米貧困層に潰されるかTPP


加瀬 みき

大統領選左右する不満

アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき

 本年2月環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の基本合意が締結されると、日本ではすぐにでも正式に発足するかのような肯定的雰囲気が漂っていた。しかし、アメリカではほとんど話題にもならず、専門家は早期批准に懐疑的であった。従来は自由貿易支持の傾向が強かった共和党多数の議会が、大統領のファースト・トラック権限を延長することでTPPを後押し、基本合意にいたったが、大統領選挙が本格化するにつれ、TPPや欧州との自由貿易協定も遠のいている。批准が可能であっても数年先という見方が広まっている。


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