台湾・蔡次期政権の課題


茅原 郁生

中国が緊張高める恐れ

拓殖大学名誉教授 茅原 郁生

 台湾では5月20日から8年ぶりに民進党・蔡英文政権が発足する。周知のように本年1月の総統選挙・立法院選挙結果の意義は、台湾住民の主体性意識が定着し、いわゆる「台湾であること」が確認されたことである。それはまた馬英九政権によって進められた対中傾斜に歯止めがかかるとともに国民党路線の凋落の始まりともなろう。さらに、6回目の総統民選で再び民進党政権となるなど政権交代が民主的手続きで実現し、民選総統の4人目で初の女性総統が誕生するなど台湾における民主主義の成熟が見られたことである。


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