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戦略的な中国軍事パレード
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 核抑止力で中露が連携 国内権力闘争に“勝利宣言” 中国で9月3日に反ファシスト・抗日戦争勝利(抗日戦勝)70周年記念の軍事パレード(観閲式)が天安門広場で開催された。観閲式には1万2000…
浦上キリシタンの告白150年
名寄市立大学教授 加藤 隆 仙右衛門が問うたもの 生活に霊魂の平安の視点を 今年はキリシタンの歴史の大きな節目に当たる。禁教下の幕末にあって、フランス人のために建てられた長崎大浦天主堂に浦上の隠れキリシタンたちが密かに…
高すぎる日銀のインフレ目標
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 追加緩和はすべきでない 過去の2%台はバブル期だけ 7月の全国消費者物価(以下CPI)は、前年比プラス0・2%、価格変動の大きい生鮮食品を除いたコアCPIは、同0・0%と…
五輪エンブレム中止に思う
沖縄大学教授 宮城 能彦 ネット時代の社会現象 「夢」「覚悟」を白紙から問え 沖縄本島北部、名護市嘉陽集落の海岸に東京オリンピック聖火宿泊碑がある。約50年前の1964年、東京オリンピック会場に向かう聖火がこの地で宿泊…
政治化する露中海軍合同演習
ロシア研究家 乾 一宇 クリミア併合が契機に 南シナ海での実施望む中国 5月の対独戦勝記念日に夫人同伴で訪露した習近平主席と彼らを迎えたプーチン大統領は首脳会談を行い、「戦略的パートナーシップ」を強調した長文の共同声明…
イラン核合意に揺れる米議会
ユダヤ議員団に温度差 ロビイスト動員し陳情活動 イラン核問題の外交的解決を目指す米欧等6カ国とイランとの核協議は7月14日、最終合意に達した。眼目はイランが最長15年間、自国の核開発を大幅に制限し、厳しい査察体制を受け…
70年談話損ねる反日日本人
NPO法人修学院院長・アジア太平洋交流学会会長 久保田 信之 中韓の対日憎悪を助長 「保守派」嫌って批判ありき 去る8月14日、安倍首相は我が国をはじめ諸国民が理解できるような、バランスの取れた「歴史的な名演説」を自然…
買い手市場強まる日本経済
経済ジャーナリスト 尾関 通允 気がかりな中国の変調 アベノミクスは試練に遭遇 業種業態によって業況に格差があるという意味で日本の景況は“まだら模様”を描いたまま推移する可能性が高い―という予測を当欄で述べてから4カ月…
防災の日・巨大地震に備えよ
拓殖大学地方政治行政研究所客員教授 濱口 和久 30年以内に70%の確率 日本列島の宿命的な自然災害 現代に生きる日本人が「大震災」と聞いて連想するのは、記憶に新しいところでは平成23(2011)年3月11日の「東日本…
メコン上流 中国のダム問題
歴史家 金子 民雄 環境と下流国を顧みず 消える雄大な河畔交流文化 ゆく川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず、淀(よどみ)に浮かぶ泡沫(うたかた)はかつ消えかつ結びて久しくとどまることなし――とは、たしか古典の方丈…
終戦70年に建設的な視点を
元統幕議長 杉山 蕃 将来に国家目標を示せ 政治と報道の矮小性は問題 8月は慰霊の月である。終戦記念日、今年の靖国神社は、若人・外国人を含め多数の参拝者で賑わった。例によって、参拝する閣僚・国会議員をターゲットにマスコ…
民主主義を示した70年談話
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 同じ価値観が同盟保証 安倍首相の姿勢を米は歓迎 米国政府やいわゆる専門家たちは安倍談話がいかなるものになるか期待と不安をもって待ち受けていた。安倍首相の経済…
敗戦後を問い直した江藤淳
評論家 大藏 雄之助 米軍占領に疑問を提起 事実の違い左右問わず批判 今年は戦後70年のほかにも、いろいろな出来事の節目に当たっているために、安倍首相が戦後レジームの脱却として主導している、わが国の安全保障問題をはじめ…
ルーズベルトとユダヤ難民
獨協大学教授 佐藤 唯行 米労組が受け入れ反対 恐慌と戦時下の現実主義者 今年はフランクリン・ルーズベルト没後70年にあたる節目の年だ。未曾有の危機、大恐慌と第2次大戦に立ち向かい、見事、乗り切った米大統領(在任193…
現在を反省すべき中国共産党
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 弾圧続くチベットなど 希望ある安倍首相70年談話 日本はサンフランシスコ講和条約で7年間の屈辱的な占領下支配から主権を法的に回復した。そして今回の安倍首相の歴史に残る戦後70年を…
沖縄メディアの同業者同盟<English付>
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 百田発言に一方向的批判 恰も「集団的自衛権」行使 前回(7月21日付)は、“百田発言”に触れつつ、沖縄メディア(琉球新報、沖縄タイムス)の構造的かつイデオ…
戦後金融政策の試練と挑戦
鈴木政経フォーラム・経済学博士 鈴木 淑夫 発展、挫折、新たな挑戦 ギリシャ化寸前に朝鮮動乱 戦後70年間、日本の金融政策は試練と挑戦の連続であった。 敗戦直後、金融政策はハイパー・インフレーションの抑制(金融収縮)…
国を危うくする反安保世論
軍事評論家 竹田 五郎 日米同盟は日本の命綱 マスコミが法案阻止を煽動 安全保障関連法案は参議院において審議中である。国民の理解を得て、成立することを切望する。しかし、世論は法案に反対が優勢である。戦後、平和教育の偏向…
お墓を親しむ日本の家族制度
在米外交評論家 那須 聖 助け合い強い社会の基 米国の夫婦制度にない長所 元来、日本は家族制度の国であり、アメリカは夫婦制度の国である。 ところが、戦争に負けた国には勝った国の制度や考え方が入ってくるのが常道であって…
中露が接近する新冷戦構造
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 海洋に加え大陸も舞台 核を絡め経済・軍事で対抗 本年になって中国は南シナ海での岩礁の埋め立てや基地化、港湾や滑走路の建設など海洋活動を活発化し、関係国との摩擦はグローバル化している。6月に…
戦後70年に宿る精神的遺産
哲学者 小林 道憲 インドネシア識者が評価 民族独立運動に日本の貢献 2010年、85歳で亡くなられたインドネシアのアリフィン・ベイ氏は、第2次大戦中、日本政府が東南アジアから招いた南方特別留学生として来日、広島文理大…
「辺野古報告書」全文公開を
OKINAWA政治大学校名誉教授 西田 健次郎 不透明な第三者委員会 密室の翁長県政に不満募る 案の定、というべきか、当初から予測したとおり、翁長(おなが)沖縄県知事の「私的」諮問機関である「第三者委員会」(委員長・大…
白昼に北朝鮮を逃げる幹部
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 中国も一目置く情報源 女性集団派遣で外貨稼ぎも 北朝鮮の対外に向けての声明は虚勢を張った、弱者の恫喝(どうかつ)が見え見えのものばかりである。イランと米国など国連安保理常任理事国および…