オピニオン
核兵器禁止条約、国際情勢を踏まえていない
核兵器の生産、保有や使用を法的に禁じる「核兵器禁止条約」が国連で採択された。 一部で「核兵器廃絶への第一歩」と称賛するとともに、日本の不参加に対し「唯一の被爆国の信頼性が失われた」と非難する向きがある。だが、国際情勢…
劉暁波氏死去、“獄死”を政治改革につなげよ
中国共産党の一党独裁政権に反旗を翻し、投獄されたままノーベル平和賞を受けた人権活動家、劉暁波氏(61)が死去した。死去したのは刑務所外の病院だったとはいえ、事実上の獄死だ。中国政府は、還暦を迎えたばかりの劉氏の早すぎる…
自衛隊「加憲」への提言 9条そのまま残し新章条項を
自衛隊根拠9条と別に 6月4日付読売新聞によれば、日本維新の会の創設者で党法律顧問の橋下徹・前大阪市長は、憲法をテーマに読売新聞のインタビューに応じ、自衛隊の根拠規定を加える安倍首相(自民党総裁)の改憲案について、「9…
中露が軍事協力を推進
関係強化し米に対抗 米国防総省の国家情報局(DIA)はロシアの軍事力に関する初の年次報告で、ロシア、中国両国が世界中で米国に敵対する活動を行っており、「米国の世界への影響力を弱めるために積極的に協力し合っている」と訴え…
モディ政権3年の日印、インド洋進出著しい中国に対抗
大阪国際大学名誉教授 岡本幸治氏に聞く グジャラート州の首相からインド首相になったナレンドラ・モディ氏の政権が3年を経過し、強引な手法で一時混乱もあったが、経済は順調に成長している。他方、政治的にはインド洋で存在感を強…
民進党都議選総括、「民共共闘」で敗北は明らかだ
民進党が11日から18日の間、東京都議会議員選挙を総括するための党内意見聴取を行っている。民進党は8年前の前々回都議選で民主党当時に54議席を獲得したのが5議席にまで落ち込み、凋落(ちょうらく)に歯止めがかからない。共…
「BRあづま2017」を研修して
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 「公助」に備え真摯な準備 災害時の「最後の砦」自衛隊 梅雨明け前の北九州での豪雨など日本はその地勢から自然災害の多発地帯である。実際、地震から火山爆発、風水害などに毎年のように見舞われてい…
モスル奪還、宗派超え過激思想根絶を
イラク軍は、過激派組織「イスラム国」(IS)から、同国北部の第2の都市モスルを奪還した。今後は、IS台頭の一因となった宗派対立をどのように乗り越え、国内をまとめていくかが課題だ。 3年で終わったIS支配 アバディ首相…
米国内の中国スパイ2万5千人、中国人実業家語る
米国内の中国のスパイネットワークは、最大2万5000人の工作員、米国で勧誘された要員1万5000人以上を擁し、2012年以降、攻撃的なスパイ活動に転じた。中国の軍・情報機関幹部らと交流があるとされる中国人実業家、郭文貴…
日本の人種差別は減少、反ヘイト口実の言論圧迫が心配
ヘイトスピーチ対策法施行から1年。先月、記念集会が東京などで開かれ、より包括的で強力な「人種差別撤廃法」を求めるアピールが採択された。右翼団体の在日たたきデモは減ってきた。でも左派陣営は、「彼らは『××国死ね』などと、…
仲裁裁判決1年、中国の海洋進出に圧力強化を
オランダ・ハーグの仲裁裁判所が、南シナ海に関して中国が主張する権利は認められないという裁定を下してから、きょうで1年を迎えた。中国の実効支配を「国際法違反」と結論付けた判決だ。 本来であれば、中国政府はこれを真摯(し…
アフリカ発展に資する支援を
評論家 太田 正利 人材の育成と技術移転 日本は額より高い質で競え 相当前のことになるが、第6回「アフリカ開発会議」(TICAD)がケニアの首都ナイロビで昨年8月27日から2日間開催された。人口12億を擁するアフリカは…
自主防衛力の増強進めよ
インタビューfocus トランプ外交とアジア安全保障拓殖大学海外事情研究所所長 川上高司氏に聞く(下) 日本は「トランプ時代」をどう生き抜くべきか。 現在、次期中期防衛力整備計画の策定と防衛大綱の見直しに向け、侃々諤々…
宗像・沖ノ島、意義大きい世界遺産一括登録
国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は、日本が推薦していた「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)の世界文化遺産登録を決定した。ユネスコ諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)による5月の勧告では、…
香港の一国二制度支える台湾
平成国際大学教授 浅野 和生 「人民化」されぬ香港人 30年後には中国の香港化も 20世紀日本の中国研究の泰斗、桑原壽二氏は、香港返還直前の1997年6月27日、「香港返還と日中関係」と題する論説を発表し、中華人民共和…
日中首脳会談、信頼関係構築への道は遠い
安倍晋三首相はドイツ・ハンブルクで中国の習近平国家主席と会談した。 両首脳は、関係改善に向けて首脳間の対話を強化することで一致した。だが、沖縄県・尖閣諸島周辺では中国公船が領海侵入を繰り返すなど懸案が山積している。信…
トランプ外交とアジア安全保障、中国主導で南北統一の恐れ
インタビューfocus トランプ外交とアジア安全保障拓殖大学海外事情研究所所長・川上高司氏に聞く(上) トランプ米政権の対外政策はアジア太平洋地域の秩序をどう変えようとしているのか。日本は「トランプ時代」をどう生き抜く…
軽視される北のEMPの脅威
北朝鮮の長距離ミサイルの脅威に関して米国の政府、ミサイル専門家らにほとんど見落とされていることがある。北が電磁パルス(EMP)爆弾による攻撃を行う危険性があるという点だ。 国防総省は当初、北朝鮮の新型ミサイル「火星1…
国の在り方、真剣に論議を
元統幕議長 杉山 蕃 憲法改正の動きを歓迎 縮小の感を拭えない「加憲」 待望の憲法改正の動きが進みつつあるようである。安倍首相は、自民党総裁として、秋の臨時国会で「憲法審査会に自民党の改正案を提出したい」旨発言し、これ…
日米韓首脳会談、対北包囲網構築へ連携強化を
安倍晋三首相、トランプ米大統領、韓国の文在寅大統領による初の3カ国首脳会談が訪問先のドイツ・ハンブルクで行われ、脅威を高める北朝鮮への圧力強化の必要性を再確認した。 大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功した北朝…
東京にもヒアリ、情報共有し水際対策徹底を
強い毒を持つ南米原産のアリ「ヒアリ」が、神戸港はじめ名古屋港、大阪港そして東京・大井埠頭にあるコンテナ内で見つかった。 今後ヒアリが確認されれば、すぐ防除できるよう、監視を強化することが肝要だ。 気候変動で外来種増 …
米国人とは誰か? 国・社会に愛着あってこそ
「ケイト法」下院通過 7月4日は米国が建国された記念日だった。そこで米国人とは誰か? 更に日本人とは誰か?―という本質的な問題を考えてみよう。 米国憲法第2章第1条には、大統領になる条件に関して“出生による米国民であ…
七夕を世界的な行事に
短冊に願い事を書き、星に願いを懸ける七夕。日本各地の七夕まつりは、新暦7月7日~月遅れ8月9日のどこかで行われている。その七夕を「クリスマスやバレンタインと並ぶ世界的な行事にする」との思いで、全国の七夕行事の支援活動を…