Viewpoint
激化の一途たどる米中角逐
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 台湾問題に飛び火の恐れ 危機回避へ冷静な外交努力を 昨年から始まった米中貿易戦争は、コロナ禍の拡大にもかかわらず、激化の一途をたどっている。現に米中角逐は、先端科学技術や海洋における軍事的…
たばこポイ捨て対策は課税強化で
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 吸い殻が最大のごみ問題 海洋に流出される有害物質 コロナ禍にあって自宅で過ごす時間が多くなり、健康管理のため近所を散歩する人たちが増えている。筆者もその中…
中国に共産主義体制変革促す米政権
平成国際大学教授 浅野 和生 「超限戦」真っ只中の米中 周到だった一連の米閣僚演説 トランプ米政権の対中国政策の発表は、実に周到だった。 5月28日に中国の全国人民代表大会が、香港「一国二制度」の弔鐘を鳴らす「国家安…
デジタル通貨から考える貨幣の本質
ここ10年ほどの間、ウェブのネットワーク上で電子的決済手段として流通しているデジタル通貨の発達には目覚ましいものがある。「Suica(スイカ)」や「PayPay(ペイペイ)」などの電子マネーはデジタル変換された支払い手…
文科省の高校普通科再編案に苦言
NPO法人修学院院長 久保田 信之 上意下達という常套手段 特権意識なくならぬ文部官僚 文部科学省が、高校生の7割が在籍する高校普通科を再編し、文系・理系などの枠組みを超えた「学際融合学科(仮称)」と、地域社会の課題解…
多様多層的な中国経済スパイ
日本安全保障・危機管理学会上席フェロー 新田 容子 あらゆる製造業を標的に 大学院生や研究者も工作員 次世代通信規格「5G」を含む次世代テクノロジーや、新型コロナウイルス感染症のワクチン研究関連の情報、知的財産の窃盗を…
反政権デモで揺れるロシア極東
中国国境近くにある人口約60万のロシア極東の都市ハバロフスクと言えば、ソ連時代の閉鎖都市で軍港だったウラジオストクと並んで、歴史的にも日本と深い関係がある。帝政ロシア時代、約600人の日本人居留民が同地に滞在するなど日…
イージス・アショア計画停止に思う
元統幕議長 杉山 蕃 6月15日、防衛省は難航していた弾道弾迎撃用「イージス・アショア(以下AA)」システムの配備計画を停止し、事実上中止する旨、河野防衛大臣が発表、配置を予定していた陸自演習場が所在する秋田・山口両県…
コロナ禍で取り残された大学生
沖縄大学教授 宮城 能彦 対面授業求める悲痛な声 「遠隔」なら授業料一部返還を 新型コロナに関する情報が錯綜(さくそう)し、国民はもう何を信じていいのか分からない状態である。テレビは相変わらず危機感だけを助長して国民を…
視点を転換することの大切さ
名寄市立大学教授 加藤 隆 世界や社会の光景が一変 水平的見方から垂直的見方へ 自分の未熟談を晒(さら)すことになるが、私は以前に幼稚園と小学校の教師を数年ずつしていたことがある。幼稚園の新任の時、幼児たちの描いた絵を…
米共和党内の大統領再選阻止運動
アメリカン・エンタープライズ研究所客員研究員 加瀬 みき トランプ氏糾弾のCM次々 「憲法への誓い破った」と批判 トランプ米大統領の新型コロナへの認識の甘さや対応の失敗、黒人差別に始まった差別抗議運動が広まる中での差別…
ポンペオ米国務長官声明の意味
東洋学園大学教授 櫻田 淳 米中確執、新たな次元に 問われる日本の「多国間協力」 米中確執は、新たなフェーズに入った。「ロイター通信」記事(7月14日配信)が伝えたところに拠れば、7月13日、マイク・ポンペオ(米国国務…
令和2年7月豪雨と防災体制の脆さ
拓殖大学防災教育研究センター長・特任教授 濱口 和久 感染症流行時の対策急務 通信のバックアップも不可欠 最近、気象庁の予報官が行う会見で、よく耳にするのが「50年に1度のこれまでに経験したことのない大雨が降る恐れがあ…
沖縄県議選の総括と提言
OKINAWA政治大学校名誉教授 西田 健次郎 12年前の「悪夢」が再現 明確にすべき外交・防衛の理念 伊是名島の後輩で、頭の切れがよく、政治理念がブレない有為な政治家、山川典二候補の再選を図るべく、筆者は老体に鞭(む…
「核野放し時代」到来の懸念
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 進まぬ米露の核管理交渉 中国参加必須だがジレンマも コロナ禍のパンデミックは世界で1400万人以上に感染し、死者は60万人を超え、7月1日には米国だけで1日5万人感染の記録など拡大の一途を…
承認された「プーチン憲法」
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 「領土の割譲禁止」を明記 対露交渉見直し迫られる日本 7月1日まで1週間行われていたロシア憲法改正の是非を問う全国民投票の開票率100%の結果、賛成が77・92%に上った。反対票は21…
「子供の拉致国家」の汚名返上を
麗澤大学大学院特任教授 高橋 史朗 抜本的な制度改革が必要 離婚後の「共同親権」を認めよ 欧州連合(EU)欧州議会本会議は7月8日、日本での親による子供の連れ去りから生じる子供の健康や幸福への影響について懸念を表明し、…
ディズレーリの人種優越論
獨協大学教授 佐藤 唯行 政界の反ユダヤ主義に対抗 ロスチャイルド家と互酬関係に ベンジャミン・ディズレーリ(1804~81)はユダヤ出自の公職者の中で最も著名な人物だ。立身のため、表向きは英国国教会に改宗したとはいえ…
自律的景気後退とコロナ禍
鈴木政経フォーラム代表、経済学博士 鈴木 淑夫 19年初めから後退局面に コロナ重なりV字型回復困難 日本経済は、昨年10~12月期から本年4~6月期まで、3四半期連続のマイナス成長という厳しい落ち込みを経験した。しか…
高レベル横ばいの ロシアコロナ禍
ロシア研究家 乾 一宇 検査体制拡充し死亡者減 医療貧弱な地方で感染者増加 新型コロナウイルスの感染は、世界中に拡大し、とどまるところをしらない状態にある。このウイルスをいかに制御し、その被害を最小限にするかの方策は、…
コロナ後の日本再生は大学改革から
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 知的刺激が少ない国立大 日本型クォーター制の導入を 今からちょうど15年前、大阪大学大学院国際公共政策研究科の准教授だった筆者は、在外研究先の米ハワイ州オ…
韓国瑜・台湾高雄市長リコールの歴史的意義
平成国際大学教授 浅野 和生 脱中国化」へ向かう台湾 対中政策見直し迫られる国民党 台湾の高雄市長、国民党の韓国瑜に対するリコール投票(6月6日)の結果、罷免賛成票93万9090、反対票2万5051、圧倒的多数で市長罷免…
コロナウイルスと科学の重要性
新型コロナウイルスの世界の感染者数は1036万人に達した(7月1日:世界保健機関〈WHO〉)。死亡者数も50・8万人で、南北アメリカ大陸の感染者数が522万人と最も多く、中国や韓国は再度波を迎え、経済活動を早期に再開し…