オピニオン
世界の軍事技術移転の潮流
元統幕議長 杉山 蕃 コピーで改造は困難に 「共同」「ライセンス」が堅実 今年の米韓共同軍事演習は、例年になく激しいやり取りがあったが間もなく終了する。米韓側は、新たな共同作戦計画5015に基づき、一旦発動されたら北朝…
ブラジル政局、政争に明け暮れる余裕はない
ブラジルの連邦下院議会が、同国初の女性大統領であるルセフ大統領に対する弾劾を決議した。弾劾請求は野党が優勢な上院でも可決される見通しで、5月にも大統領の職務が停止される可能性が高い。 8月に開幕を控えるリオデジャネイ…
対インド外交、新幹線と原発で関係深化を
大阪国際大学名誉教授 岡本幸治氏に聞く 昨年12月、安倍首相とモディ首相との会談で、インド西部のムンバイとアーメダバードを結ぶ505㌔の高速鉄道建設に日本の新幹線の採用が決まり、原子力発電に関しても核兵器に転用しないこ…
米貧困層に潰されるかTPP
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 大統領選左右する不満 変化した自由貿易への世論 本年2月環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の基本合意が締結されると、日本ではすぐにでも正式に発足するかのよ…
北海道補選、有権者に拒絶された民共路線
衆院北海道5区の補欠選挙が投開票され、自民党候補が民進党や共産党が推した無所属候補を退けた。今回の補選は第3次安倍内閣発足後、初めての国政選挙で、今夏の参院選の前哨戦とされた。 とりわけ注目されたのは、民進党が共産党…
仏教を利用する中国共産党
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 宗教無視できない現実 チベットの活仏制度に介入 1848年の共産党宣言以来、宗教はアヘンであるという前提の思想が世界中に広がり、宗教が政治の場から排除される傾向が続いた。日本でも…
トキひな誕生、野生定着への大きな一歩
新潟県佐渡島で、自然界で生まれ育った国の特別天然記念物トキのつがいから、ひなが生まれた。 野生で誕生したトキのペアからのひな誕生は40年ぶり。トキの野生復帰は新たな段階へと進んだ。 40年ぶりの「純野生」 今回のひ…
警察は暴力団の弱体化に全力挙げよ
指定暴力団山口組(神戸市)から分裂した神戸山口組(兵庫県淡路市)について、兵庫県公安委員会は暴力団対策法に基づく指定暴力団とした。 両団体による抗争が全国各地で続いている。警察は弱体化に全力を挙げるべきだ。 神戸山…
三菱自動車の隠蔽体質の改善が急務だ
三菱自動車が、軽自動車「eKワゴン」など4車種、計約62万5000台で、意図的に燃費性能を実際より5~10%程度良く見せる不正を行っていた。 三菱自では2000年と04年にリコール(回収・無償修理)隠しが明らかになっ…
アップル・FBI論争 官民に課題残すテロ対策
脆弱性に対峙する米国 米国で昨年末に発生したテロ事件の犯人の1人が持っていたiPhone(アイフォーン)のデータにアクセスできるよう、米連邦捜査局(FBI)がロック解除を求めるという事態が物議を醸している。アップル(A…
逆転の発想でノーベル賞受賞
「敢えて困難な道を選ぶ人生」 北里大学特別栄誉教授 大村 智氏に聞く 罹患すればほとんどの人が失明に至るオンコセルカ症などの画期的な治療薬「イベルメクチン」の開発に貢献し、「10億人以上を病魔から救った」(ノーベル財団…
人気を保つプーチン大統領
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 「再選」期待も7割前後 露世論調査が示す国民意識 本邦のメディアはあまり伝えないが、ロシアでは、国民の大まかな思考傾向を知るため、複数の専門調査機関によって頻繁に世論調査が実施されてい…
米軍熊本支援、オスプレイ批判こそ筋違いだ
余震が続く熊本地震被災地への米軍の空輸支援が始まっている。交通網が寸断された被災地では、自治体職員はじめ警察や消防、自衛隊、ボランティアなどによる捜索・救出、復旧活動、避難者支援が続いているが、突発的な大災害に外国から…
「一国平和」は通用せず 山田寛氏
世日クラブ 元嘉悦大学教授の山田寛氏が講演 世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良・近藤プランニングス代表取締役)の定期講演会が19日、都内で開催され、元読売新聞アメリカ総局長で元嘉悦大学教授の山田寛氏が「世…
災害関連死、熊本地震被災者の負担軽減を急げ
熊本地震で自宅前で車中泊をしていた熊本市内の51歳の女性が、エコノミークラス症候群で亡くなった。災害関連死の拡大を防がなければならない。 車中泊の女性が死亡 女性は熊本市の自宅前駐車場に止めた車で宿泊していたが、エコ…
親イスラエルのトランプ候補
獨協大学教授 佐藤 唯行 ユダヤ富豪多数が同業者 ニューヨーク建設業界で頭角 駐留米軍への負担増を日、韓、独等に強く求めるトランプ。先月の記者会見では「イスラエルも負担した方が良い」とうっかり口をすべらせてしまった。こ…
深刻な海面上昇の被害 ノート マーシャル諸島元大統領
ケサイ・ノート マーシャル諸島元大統領に聞く 今も続く核実験による汚染 太平洋の島国マーシャル諸島のケサイ・ノート元大統領は都内で本紙のインタビューに応え、海面上昇、米国が戦後行った核実験による被害が深刻で、国家の経済…
給付型奨学金、納税者の理解得られる制度を
大学生らを対象とする国の奨学金制度の充実策が検討されている。 文部科学省のプロジェクトチーム(PT)は、返済不要の給付型奨学金の在り方などについて、政府が5月にまとめる「ニッポン1億総活躍プラン」に具体策を盛り込む方…
2020年、東京の住宅事情 心の豊かさ満たす住宅指向
株式会社ナミキ代表取締役社長 石塚隆正氏に聞く 超高齢化社会を迎え、とりわけ一極集中が進む首都・東京は、2020年の東京五輪を迎えるここ数年のうちにも住宅事情にさまざまな変化が現れそうだ。東京銀行を経、三菱東京UFJ銀…
台湾・蔡次期政権の課題
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国が緊張高める恐れ 「現状維持」でリスク回避を 台湾では5月20日から8年ぶりに民進党・蔡英文政権が発足する。周知のように本年1月の総統選挙・立法院選挙結果の意義は、台湾住民の主体性意識…
米国防長官歴訪、対中牽制で海洋秩序維持を
カーター米国防長官は現在、アジア・中東を歴訪している。とりわけアジア歴訪は、中国の強引な海洋進出を抑え、インド洋や南シナ海の海洋秩序維持を図る狙いがある。 比との合同演習を視察 最初の訪問国インドでは、インド洋など…
ヒューマニズムの光と闇
名寄市立大学 加藤 隆 正義感から起こる惨劇 危うい自己神格化や特別化 ヒューマニズム。我々日本人の耳に心地よい響きがある。「人間主義」「人道主義」などと訳される。大多数の国民が「無宗教」と自己を規定する国柄であれば、…
熊本地震本震、余震や土砂災害への警戒を
熊本県益城町で震度7の揺れを観測した地震(マグニチュード〈M〉6・5)に続き、熊本地方を震源とする地震が発生して熊本市や同県菊池市などが震度6強の揺れに見舞われた。 被災者の救出や支援を急ぐとともに余震や豪雨による土…