社説
年頭にあたって メディアは至高の「預言者」たらん
本紙主幹・黒木正博 2020年は、コロナに明けコロナに暮れた一年だった。いや、現実は本年をまたいで新型コロナウイルスの猛威は未(いま)だ収束が見えないでいる。 昨年はこうしたコロナ禍をどう捉え、対応していくか、これを…
20年の日本 コロナ禍が続く中の日常に
「ウイルスに年末年始はない」――。菅義偉首相が年末年始を前に感染防止の徹底対策を呼び掛けたように、文字通り今年は中国・武漢市に由来する新型コロナウイルスの感染拡大の防止に明け暮れた一年であった。 第3波の只中で年越し…
20年の世界 コロナ禍への反省なき中国
2020年は、中国・武漢発の新型コロナウイルスが猛威を振るった一年だった。全世界で8000万人以上が感染し、約180万人が死亡。経済にも大打撃を与えた。 一方、中国はコロナ禍の中でも香港への統制を強化し、覇権への野心…
静かな年末年始、ステイホームも悪くない
「静かな年末年始を過ごしていただきたい」――。菅義偉首相は記者会見で、国民にこう呼び掛けた。年末年始の休暇をどう過ごすかが、新型コロナウイルスの感染拡大を抑える上でカギとなる。正月の楽しみは減るが、静かに家族で過ごすこ…
英EU合意 脱グローバルへの影響注視を
英国とEU(欧州連合)が自由貿易協定(FTA)締結で合意し、「合意なき離脱」という最悪の事態は回避された。英国のEU離脱が今後、英国経済、EU統合、さらには脱グローバル化の流れにどう影響するかを注視していく必要がある。…
「天安門」外交文書 対中融和外交の蹉跌鮮明に
外務省がこのほど公開した外交文書で、天安門事件に関するわが国の融和外交の蹉跌(さてつ)が明らかになった。 サミットで制裁に反対 天安門事件は1989年6月4日、北京で民主化を求める多くの学生や市民を人民解放軍が虐殺し…
拉致問題 一日も早く被害者帰国実現を
北朝鮮による日本人拉致問題は、今年も大きな進展は見られなかった。9月に就任した菅義偉首相は、安倍晋三前首相に引き続き、拉致問題を「最重要課題」と位置付けている。一日も早く全ての拉致被害者の帰国を実現してほしい。 菅首…
中露機共同飛行 日米韓の再結束で極東を守れ
中国とロシアの戦略爆撃機が共同して日本海と東シナ海上空を飛行し、航空自衛隊、韓国空軍のそれぞれが戦闘機を緊急発進させた。極東で中露の軍事的な結び付きが強まっており、日本、韓国はそれぞれの米国との同盟関係を要に再結束を図…
来年度予算案 コロナ克服と経済に万全期せ
2021年度の政府予算案が決まった。規模を示す一般会計総額は106兆6097億円。前年度補正に続き、新型コロナウイルス克服に向けた対策費を盛り込み、当初予算段階で9年連続の過去最大更新となった。 コロナの影響もあって…
原発処理水 早急に海洋放出の決定を
東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、政府はいまだに海洋放出する方針を決定していない。 処理水が保管されている原発敷地内のタンクは、2022年秋にも満杯になる。早急に決定する必要があ…
敵基地攻撃能力 保有決定先送りの余裕はない
政府はミサイル防衛に関する閣議決定を行った。敵基地攻撃能力の保有をめぐっては「抑止力の強化について引き続き政府において検討を行う」との表現にとどめ、議論を先送りした。 しかし、先送りするだけの余裕があるのか。北朝鮮や…
工匠の技、後継者育て後世に伝えよう
長い歴史の中で継承されてきた「工匠の技」の普遍的な価値が認められた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、日本の「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」を無形文化遺産に登録することを決めた。われわれ日本人…
米国と台湾 来年以降も緊密な連携を
米国はトランプ政権発足後、中国との新冷戦の激化を受け、台湾への積極的関与を進めてきた。中国の膨張主義に対抗する上で、米国には来年以降も台湾との緊密な連携が求められる。 トランプ政権で協力加速 トランプ大統領は201…
各国海軍派遣、中国懸念する国際社会の抗議
インド太平洋地域へ主要各国が海軍を派遣し、公海自由の原則など海洋秩序の維持に向けたデモンストレーションを強めている。中国の海洋進出を念頭に共同訓練を行っている日本、米国、インド、オーストラリアに加え、英国、フランス、カ…
座間事件判決 SNSの危険教育が必要だ
人生に悩みを抱える若者の弱みに付け込み、自分の快楽のために9人を次々と殺害した「犯罪史上、まれに見る悪質な犯行」だった。座間9遺体事件の背景、とりわけSNS(インターネット交流サイト)利用に潜む危険性を教育現場で若年層…
12月日銀短観 景況感改善の鈍さ浮き彫りに
足元の景況感は製造業、非製造業とも大企業から中小まで改善したが、先行きは新型コロナウイルス感染の再拡大で不透明感が増しており、非製造業では悪化を見込む――。12月の日銀短期経済観測調査(短観)が示す企業の景況感である。…
大麻検挙最多、恐ろしさ伝え乱用撲滅を
法務省が公表した2020年版の犯罪白書によると、19年の大麻取締法違反の検挙数は前年比21・5%増の4570人と過去最多を更新した。 このうち20代以下の若者が半数以上を占める。若者に大麻の恐ろしさを伝え、蔓延(まん…
水虫薬患者死亡、あまりにもずさんな安全管理
製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)の「爪水虫」などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入していたことが分かった。 服用後に死亡した事例が生じたほか、健康被害に関する報告が既に100件以上寄せられている。薬の安全性への信頼…
日本学術会議 共産党の浸透を排除せよ
日本学術会議に関する自民党プロジェクトチーム(PT)は、学術会議の在り方について「独立した新たな組織として再出発すべきだ」とした提言案をまとめた。 学術会議は日本共産党による長年の浸透工作の結果、左派の学者が影響力を…
北方領土軍事化、対米警戒を言い訳にするな
ロシアが北方領土の択捉島に地対空ミサイル「S300V4」を実戦配備した。 加藤勝信官房長官が「わが国の立場と相いれず、受け入れられない」と述べたのは当然だ。北方領土は日本固有の領土であり、ロシアが軍事拠点化を進めるこ…
コロナ禍1年、発生源否定の中国は本末転倒
中国湖北省武漢市で新型コロナウイルス感染初期の患者が確認されてから、8日で1年が経過した。世界的流行(パンデミック)を引き起こし、洋の東西を問わず各国で外出制限などの非常事態措置が取られ、世界中の人々の暮らしや経済に大…
鳥インフル拡大、迅速な対応で封じ込めよ
国内の養鶏場としては先月、2年10カ月ぶりに発生した高病原性鳥インフルエンザの感染が広がっている。 殺処分される鶏は200万羽以上に達し、過去最多となる見通しだ。養鶏農家はもちろん、国や自治体は警戒を強める必要がある…
はやぶさ2 日本の宇宙探査の真骨頂示す
小惑星「りゅうぐう」の試料が入っているとみられるカプセルが、探査機「はやぶさ2」から分離され、計画通りにオーストラリア南部の砂漠に着地して宇宙航空研究開発機構(JAXA)により無事回収された。6年に及ぶサンプルリターン…