社説
WHO武漢調査、中国は初期データを開示せよ
新型コロナウイルスの発生源解明のために中国湖北省武漢市で現地調査を行った世界保健機関(WHO)調査団の専門家などから、中国に対し武漢で感染が確認された初期の詳細なデータの開示を求める発言が相次いでいる。 武漢での感染…
国内景気 依然見通せない本格回復
2020年10~12月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比12・7%増と2期連続のプラス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大で停滞した経済が国内外で持ち直し、個人消費や輸出が牽引(けんいん)した…
ワクチン接種、副反応にも万全の対処を
厚生労働省が製造販売を特例承認した米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、菅義偉首相は国会で「17日には医療関係者への接種を開始したい」と述べた。 国家の「…
米中首脳電話会談、バイデン氏は強硬姿勢貫け
バイデン米大統領が中国の習近平国家主席と電話会談し、中国による人権弾圧や台湾への圧力強化などに懸念を表明した。バイデン氏はトランプ前政権の対中強硬姿勢を踏襲するとともに、同盟国との連携強化で対中包囲網を形成すべきだ。 …
森会長辞意表明 五輪開催へ円滑な後任選出を
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、女性蔑視と受け取れる発言の責任を取って辞任の意向を表明した。軽率な発言を行った森氏の辞任は仕方がない。五輪実現へ後任を円滑に選出する必要がある。 女性差別との批判広がる…
北のサイバー攻撃、核資金遮断へ対策を急げ
国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会専門家パネルは今年の年次報告書で、北朝鮮が暗号資産(仮想通貨)取引所へのサイバー攻撃を通じ、2019年から20年11月までに計3億1640万㌦(約330億円)相当の仮想通貨を窃取した…
建国記念の日 統一の基礎は「和」の精神
きょうは建国記念の日。神武天皇が大和を平定し、橿原の宮で即位したとされる日である。世界最古の皇室を戴(いただ)き、国民的な和合を保ってきた歴史を振り返り、先人たちの歩みに思いを致したい。 皇室の存在の大きさ 現在の…
インド氷河崩壊、現実となった突発洪水の教訓
インド北部ウッタラカンド州のガンジス川上流部の支流で発生した洪水をもたらした氷河崩壊は、水源のあるヒマラヤ山脈周辺の氷河に対する地球温暖化の影響によるものとの見方が有力だ。 気候変動がもたらす自然災害は年々深刻の度を…
米露条約延長、中国抜きの核軍縮は危うい
米国とロシアは、新戦略兵器削減条約(新START)を5年間延長した。 ただ、新STARTには核戦力を増強し続けている中国が参加していない。米国の核抑止力が低下すれば、米国の「核の傘」に頼る日本は危険にさらされることに…
米大統領外交演説 国際的な対中包囲網の構築を
バイデン米大統領は国務省で行った外交政策演説で、中国を「最も深刻な競争相手」と断じ、「米国の繁栄や安全、民主的価値観に中国がもたらす挑戦に立ち向かう」と訴えた。 トランプ前政権が推し進めた対中強硬路線をバイデン政権が…
北方領土の日 4島返還に強い決意示せ
41回目の「北方領土の日」を迎えた。第2次大戦末期に旧ソ連は、当時有効だった日ソ中立条約に違反して一方的に宣戦布告し、火事場泥棒のように択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島を奪って現在に至るまで不法占拠を続けている。 菅…
韓国国防白書 北の脅威を直視しているのか
韓国国防省が「2020国防白書」を発表した。北朝鮮の核や弾道ミサイルなど大量破壊兵器を「脅威」と位置付ける一方、北朝鮮の政権と軍を「敵」と明記せず、有事の軍事上の作戦統制権を能力も経験も不安視される韓国軍に移譲させるこ…
英TPP申請、自由度高いルールを広げよ
英国が環太平洋連携協定(TPP)への参加を申請した。今春にも、参加交渉が始まる。発足メンバー国以外の国からの参加申請は初めてとなる。英国の申請を契機として、日本が主導してきたTPPの拡大機運が高まりそうだ。 EU離脱…
緊急事態延長、減少確かにし収束へ道筋を
政府は新型コロナウイルス対策で11都府県に7日まで発令中の緊急事態宣言を、栃木県を除く10都府県で3月7日まで1カ月間延長することを決めた。 緊急事態宣言後、感染は減少傾向にある。この延長で減少を確かなものとし、ワク…
ミャンマー 国軍の民主化潰しを憂う
ミャンマーでクーデターが起き、国軍が政権を奪った。 国軍は、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相ら政府・与党幹部を拘束した上で、1年間の非常事態宣言を全土に発令し、国家の全権を握った。2011年3月に民政移管された…
WHO武漢調査、発生源解明に中国は協力せよ
新型コロナウイルスの発生源解明のため、中国湖北省武漢市入りしていた世界保健機関(WHO)の国際調査団が調査を開始し、最初に集団感染が確認されたとされる華南海鮮市場を視察した。中国はWHOの調査を長い間拒んできたが、発生…
EU外相理、日本は中国念頭に協力進めよ
茂木敏充外相は欧州連合(EU)の外相理事会にオンライン形式で出席し、軍事、経済両面で影響力を強める中国をにらんで日本が推進する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現に向けた連携を呼び掛けた。 欧州は、日…
日米首脳、同盟強化で中国に対抗を
菅義偉首相がバイデン米大統領と電話会談し、日米同盟のさらなる強化を確認した。 日米同盟は両国のみならず、地域全体の安定と繁栄に欠かせない。覇権主義的な動きを強め、平和を脅かす中国に共同で対抗すべきだ。 尖閣に安保条約…
自殺者増加 ニーズに応じた多様な支援を
厚生労働省は、警察庁の統計に基づく2020年の自殺者数(速報値)が、前年確定値より750人(3・7%)多い2万919人だったと発表した。女性の自殺が2年ぶりに増え、男女合わせた人数はリーマン・ショック後の09年以来11…
わいせつ教員、免許再取得禁じる法改正を
文部科学省は、児童生徒へのわいせつ行為で失効した教員免許の再取得を厳しくする改正法案の国会提出を見送った。 内閣法制局が法制上のバランスが取れないとの見解を示したためだ。だが、被害を受けた児童生徒は心に深い傷を残す。…
コロナ1億人、ワクチン接種進め対策徹底を
新型コロナウイルスの感染者が米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると世界で1億人を超えた。昨年11月に5000万人を超えてから2カ月半で倍増しており、広がりが確認されている感染力の強い変異種の影響も大きいとみられる。一…
核禁条約発効、日本は核抑止力の維持
核兵器の使用や保有など幅広い活動を違法化する核兵器禁止条約が発効した。だが非加盟国には効力が及ばず、核兵器保有国や日本をはじめ核抑止力に頼る国の加盟も見通せないため、実効性が疑問視されている。 北朝鮮や中国の核の脅威…
五輪まで半年、安全な大会実現へ準備進めよ
1年延期された東京五輪の開催まで残り半年を切った。 菅義偉首相は「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」として、開催を実現すると繰り返し強調してきた。中止論に振り回されることなく、安全な大会の実現に向けて準備を進…