社説
楽天携帯参入延期、計画に甘さはなかったか
楽天が10月に予定していた携帯電話事業への本格参入を延期すると発表した。サービスの基盤となる基地局の整備が遅れているためといい、サービス開始の具体的日時も明らかにしなかった。 同社の参入は値下げ競争の起爆剤と期待され…
条例改正案撤回、中国は香港の民意尊重せよ
香港政府トップの林鄭月娥行政長官が、逃亡犯条例改正案を正式に撤回すると表明した。 しかし、その後もデモ隊の抗議活動は続いている。中国政府が行政長官の直接選挙など一国二制度に基づく高度な自治を認めない限り、市民の不満を…
北方領土交渉、不法占拠を強く非難せよ
安倍晋三首相はロシア極東ウラジオストクでプーチン大統領と会談し、北方領土問題を含む平和条約締結交渉について「未来志向で作業する」ことを確認したが、具体的な進展は見られなかった。 強硬姿勢示すロシア 両首脳の会談は6月…
ふるさと納税、より良い制度の構築に努めよ
総務省がふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外したことをめぐり、国の第三者機関「国地方係争処理委員会」が、判断を再検討するよう総務相に勧告することを決めた。 勧告に強制力はないが、「不指定は適法」としてきた総務…
北ミサイル開発、迎撃態勢のさらなる強化を
防衛省は北朝鮮が5月から8月にかけて断続的に発射した一連の飛翔体を分析した結果を公表し、少なくとも2種類の新型短距離弾道ミサイルが含まれていると明らかにした。日本をはじめ北東アジアの安全保障にとって深刻な脅威であり、引…
ブラジル大統領、環境軽視の姿勢は容認できぬ
世界の原生林の3分の1を占め「地球の肺」と称されるアマゾン熱帯雨林が、続発する火災で過去最悪とも言われる危機にさらされている。 背景には、ブラジルのボルソナロ大統領の開発重視・環境軽視の姿勢がある。 アマゾン森林で…
G20労働相会合、高齢者雇用のモデル示したい
松山市で開かれた20カ国・地域(G20)労働雇用相会合は、高齢者の雇用促進を盛り込んだ閣僚宣言を採択して閉幕した。 日本における高齢化は、世界でも例を見ないスピードで進んでいる。高齢者の雇用に関し、日本がモデルケース…
米宇宙軍、軍事的優位性の確保が不可欠
米国で宇宙領域での軍事活動を統括する宇宙軍(スペースコマンド)が発足した。戦略軍やサイバー軍などに続く11番目の統合軍になる。 中国やロシアが宇宙の軍事利用を進める中、米国が優位性を確保することは米国自身や同盟国の平…
防災の日 気候変動で急務の災害対策
9月1日は「防災の日」。近年、わが国は大きな台風や豪雨に次々と見舞われ、新たな規模の自然災害の脅威に直面している。大雨の基準となる1時間50~100㍉、1日200㍉を超える降雨は珍しくなくなった。地球温暖化による気候変…
iPS角膜移植、新たな治療法の確立を期待
さまざまな細胞に変わる人工多能性幹細胞(iPS細胞)から角膜の細胞を作り、けがや病気で角膜が傷ついた患者に移植する臨床研究を進めている大阪大が、患者1人に移植を行ったと発表した。 iPS細胞から作った角膜の細胞を移植…
年金財政検証、支え手増やす制度改革を
厚生労働省が、公的年金の給付水準見通しに関する財政検証結果を公表した。少子高齢化が急速に進む中、年金制度を維持していくには支え手を増やす制度改革が求められる。 年金水準2割弱目減り 検証結果では現役世代の手取り収入と…
アフリカ会議開幕、持続可能な経済成長に貢献を
わが国が世界に先駆けて主導してきたアフリカ諸国の問題解決と発展のための国際会議、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が横浜で始まった。平均年齢が若く経済成長率も先進諸国より高いアフリカには潜在力があり、ビジネス・パー…
G7サミット これ以上結束を揺るがすな
フランス南西部ビアリッツで先進7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれた。 個別テーマの成果文書は発表されたが、当初から予想されたとはいえ、首脳宣言の採択は見送られた。 首脳宣言を採択できず 議長国であるフランスのマ…
香港デモ、武力で民意を踏みにじるな
中国本土への容疑者移送を可能にする逃亡犯条例改正をめぐって、香港で大規模な抗議活動が始まってから2カ月半が経過した。香港政府トップの林鄭月娥行政長官は改正案について、来年7月の事実上の廃案を明言しているが、デモ隊は完全…
羽田新ルート、住民の不安解消に努めよ
羽田空港の発着枠増加に向け、東京都心上空を通過する新しい飛行ルートの運用が来年3月29日に始まる。 ただ、地元住民は騒音や落下物などの発生を懸念している。国は住民の不安解消に努めるべきだ。 国際便の受け入れ強化 従…
米中摩擦、解消に向け中国は構造改革を
トランプ米大統領は、中国からの輸入品2500億㌦(約26兆円)分に昨年発動した制裁関税を10月1日付で25%から30%へ引き上げると発表した。9月1日に導入する対中制裁「第4弾」の税率も当初予定の10%から15%に引き…
GSOMIA破棄、北を利する安保毀損の禁じ手
国益を重視した冷静な判断とは到底思えない。韓国が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の更新期限に合わせ、これを延長せず破棄する方針を明らかにし、日本政府に正式通知した。GSOMIAは特に北朝鮮の軍事的脅威が高まる…
あおり運転、法令の不備を早急に改善せよ
高速道路は、自動車が一方に高速走行するだけの一種の閉ざされた空間だ。そこであおり運転で無理やり車を停車させる行為が、死をも招きかねない重大事故につながる危険性を持つことは言うまでもあるまい。 だが、取り締まりの徹底だ…
カシミール問題、印パの紛争回避に手を尽くせ
インドがパキスタンと領有権を争うカシミール地方のインド側、ジャム・カシミール州の自治権を撤廃したことをめぐって両国の緊張が高まっている。双方の言い分は平行線をたどっているが、宗教の違いによって繰り返されてきた紛争を回避…
辺野古移設、平和を守るため死活的に重要
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐって県は今月、石井啓一国土交通相が埋め立て承認撤回を取り消したのは違法として、国を相手取って決定の取り消しを求める抗告訴訟を那覇地裁に起こした。 県が新たに国を…
セブンペイ廃止、スマホ決済の安全対策徹底を
セブン&アイ・ホールディングスが、スマートフォン決済サービス「セブンペイ」を9月末で廃止することを決めた。不正利用が相次ぎ、対策を検討してきたが、セキュリティー確保が難しいと判断したためだ。 7月の開始からわずか3カ…
北ミサイル、抑制的対応で増長させるな
北朝鮮が東部の江原道通川付近から日本海に向けて2発の飛翔体を相次いで発射した。米韓合同軍事演習を実施中の韓国に不満を示す狙いとみられる。 北朝鮮は7月末から6回にわたって新型短距離弾道ミサイルなどの飛翔体の発射を強行…
豚コレラ、ワクチン使用もやむを得ない
岐阜、愛知両県に発生が集中していた豚コレラが、7月に入り三重、福井両県に広がった。 ウイルスの媒介役とされる野生イノシシの感染事例はさらに広域に及び、新たな発生県がいつ出てもおかしくない状況だ。 三重、福井両県にも拡…