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動き出した「一帯一路」戦略
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 中国国益優先に疑念も 大経済圏、対応迫られる日本 去る5月14日に北京で「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが開催された。同フォーラムは29カ国の首脳と130カ国からの代表団1500人が…
レーニン再評価する露国民
日本対外文化協会理事 中澤 孝之 大統領の愛国主義反映 スターリンの「弾圧」は批判 今年は帝政ロシアを打倒したロシア社会主義革命100周年の年である。革命の主役であったウラジーミル・I・レーニン(1870~1924)と…
財政政策積極活用の危険性
鈴木政経フォーラム代表・経済学博士 鈴木 淑夫 「財政規律」弛緩の恐れ インフレで庶民の生活圧迫 2008年のリーマン・ショックに伴う世界の金融危機と同時不況以来、日米欧の先進国は長引くデフレに対処して量的金融緩和(Q…
英国下院総選挙の意味
平成国際大学教授 浅野 和生 解散権復活し民意問う 解かれた任期固定法の呪縛 4月18日、英国メイ首相が下院を解散して6月8日に総選挙を実施する緊急声明を発した時、封鎖されたと思われていた解散総選挙が英国で復活した。 …
中東政策担うユダヤ4人衆
獨協大学教授 佐藤 唯行 司令塔のクシュナー氏 イスラエル大使は顧問弁護士 先月トランプ米大統領が行った初の外遊。その最初の訪問先に中東を選んだのもトランプが同地域の安定を最優先課題としている証しだ。トランプの中東政策…
終末迎える翁長沖縄県政
OKINAWA政治大学校名誉教授 西田 健次郎 オール沖縄の矛盾露呈 訴訟連発も勝ち目全くなし 筆者は、本欄で十数回にわたり翁長沖縄県政の異様な実態を厳しく批判してきた。偽り団体の「オール沖縄」の論理矛盾が露呈し翁長知…
金正恩氏に「遺訓」の呪縛、あり得ぬミサイル・核放棄
宮塚コリア研究所代表 宮塚 利雄 大相撲夏場所は横綱白鵬の38回目の全勝優勝で終わった。アメリカを横綱に例えると、北朝鮮はさしずめ十両格になるだろう。この幕内でもない北朝鮮が横綱のアメリカを相手に堂々と「横綱相撲」を取…
沖縄への誤解に冷静な対応を
沖縄大学教授 宮城 能彦 まず自らが襟を正そう 主体的に「復帰」選んだ県民 今年も5月15日の日本復帰記念日がやってきた。沖縄の主要2紙も例年通り特集を組んでいた。 「復帰特集」の今年の特徴は、沖縄ヘイトが増えたこと…
トランプ氏の「罪」と弾劾
アメリカン・エンタープライズ政策研究所客員研究員 加瀬 みき 不用意発言で問題拡大 マラー氏が大統領救う公算も トランプ米大統領のコーミー連邦捜査局(FBI)長官解雇をきっかけに、大統領弾劾という言葉がマスコミや議会を…
北畠親房の天皇論に学ぶ
哲学者 小林 道憲 「正直の徳」を最重要視 血統・霊格・神器で保つ連続性 『神皇正統記』は、わが国の南北朝期の南朝側の重鎮であり政治家でもあり思想家でもあった北畠親房の著である。熱烈な南朝擁護の書として知られるが、それ…
ローンウルフは日本にも
東京国際大学名誉教授 渥美 堅持 自殺願望を秘めたテロ 組織前提の法では防止は困難 長い歴史を持つフランス大統領就任式が、一連のテロ対策として出された戒厳令下のパリで行われたということは、現在の世界が抱えている問題とし…
空き家数激増の現実直視を
経済ジャーナリスト 尾関 通允 人口希薄の悪循環反映 国力の大幅減退に歯止めを 全国合計で空き家の数が820万戸にもなっている―と某ラジオ局の報道で知って、筆者は驚いた。昭和35年に登場し翌36年度から推進した池田勇人…
「いじめ」は犯罪行為である
一般社団法人全国教育問題教育会議理事長・弁護士 秋山 昭八 学校・警察の連携強化を 地域一丸で子供の命守ろう 文部科学省は2016年10月27日、15年度の問題行動調査の結果を公表した。全国の小中高校と特別支援学校で認…
若者よ、世界を旅しよう
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ 留学のメリットは豊富 自由の扉が閉まらぬうちに つい最近、東欧を訪れる機会があった。この旅は、二つの理由から私にとって特別なものになった。 一つは、まだ…
「航行の自由作戦」と日本
日本大学名誉教授 小林 宏晨 豪印と共に参加検討を 中国による現状変更認めず 2015年10月27日、アメリカのミサイル駆逐艦ラッセンは、中国が埋め立てた前哨基地スービ礁から12カイリ以内の航行を開始した。スービサンゴ…
「死んだらおしまい」なのか
名寄市立大学教授 加藤 隆 人間をダメにする死生観 現代科学は「死後生」に隣接 戦争や事故、あるいは地震や津波によって愛する者を亡くした人々が、喪失に暮れる日々の中で通常では体験できないような出会いをすることがある。東…
中国の潜在的脅威忘れるな
桐蔭横浜大学法学部教授 ペマ・ギャルポ 積極外交で覇権具現化 憲法改正し急ぎ対抗措置を 憲法記念日に恒例行事として第19回公開憲法フォーラムに参加した。会場に着き式次第を見て驚いたのは、公明党の国会議員の名前が載ってい…
「核の恫喝」日本に向く恐れ
東洋学園大学教授 櫻田 淳 北朝鮮には「禊」を求めよ 対話再開の前提条件に 2002年1月、ジョージ・W・ブッシュ(当時、米国大統領)が一般教書演説でイラク、イラン、北朝鮮の3カ国を「悪の枢軸」と呼んで以降、北朝鮮は、…
明るくなってきた世界経済
経済学博士 鈴木 淑夫 非伝統的金融政策の収束 日本も完全雇用下で成長持続 世界経済の拡大に、少し勢いがついてきたようだ。4月に公表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(WEO)によると、世界経済は2012~1…
北の核抑止に動き出した中国
拓殖大学名誉教授 茅原 郁生 国内外安定へ米と取引 自国の安保上の危機意識も 金正恩時代を迎えて北朝鮮は核・ミサイル開発を急ぎ、特に4月以降は重要な記念日ごとにミサイル発射など情勢を緊迫化させている。このような事態に中…
台湾の主人公は誰なのか
平成国際大学教授 浅野 和生 「島に来た順」を忘れず 就任1周年の蔡英文政権 来る5月20日で、台湾の民進党・蔡英文政権が就任から1周年を迎える。 1年前の就任演説で、蔡英文総統は台湾が必要とする「問題解決」のため、…
「影の国務長官」クシュナー氏
獨協大学教授 佐藤 唯行 米中首脳会談お膳立て 政権内の主導権争いで先行 米政権内の主導権争いが激しさを増している。 対立の主役は大統領上級顧問のジャレッド・クシュナーと首席戦略官バノンだが、4月初めに前者は後者を国…
抑制的だった米のシリア攻撃
ロシア研究家 乾 一宇 事態は拡大せず収束へ 米露のホットラインも復活 トランプ米大統領は、シリア政府軍がイドリブの反政府側支配地域を化学弾で空爆、子供を含む多数の犠牲者が出たことに対し、2日後の4月6日、人道上の見地…