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北朝鮮のミサイル開発戦略、 「観測衛星」を騙り登録
慶應義塾大学教授 青木 節子 国連制裁下に宇宙条約加盟 本年2月24日、北朝鮮は、救助返還協定(1968年)、損害責任条約(1972年)という二つの国連宇宙条約に加入することにより、米欧日中印等主要な宇宙活動国すべてが…
漁業権で衰退する日本漁業
東京財団上席研究員 小松 正之 漁業者より漁協維持に 旧慣の法制化が改革の妨げ 改革進む農業、旧態依然の漁業 7月10日の参議院選挙の争点に農業や漁業の改革が全く登場しない。農漁業は食料生産と地方の創生の重要な産業で…
決行された断食月のISテロ
東京国際大学名誉教授 渥美 堅持 米仏土等、邦人も犠牲 支配地域減少で“聖戦”促す イスラーム世界は6月6日の新月から7月7日の新月までの30日間、イスラーム歴9月のラマダン月(断食月)に入っていた。断食月は平和に過ご…
沖縄ナショナリズムの陥穽
沖縄大学教授 宮城 能彦 「辺野古」一色つまらない 争点の数々が沈んだ県議選 6月初旬に行われた沖縄県議会議員選挙はつまらない選挙だった。 私はその選挙が終わって3週間後、参議院選挙が公示された後にこれを書いているが…
憲法24条改正で家族条項を
弁護士 秋山 昭八 人口減少の事態に対処 保護規定がある諸国の憲法 総務省が5月4日発表した15歳未満の子供の推計人口(4月1日現在)は、前年より15万人少ない1605万人で、1982年から35年連続の減少となった。比…
英国はEU離脱を望んだのか
平成国際大学教授 浅野 和生 国民の声は始終不安定 やり直しが難しい国民投票 「民の声は天の声というが、天の声にもたまには変な声がある」とは、1978年11月、自民党総裁予備選挙で大平正芳に敗北した福田赳夫首相の弁であ…
カーター米国国防長官の「孤立の長城」発言に思う
元統幕議長 杉山 蕃 強硬に振る舞う中国軍 心配な先端部隊の軍紀・規律 今月初め、アジア安全保障会議において、カーター米国国防長官は「中国は南シナ海で自らの孤立を招く長城を築きかねない」と発言し、航行の自由、人工埋め立…
能力と道徳で都知事を選べ
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 首都のトップも国の顔 テレビの人気投票にするな 金銭問題で東京都知事が立て続けに辞職した。一都民として実に残念である。東京都知事はロンドン、パリ、北京、ニューヨークなどの市長同様…
コックス英議員殺害の余波
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 体を張った民主主義者 怒り生むレトリックの怖さ ジョー・コックス英下院議員の殺害は英国ばかりか世界に衝撃を与えた。年齢や議員歴の短さをはるかに超えるインパク…
リトビネンコ暗殺事件に新説
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 暗殺は「米英共同作戦」 ロシアに関連付けは「捏造」 世紀のミステリー「リトビンネンコ暗殺事件」(2006年11月発生)に関する英王立裁判所での公聴会報告(今年1月発表)の概要を、「露大…
英国労働党の反ユダヤ主義
獨協大学教授 佐藤 唯行 イスラム教議員抱える 左派にトロツキストの思想 歴史的に英国ユダヤ人は二大政党(労働党と保守党)への重要な献金者であったため、英政界で反ユダヤ事件が起きることは滅多になかった。労働党に話を限っ…
普天間より早い沖縄返還
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 調印から11カ月で実現 辺野古移転はお粗末な計画 今から44年前、米国の施政権返還により沖縄県は名実ともに日本の一部となった。沖縄本土復帰は1972年5月…
独のイスラム頭巾信教論議
日本大学名誉教授 小林 宏晨 特殊なベルリン中立法 公務で全宗教の着用物禁止 最近のドイツでは、信教の自由と国家の宗教的中立の関係をめぐる論議が深刻な問題となっている。この問題は同時にドイツ社会の約5%の少数派であるイ…
再浮上する南シナ海問題
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国の埋め立て阻止を 「9段線」の根拠を追及せよ 先の伊勢志摩サミットは世界経済への対応が中心テーマだったが、もう一つの主要テーマは海洋をめぐる対中懸念への対応だった。中国の海洋進出で緊張…
沖縄県議選で自公野党健闘
OKINAWA政治大学校名誉教授 西田 健次郎 翁長派新風会2人落選 「オール沖縄」陰で“内ゲバ” 本紙既報のとおり、任期満了に伴う沖縄県議会議員選挙(定数48)の投開票が6月5日に実施され、県政与野党勢力が確定した。…
「ゼロ成長」とアベノミクス
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 投資・ベア抑える企業 売上数量見通し好転に策を アベノミクスの下で、最近2年間の日本経済はまったく成長していない。2014年第2四半期から16年第1四半期までの8四半期(…
北朝鮮、宴の後の「200日戦闘」
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 人民に酷な「経済戦略」 核開発と経済の並進は無理 中朝国境にいる定点観測者から、「今年も北朝鮮側では大勢の人が隊列を組んで田植えを行っていますよ」という連絡があった。 農村の機械化を…
東日本、熊本と続く大地震
経済ジャーナリスト 尾関 通允 予知まだ不可能な段階 気になる南関東今後の備え ごく当たり前のことだが、地震にも個性がある。例えば震度、人体にはそれと感じない無感地震から恐るべき被害をもたらす烈震あるいは激震など、震源…
新ミャンマーの出発に思う
評論家 太田 正利 親日国の民主化を祝す 課題に挑むスー・チー顧問 一寸遡ることだが、去年11月8日のミャンマー総選挙で、アウン・サン・スー・チー党首が率いる野党である国民民主連盟(NLD)は歴史的な勝利を得た。すなわ…
「広島におけるオバマ」の後に
東洋学園大学教授 櫻田 淳 理想主義の価値を示す 矮小化された現実主義に対抗 バラク・H・オバマ(米国大統領)の広島訪問は、日米関係160年の歴史に残る意義を持つものになった。米国紙『ワシントン・ポスト』は、「広島にお…
「一つの中国」の呪縛を解け、蔡英文台湾総統が就任
平成国際大学教授 浅野 和生 日米台安保協力強化の好機 中国が主張する「一つの中国」原則とは、台湾も中国の一部であると認めることである。中国は、「一つの中国」原則の承認が、中台間の交渉、交流の基礎であると繰り返し表明し…
日・ブータンの国交30年展、日本重視の王室品展示
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 意義深い西岡氏ら民間外交 国と国の関係も結局人間同士の関係である。それを特徴付けるような出来事をこのたび体験することが出来た。「世界一の幸せの国」として知られているヒマラヤの小国…
台湾新政権を巡る軍事情勢
元統幕議長 杉山 蕃 中国優位を米と埋めよ 「二国論」が南シナ海の鍵に 5月20日、台湾総統に民進党党首蔡英文氏が就任し、新しい情勢へと移行した。中台関係は、1949年蒋介石国民党政府の遷台以来、極めて複雑な経緯を経て…