オピニオン
寛容な東のイスラム圏を護れ
東洋学園大学教授 櫻田 淳 連関するISと南シナ海 重要な対インドネシア2+2 2015年の国際政治の焦点を二つの言葉で表現するならば、それは、「ダーイッシュ」(過激派組織IS=「イスラム国」=イスラミック・ステートの…
民主党は社会党の轍を踏むな
来年の参院選をにらみ安倍晋三首相と会談した橋下徹前大阪市長が憲法改正を求める一方、民主党など野党は憲法9条改正阻止を掲げ、改憲の是非を争点とする構えだ。 民主党は「創憲」を展望していたが、これでは戦後長らく「護憲平和…
仏メディアにあふれた「カミカゼ」
テロに明け暮れた今年。IS(イスラム国)の特大テロに襲われたフランスの報道を追っていて、心に刃物が突き刺さった。kamikazeという語がいっぱいだったからである。 英語その他にも「カミカゼ」は入っている。2001年…
トンネル崩落、老朽化対策に教訓生かせ
山梨県の中央自動車道笹子トンネルで2012年12月、天井板が崩落し9人が死亡した事故で、犠牲者5人の遺族がトンネルを管理する中日本高速道路(名古屋市)などに損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁は計約4億4300万円の支払い…
宮廷ユダヤ人のロビー活動
獨協大学教授 佐藤 唯行 英蘭動かし追放令撤回 翻意したマリア・テレジア 18世紀、ボヘミア王国の都プラハには九つもの壮麗な会堂(シナゴーグ)を擁する欧州最大級のユダヤ社会が繁栄していた。けれど1744年12月、突然の…
長周期地震動、高層ビルでの対策が急務だ
静岡沖から九州東方沖にかけての南海トラフで巨大地震が起きた場合、超高層ビルの上層階が揺れ幅の大きい「長周期地震動」でどれくらい揺れるかについて内閣府の検討会が報告書を公表した。 倒壊の危険性は低いが、転倒による負傷や…
「道徳」特別教科化の必要性
全校的な体制で効果発揮 北翔大学教授 福田信一氏に聞く これまで小中学校で教科外の活動として捉えられていた道徳が、2018年度から小学校(中学校は19年度から)で「特別教科」となる。「数学」や「英語」といった他教科のよ…
戦後70年の問題は明治から
名寄市立大学教授 加藤 隆 功利に走った150年 性悪説的人間観の再評価を 戦後70年ということが至るところで取り上げられ、メディアでもいろいろな特集が組まれている。以前、ひめゆり学徒の手記を読んだことがあるが、潜んで…
治安のカギ握る「家族再生」
今年の世相を表す漢字に「安」が選ばれたが、私たちの暮らしの安全・安心はどうだったか。2015年版犯罪白書によると、刑法犯の認知件数は02年をピークに減り、14年は02年の半分以下だった。一方で再犯者の割合が過去最高、高…
中国語教育が及ぶアフリカ
評論家 太田 正利 南アで影響力が急拡大 日本は信頼の蓄積を生かせ アフリカにおいて、20世紀後半には、欧州諸国の植民地化が徐々に衰退し、多くの国が独立していった。それまでの経過をたどると、同大陸は、英、仏、独(第一次…
「中国は簡単に崩壊しない」
世日クラブ ノンフィクション作家 河添恵子氏が講演 世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良・近藤プランニングス代表取締役)は19日、都内で、ノンフィクション作家の河添恵子氏を講師として招き、「世界の権力構造の…
安倍外交、世界平和へ一層の貢献を
安倍晋三首相は今年、各国首脳との会談のみならず国際会議での発言を通して積極的平和主義に基づく外交を展開した。来年も世界平和への一層の貢献が求められる。 米議会で歴史的演説 特筆すべきは4月、米上下両院合同会議で日本の…
産経記者無罪、不毛な争いはもう止めよ
韓国の朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)が訴えられた裁判の一審判決で、ソウル中央地裁は懲役1年6月の求刑に対し無罪を言い渡した。韓国司法の判断が日韓関係好転につながるかが今後の焦…
金正恩の独り歩き
今月12日、北朝鮮モランボン楽団の北京公演が急に取り消され、楽団全員が帰国した。 理由は明らかにされていないが、金正恩第1書記の「水素爆弾保有」発言が中国を刺激し、観覧を共産党の政治局員(閣僚)クラスから副部長(次官…
夫婦同姓合憲、制度の意義認識する契機に
「男女平等」や「個人の尊重」をことさら強調する一方で、子の幸せよりも大人の事情を優先する風潮が広まる中、家族制度の意義を改めて考えさせる初めての憲法判断だった。民法の夫婦同姓規定をめぐる訴訟で、最高裁が夫婦とその子供が…
まかり通った日教組推薦 革新行政下の校長人事
苦言を呈した田中角栄 庶民宰相と呼ばれた田中角栄(1918~93。首相在任72年7月~74年12月)は、今なお語りぐさだが、今年出版された「田中角栄100の言葉」(宝島社)の中には、戦後教育の問題点について明言したもの…
ミャンマーを通り過ぎた日英
歴史家 金子 民雄 多難なスー・チー党首 抵抗感じた「ビルマの竪琴」 2015年11月8日、ミャンマーの総選挙が何十年ぶりかで行われ、アウン・サン・スー・チー党首の率いる最大野党(国民民主連盟NLD)が勝利を収めた。東…
消費減少抑制へ軽減税率の導入は不可欠
自民、公明両党は2017年4月に実施予定の消費税率10%への増税と同時に導入する軽減税率で、対象を「酒類、外食を除く飲食料品」とし、税率を8%に据え置くなどとする16年度税制改正大綱を決定した。 景気の実勢からすれば…
日印首脳会談、地域の平和と発展につなげよ
インドを訪れた安倍晋三首相は、モディ首相と首脳会談を行い、経済や安全保障での協力推進をうたった共同声明を発表した。南シナ海などで海洋進出を強めている中国を念頭に、日印に米国を加えた3カ国の安保分野での連携強化も確認した…
上昇が予想される物価の基調
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 不安残す17年消費増税 実質家計消費もプラス維持 最近、日本の消費者物価指数が、種類によってまちまちの動きをしているため、新聞紙上などで物価の基調判断がやや混乱し、それが…
全世界で温暖化防止に努めよ
地球温暖化抑制への重要な一歩が踏み出された。パリ郊外で開かれていた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で2020年以降の温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」が採択された。「京都議定書」に代わる18…
習近平中国主席の軍事改革
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 抜本的に踏み込めるか 脅威に即応して戦う態勢に 中国共産党の中央軍事委員会改革工作会議で、習近平主席主導の大規模な軍事改革が11月27日に公表された。軍事改革については、「軍の最高指揮権を…
民主・維新、与党に現実的な対案示せるのか
民主党と維新の党は来年の通常国会での統一会派結成で正式に合意した。しかし両党が一致した基本政策を見る限り、与党に現実的な対案を示せるか疑問が残る。 「違憲部分を白紙化」 両党の勢力を合わせると衆院92人、参院64人と…