社説
12月日銀短観 懸念される消費税増税の影響
懸念していた通りである。12月の日銀全国企業短期経済観測調査(短観)は、10月の消費税増税や台風19号の影響が幅広い業種で顕著に表れたことを示した。米中貿易摩擦の長期化で輸出が振るわない中、頼みの内需関連の業種にも増税…
英総選挙 離脱めぐる混迷に終止符
欧州連合(EU)離脱問題を最大の争点にした英国の総選挙は、ボリス・ジョンソン首相率いる保守党の圧勝に終わった。来年1月末のEU離脱が実現する見通しとなり、3年半にわたる混迷に終止符が打たれた。 「合意なき離脱」を回避 …
ネットと子供、知らない人と連絡取らせるな
大阪市住吉区の小学6年の女児が誘拐された事件では、インターネット交流サイト(SNS)の危険性が改めて浮き彫りとなった。 SNSを通じて女児誘拐 未成年者誘拐罪で起訴された35歳の男は、警察の調べに対し、女児とはSNS…
ゲーム障害 優先度下げる取り組みを
ゲームのやり過ぎで日常生活に支障を来す「ゲーム障害」に関する実態調査で、10代と20代の約12%が休日に6時間以上ゲームをしており、プレー時間が長い人ほど、学業・仕事への悪影響や心身の不調を感じながらゲームをやめられな…
五輪除外処分、ロシアはドーピングの根絶を
組織的なドーピングの疑いが持たれていたロシアに対し、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が深刻な違反があったとする調査結果を基に、東京五輪・パラリンピックを含む国際大会から4年間除外する決定をした。ロシアはスポーツか…
中村さんの遺志、平和なアフガンを諦めない
戦乱の地、アフガニスタンの平和と安定のために身命を捧(ささ)げて活動を続けてきた日本人医師で民間活動団体「ペシャワール会」現地代表の中村哲さんが殺害された事件は、日本や現地の人々に衝撃を与え深い悲しみに陥れた。 国連…
教員の働き方改革、授業に専念できる体制を
“過労死レベル”と言われ、長過ぎる公立学校の教員の勤務時間を繁忙期とそうでない時期に分け、年単位で調整する「変形労働時間制」の導入を柱とする改正教職員給与特別措置法が参院本会議で可決、成立した。各自治体の判断で2021…
NATO首脳会議 亀裂を深め中露の増長招くな
北大西洋条約機構(NATO)は英ロンドンで創設70年を記念した首脳会議を開き、同盟の根幹である集団防衛の義務を改めて確認する「ロンドン宣言」を採択した。 欧州で対中警戒感強まる 宣言には、対中国やサイバー防衛など時代…
習近平「総書記」、呼称変更の提言は理解できる
ポンぺオ米国務長官は10月、保守系シンクタンク、ハドソン研究所での演説で、中国の習近平国家主席の呼称を共産党の役職である総書記とした。 ポンペオ氏も演説で使用 米政府高官が習氏を国家主席の呼称で呼ばなかったのはこれが…
読解力低下、本や新聞熟読して能力向上を
「日本『読解力』急落15位」(読売)、「『読解力』続落、日本15位」(朝日)など教育関係者にはショッキングな見出しが躍った。経済協力開発機構(OECD)が79カ国・地域で15歳計60万人を対象に2018年に実施した「国…
新国立競技場 日本らしい五輪のシンボル
2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場(東京都新宿区)が完成した。 多くの木材を使用して暑さ対策に自然の風を生かすなど、日本らしい五輪のシンボルが誕生した。 47都道府県の木材を使用 新国立…
女川原発「合格」 政府は地元の理解を得よ
原子力規制委員会は、東北電力女川原発2号機(宮城県)について、再稼働の前提となる新規制基準に「適合している」とした審査書案を了承した。「事実上の合格」となる。 震災時に冷温停止に成功 2011年3月の東日本大震災で被…
豪の中国人スパイ、日本にとって人ごとではない
香港と台湾、オーストラリアで中国のスパイ活動に関わっていた男性が豪州への亡命を希望し、中国の政治干渉活動に関する膨大な情報を豪当局に提供していたことが明らかになった。 議会への浸透工作を証言 亡命を希望しているのは王…
北ミサイル発射、日米韓は連携を乱されるな
北朝鮮が日本海沿いの咸鏡南道・連浦付近から弾道ミサイルとみられる飛翔体2発を発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)の外側に落下させた。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が回避された直後の武力挑発で、北朝鮮…
中曽根氏逝去 冷戦終結に寄与し改憲に尽力
中曽根康弘元首相が逝去した。ご冥福をお祈りいたします。中曽根氏が残した業績は「戦後政治の総決算」を掲げて行政改革を断行したことと、憲法改正に尽力したことだ。また、日米同盟を再構築・強化し、米ソ冷戦終結に寄与した。 米S…
千葉虐待死検証 重責背負える体制整備を
「勇気を持って訴えた本児は、何としても守られるべきだったし、救える命であった」――。千葉県野田市の栗原心愛(みあ)さん(当時10歳)が親から虐待を受け死亡した事件で、県の検証委員会はこう結論付けた。 同居は困難と医師が…
国民投票法案 建設的でない野党の遅延戦術
憲法改正の手続きである国民投票法の改正は、立憲民主党などの野党が今国会の採決に応じないとする中で来月9日の会期まで2週間を切っており、日程的に厳しい状況になっている。同法案は継続審議になる見通しだが、昨年通常国会での提…
ローマ教皇来日、平和への揺るがぬメッセージ
ローマ教皇としては38年ぶりに日本を訪問したフランシスコ・ローマ教皇が4日間の滞在を終え帰国の途に就いた。滞在中に発したメッセージは、カトリック信徒だけでなく非信徒の日本国民の心にも深く刻まれるものだった。そこから日本…
香港民主派圧勝、選挙で示された民意の尊重を
香港の区議会(地方議会)選挙で、民主派は452議席中、85%の388議席を獲得し、歴史的な勝利を収めた。 香港の民意が示されたと言っていい。香港政府や背後の中国政府は、デモ隊を力ずくで抑え込むのではなく、行政長官選挙…
福井県職員に金品、非常識な対応を猛省せよ
関西電力の幹部らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から金品を受け取っていた問題で、弁護士らでつくる県の調査委員会は、退職者を含む県職員計109人が森山氏から金品を受領していたとする調査結果を公表した。 受領額は最…
GSOMIA延長、日米韓連携を強化する契機に
日米に阻まれ方針転換 韓国が8月に協定破棄を宣言して以降、日本と米国は破棄撤回を強く求めてきた。仮に破棄された場合、核弾頭を搭載した北朝鮮の各種弾道ミサイルが発射されるケースなど有事での情報収集力が低下し、深刻な事態を…
台湾総統選 中国への姿勢が問われる
来年1月11日の台湾総統選に、再選を目指す与党・民進党の蔡英文総統、最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長、野党・親民党の宋楚瑜主席(党首)が立候補を届け出た。実質的には蔡氏と韓氏の一騎打ちとなる。 中国にどのように向き…
香港人権法案 トランプ氏は早急に署名を
米議会は、香港の自治と人権を擁護するための「香港人権・民主主義法案」を可決した。 トランプ米大統領は、この法案に早急に署名して成立させ、香港の高度な自治を守る姿勢を強めるべきだ。 中国の介入への牽制狙う 法案は「一…