革と成長の…
人口減少は安全保障にも打撃
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 自衛隊の兵力維持困難に 給料増や最新技術でも補えず 日本では、少子化および高齢化の両方の問題が進んでおり、先進国の中で最も深刻だ。実は日本は「超高齢化社会…
台湾アイデンティティーに陰り
平成国際大学教授 浅野 和生 背景に習近平政権の圧力 当局のネット管理に不安抱く 旧正月の行事が続く2月24日、台北郊外にある道教の古刹(こさつ)、指南宮に初詣(はつもうで)をした馬英九元総統(大統領)に新聞記者が「あ…
プーチン氏4選の露大統領選
ロシア研究家 乾 一宇 有力対抗馬なく当選確実 反政府ブロガーは棄権呼び掛け 18日は、ロシアの大統領選挙の日である。これまでの大統領選や下院選などを振り返りながら、今回の大統領選の見所を考えてみたい。 最初に取り上…
豪GBRと震災復興の類似性
東京財団上席研究員 小松 正之 海と陸の生態系は一体 サンゴ死滅、サケ漁獲量急減 日本人にも新婚旅行先としてなじみの深い豪州グレートバリアリーフ(GBR)は全長2300キロ、総面積が34万8000平方キロに及び、ほぼ日…
米福音派の使徒、ペンス氏
獨協大学教授 佐藤 唯行 トランプ政権との仲介役 信仰に基づきイスラエル擁護 1月22日、米副大統領マイク・ペンスはイスラエル国会で米中東政策の基本路線を覆す画期的な演説を行った。それは現在テルアビブに置かれている米大…
チベットで続く宗教弾圧
拓殖大学国際日本文化研究所教授 ペマ・ギャルポ 寺院火災の真相隠す中国 僧院宿舎破壊し僧侶削減も 今回は中国共産党支配下のチベットと信仰に関する出来事についてご報告したいと思う。第1に取り上げたいのは2月17日夕方6時…
平昌五輪後の朝鮮半島情勢
元統幕議長 杉山 蕃 毅然たる態度示した米 北は困窮の度深め打つ手模索 平昌五輪も盛会裏に無事終了し、誠に結構なことと考えている。北朝鮮の直前の合同チーム参加に関係する政治的な動き、軍事パレード等、話題を呼んだ情勢もあ…