オピニオン
空海がつなぐ日本と中国 高野山大学名誉教授霊宝館館長静慈圓師に聞く
四国八十八ヵ所霊場開闢1200年 今年は空海が四国八十八カ所霊場を開いてから1200年に当たる。空海の原点は入唐にあると考えた静慈圓師は1984年、空海が804年に漂着した福州(赤岸鎮)から西安(青龍寺)まで2400キ…
家族重視で少子化克服目指せ
日本の人口は減り続けている。このまま少子化に手をこまねいていれば、2060年には約8600万人となり国民生活が大きな影響を受ける。まさに国家存亡の危機だ。 こうした予測を受け政府の有識者会議は人口維持策を練っている。…
悩ましくなる神功皇后の謎
麗澤大学教授・評論家 松本 健一 応神天皇出生の秘密は 「論賛」から「天の血脈」まで このところ神功(じんぐう)皇后のことが気にかかっている。神功皇后といえば、まずは「三韓征伐」であり、戦後生まれのわたしたちは、あれは…
南シナ海緊張、身勝手極まりない中国の行動
豊富な海洋資源が埋蔵され、海上交通の要衝でもある南シナ海で、領有権をめぐって中国とベトナム、フィリピンとの間で緊張が高まっている。 パラセル(中国名・西沙)諸島付近では中国の艦船とベトナム艦船が衝突する事件が発生。ま…
漫画と原発、風評被害が生じかねない
小学館の週刊誌「ビッグコミックスピリッツ」に掲載された漫画「美味(おい)しんぼ」で、東京電力福島第1原子力発電所を訪れた主人公が鼻血を出す場面などが描かれたことが問題となっている。 こうした表現は、微量の放射線の影響…
欧州との連携強化を進めよ
安倍晋三首相は北大西洋条約機構(NATO)本部で演説し「中国の対外姿勢、軍事動向は日本を含む国際社会の懸念事項だ」と名指しで批判した。また、首相が意欲を示す集団的自衛権の行使容認について「世界の平和と安定のために日本が…
憲法9条改正の真の目的、独立国の「かたち」整える
自衛隊は軍隊ではない 「自衛隊は軍隊か?」と問われれば、おそらく多くの人が「イエス」と答えるだろう。 しかし、正解は「ノー」である。自衛隊が軍隊ならば、憲法第9条改正は不要となる。 なぜ、こうした誤った考え方が横行…
教育委員会制度改革の課題
(社)全国教育問題国民会議理事長 秋山 昭八 国民の信頼を裏切るな 地方公共団体の責任明確に 学校で起こった問題に教育委員会が適切に対応できない状況が続く中で、教育委員会制度改革論議が始まった。 自民党の教育委員会改…
夏の電力の安定供給への取り組み強化を
原発再稼働の見通しが立たない中、特に原発依存度の高い関西電力や九州電力で、今夏の電力需給が綱渡りの状態になりそうだ。 一昨年、昨年もほとんどの原発が停止していたが、夏を乗り切ることができた。だが、老朽化した火力発電所…
並大抵でない食文化の理解
歴史家 金子 民雄 捕鯨、イルカ漁に説明を 洋の東西、国の東西で違い このところおかしなことに、日本の食文化についてふれたニュースが多くなったようだ。たしかにいくら文化人だからといって、日本で生活する日本人が1日3食洋…
捜査の可視化、「自白」の意義も忘れるな
警察と検察の取り調べの可視化を進め、時代に合った捜査手法を導入する―。法制審議会の部会は、新たな刑事司法制度の試案を示した。冤罪(えんざい)を防ぎ、犯罪の多様・複雑化に対応するために不可欠な改革だ。だが、可視化の副作用…
インド総選挙と日本 大阪国際大名誉教授 岡本幸治氏に聞く
世界最大のインドの総選挙は4月7日から5月12日までが投票で、16日に開票されるが、国民会議派からインド人民党(BJP)への10年ぶりの政権交代が予想されている。注目されているBJPの首相候補、ナレンドラ・モディ・グジ…
こどもの日、子供には未来の全てがある
きょうは「こどもの日」である。大人が子供たちの健やかな成長と幸せを願う気持ちは、いつの時代も変わらない。 しかし、いま日本では子供がどんどん少なくなっている。これは、国の未来が先細ることを意味している。 15歳未満…
利権構造が固定化する沖縄
沖縄大学教授 宮城 能彦 生活直結で選挙を左右 地元マスコミも追及に限界 島々を歩き、島の歴史や現在の生活について聞いていると、最初は興味深く、次第に深刻に、最後は憂鬱になってくる話になってしまうことが多い。 それは…
増税から1ヵ月経過、反動減へ予断なき対応を
消費税率が5%から8%へ引き上げられてから1カ月が経過した。予想通り、駆け込み需要の反動減が幅広い品目で顕著に表れている。 政府内ばかりでなく企業経営者にも、反動減は「想定内」との見方があるが、不穏な海外情勢もあり、…
セウォル号の惨事招いた“韓国病”
まず「セウォル号」沈没事故の犠牲者と御遺族に心よりお悔やみ申し上げたい。 沈没の原因は適正積載量の3倍を超える積荷に加えて船底の積載タンクのバラスト水を減らした結果、船体の復元力が大きく弱まったことだと言われている。…
憲法記念日、現状追認から改憲に着手せよ
憲法記念日を迎えた。施行後67年間の我が国の歩みを振り返るとともに未来を展望し、憲法について考える一日としたい。 改正国民投票法が成立へ 開会中の通常国会では、憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案が成立する見込みだ…
尖閣防衛、日米共同声明を歓迎 中山義隆石垣市長に聞く
3月2日投開票が行われた石垣市長選挙では、現職の中山義隆市長が自民、公明の支持を得て、自衛隊配備反対を唱えた革新派で前市長の大浜長照氏に約4000票の大差をつけて再選を果たした。石垣市の自衛隊配備問題、中国船による尖閣…
混合診療拡大は患者の立場で検討進めよ
政府は公的医療保険が適用される保険診療と保険外の自由診療を併用する「混合診療」の拡大に向け検討を進めている。 適正な拡大は必要だが、行き過ぎれば患者の利益を損なうことにもなりかねない。患者の立場に立った検討が求められ…
日本の立ち位置 冷静に探れ
元駐ベトナム特命全権大使 服部 則夫 戦後国際社会の構成員 中国的価値観には対抗手段 最近、特に昨年12月の安倍総理靖国参拝以来、何故か私は気分がすぐれない。 何かもやもやとした、憤りというか、微かな不安さえ感じる。…
米比新軍事協定締結、同盟国との信頼強化を歓迎
米国とフィリピンが新たな軍事協定を締結した。協定は有効期限が10年で、軍事力を背景に南シナ海への海洋進出を強める中国を念頭に、米比軍事協力の大幅強化が可能になり、米軍のフィリピン国内基地へのアクセスが段階的に拡大するこ…
衆院鹿児島補選、勝って驕らず懸案に対処せよ
衆院鹿児島2区補欠選挙で、自民党新人で公明党推薦の候補が勝利した。消費税率が8%に引き上げられてから初の国政選挙だっただけに注目されたが、安倍晋三首相は勝利を自ら進める経済政策への信任と受け止め、引き続き景気回復に最優…
特攻隊員の慰霊に心遣いを
元統幕議長 杉山 蕃 多くは学徒・少年たち 国と社会で真の追悼しよう 今年も北の郷を残し、桜の季節が過ぎて行った。絢爛と咲き誇り、未練気もなく豪華に散っていく桜を見るたび、「靖国神社の桜と成って、咲いて会おう」と健気に…